コンパクト、軽ハイトワゴンに強い引き合い
「グーネットで今売れているクルマは何?」。取材先などで質問されることがあるが、今号の特集では、2025年によく売れたクルマをグーネットの成約データやAA相場、成約率の推移などの多角的なデータを元に分析していきたい。成約台数上位20車種は表①の通りだが、それぞれの車種の年間推移などを見ると、中古車流通市場全体の動きに連動している部分も多く見られ、非常に興味深い。プロトコーポレーション調べによるグーネットでの「掲載台数」と「平均成約金額」「小売成約率」のほか、中古車相場検索サービス「DATALINE PRO」(データラインプロ)の掲載データを元にした「AA出品台数」と「AA成約率」「AA平均成約金額」の推移と業界関係者の声をもとに検証していきたい。(室田一茂)
【首位は不動のトヨタ「アクア」(10系)】表②
トヨタ「アクア」(10系)が24年に続いての1位だった。成約台数こそ非公開だが、2位のホンダ「N BOXカスタム」(JF3・4系)とは実は僅差だった。アクアは年間を通じて、底堅い成約状況だった。小売り相場も年末にかけて緩やかに下降し、買いやすさが際立つ。近畿地区の中古車専業店では「生活の足として安価な中古車を求めるユーザーがターゲットだが、居住性や燃費を意識、ハイブリッド車(HV)が100万円以下のプライスで気軽に買える点が大きなメリットになっているようだ」という。
12月には平均成約金額が95万円を切るなど、あまり低年式すぎない良質車で尚且つ、低燃費という点がユーザーからの人気の理由。AA平均成約金額が急落した春以降、店頭の小売価格も下落、6月には店頭価格が大きく下がったことで、小売り成約率も急激に高まった。3月頃からAA出品台数が急増したことで「とりあえず置いておけば売れる」クルマとして、安価に仕入れたバイヤーも多いのではないだろうか。
【2位にはホンダ「N-BOXカスタム」(JF3・4系)が続く】表③
2位に入ったホンダ「N-BOXカスタム」(JF3・4系)も24年に続いての2位をキープ。小売り向け軽乗用車の中では新車時から根強い人気を誇るモデルだ。「中古車小売りは堅調だが、中でも調子が良いのが前型(まえかた)であるJF3・4系。いわゆるN-BOX志向のユーザーが好むモデルで、根強い人気がある。ただ、価格競争も顕著なので、少しでも高いと販売に苦戦することも。後期モデルはホンダセンシングが標準装備だが、前期モデルはグレードによって異なるので、ホンダセンシング付きでないとそれだけで反響も大きく変わる」(関東地区のディーラー関係者)だという。多くの中古車が流通しているだけに、的確な仕入れをしないと販売に苦戦するという実情もある。平均成約金額も150万円をやや切ったところで、寝落ちも鈍化、前型ながら底堅い人気が小売り相場を支えている。ただし、AAでの平均成約金額は年末にかけて大きく下げた。
【成約ランキング3位以下は、大きく入れ替わり、日産「セレナ」(C27系)が3位ランクイン】表④
トヨタ「アクア」(10系)、ホンダ「N-BOXカスタム」(JF3・4系)に次ぐ3位にランクインしたのは、日産「セレナ」(C27系)。2024年の6位から3つ順位を上げた。セレナについては「新型車のC28系も市場に行き渡り始め、タマ数が増える中で、人気のトヨタ『ノア/ヴォクシー』(80系)の相場が高く、割安感が拡販の要因になっているのも事実。ファミリーミニバンとしてちょうど良いクルマだが、割安のセレナにユーザーがなびいている」(九州地区の中古車販売店)という。大手販売店の店頭でも、仕入れやすい「セレナ」の在庫が目立つのも事実だ。同ジャンルの他メーカー車の高値相場が影響しているという、珍しいケースだ。もちろん「セレナ」ファンが存在することも否定しないが、中古車の場合、こうした外的要因が販売に影響してくるケースも多々ある。
【トヨタ「ルーミー」(M900系)が7位にランクイン】表⑤&表⑥
7位にランクインしているトヨタ「ルーミー」(M900系)も似たようなケースと言える。前述の2000CCクラスファミリーミニバンの代替品として大きなニーズをつかんでいる。新車市場でも同様の動きだが、こうしたミニバンが新車価格で350万円から上級グレードの場合400万円以上もする現在、手の届かないユーザー層がコンパクトミニバンに流れてきている。「概ね150〜200万円以内の予算でミニバンを探すユーザーが多いが、2000CCクラスのファミリーミニバンでは、この予算で条件に合う車両を見つけ出すのは至難の業とも言える。低年式や過走行は敬遠されるので、比較的高年式で状態が良く、広い室内空間を持つ中古車としての受け皿になっているのかもしれない」(近畿地区の中古車販売店)というユーザーの動きが新車市場と同様に見られる。
また、ホンダ「N-BOX」系と同様に、ダイハツ「タント」(LA600系)も普通車ミニバン系と同様に、ファミリー層から人気を集めて根強い人気を誇る。
【プリウス(50系)は第4位に】
一方で、第4位にランクインしているのはトヨタ「プリウス」(50系)だ。前年からは1つランクを落とした。「プリウス」の場合、「希望車種が決まっていないが、とりあえず車が欲しいというユーザーが購入するケースが多い。注文販売が多く、色やグレード、装備にこだわりが無い人が多いので、AAで仕入やすい」(東海地区の中古車販売店)という。裏を返せば、いつでもAAで仕入れられるので、わざわざ在庫しなくても注文が入ってからでもAAで調達できることが、小売り成約台数ランキング上は不利に働いているのかもしれない。また一方で「50系はユーザーからの人気は高いが小売りでは競争相手も多い。ユーザー下取り車の買取価格も競争があり、仕入れても小売りでは利益をしっかりと確保できるとは言い難い」(関東地区の販売店)という事情もあるという。結局のところ、市場に行き渡りすぎ、過剰供給になっている中古車は売りづらい。
【トヨタ「アルファード」(30系)はお手頃価格に】表⑦
一方で、ここにきて、やっと店頭小売価格がこなれてきたのはランキング10位のトヨタ「アルファード」(30系)だ。昨年は年初から新型の40系の新車供給が加速、春頃には中古車市場に30系が溢れてきた。年初には430万円を超える平均成約金額をつけていたが、年末の12月には約50万円下の380万円程度まで下落、中古車としても魅力が高まってきた。また、AAの平均成約金額も300万円台前半まで下降しており、今後も中古車市場での存在感が高まるだろう。「前期型なら200万円台前半のクルマも。豪華装備が魅力のハイエンドミニバンだが、高年式は輸出とバッティングして手が出ないが、そろそろ魅力的な価格帯に入ってきた」(九州地区の中古車販売店)と、幅広い価格帯が選べるようになってきていることも、中古車として魅力を増している。
【80系ノア/ヴォクシーは高額でも売れ筋】
一方で、高値での安定推移を見せているのが、ランキング9位のトヨタ「ヴォクシー」(80系)だ。「完成度が高く、『ヴォクシー』に限らず80系のファンが多い。3つ子車の『ノア』『エスクァイア』を含めて、少々高くてもすぐに商談が入るクルマ。特に店頭に欲しいと思うクルマ」(近畿地区の中古車販売店)という声が聞かれ、販売店からの評判も良いのが特徴だ。
【日産「ノート」(E12系)は大きく後退】
こうした中で、大きく順位を落としているのは、24年に4位ランクインしていた日産「ノート」(E12系)。お手頃価格の中古車として、ユーザーニーズに合致していたものの、新型のE13系が街中に溢れてきた今、真新しさが感じられない点やE13系に搭載された第二世代「e-POWER」に比べた際の物足りなさが影響している様子だ。E13系の中古車はまだまだ高値なので、モデル入れ替わりの過渡期にあると言える。
【ランキング11位以下にも売れ筋車種が並ぶ】
ランキング11位以下では、11位の日産「ルークス」(B4系)が昨年の26位から大幅躍進、スズキ「ハスラー」(MR02系)が25位から17位に、トヨタ「ライズ」(A200系)が23位から18位に順位を上げるなど、活発な動きを見せている。
26年も3カ月が経過、市場環境は急速に変化している。とりわけイラン情勢は大きな影響を及ぼすことが予想され、中古車小売りにおいても、ガソリン価格高騰によるHV、EVへの売れ筋車種の入れ替わりの動きもあるかもしれない。引き続き、状況を見守りながら、有益な情報を発信していきたい。
【首位は不動のトヨタ「アクア」(10系)】表②
トヨタ「アクア」(10系)が24年に続いての1位だった。成約台数こそ非公開だが、2位のホンダ「N BOXカスタム」(JF3・4系)とは実は僅差だった。アクアは年間を通じて、底堅い成約状況だった。小売り相場も年末にかけて緩やかに下降し、買いやすさが際立つ。近畿地区の中古車専業店では「生活の足として安価な中古車を求めるユーザーがターゲットだが、居住性や燃費を意識、ハイブリッド車(HV)が100万円以下のプライスで気軽に買える点が大きなメリットになっているようだ」という。
12月には平均成約金額が95万円を切るなど、あまり低年式すぎない良質車で尚且つ、低燃費という点がユーザーからの人気の理由。AA平均成約金額が急落した春以降、店頭の小売価格も下落、6月には店頭価格が大きく下がったことで、小売り成約率も急激に高まった。3月頃からAA出品台数が急増したことで「とりあえず置いておけば売れる」クルマとして、安価に仕入れたバイヤーも多いのではないだろうか。
【2位にはホンダ「N-BOXカスタム」(JF3・4系)が続く】表③
2位に入ったホンダ「N-BOXカスタム」(JF3・4系)も24年に続いての2位をキープ。小売り向け軽乗用車の中では新車時から根強い人気を誇るモデルだ。「中古車小売りは堅調だが、中でも調子が良いのが前型(まえかた)であるJF3・4系。いわゆるN-BOX志向のユーザーが好むモデルで、根強い人気がある。ただ、価格競争も顕著なので、少しでも高いと販売に苦戦することも。後期モデルはホンダセンシングが標準装備だが、前期モデルはグレードによって異なるので、ホンダセンシング付きでないとそれだけで反響も大きく変わる」(関東地区のディーラー関係者)だという。多くの中古車が流通しているだけに、的確な仕入れをしないと販売に苦戦するという実情もある。平均成約金額も150万円をやや切ったところで、寝落ちも鈍化、前型ながら底堅い人気が小売り相場を支えている。ただし、AAでの平均成約金額は年末にかけて大きく下げた。
【成約ランキング3位以下は、大きく入れ替わり、日産「セレナ」(C27系)が3位ランクイン】表④
トヨタ「アクア」(10系)、ホンダ「N-BOXカスタム」(JF3・4系)に次ぐ3位にランクインしたのは、日産「セレナ」(C27系)。2024年の6位から3つ順位を上げた。セレナについては「新型車のC28系も市場に行き渡り始め、タマ数が増える中で、人気のトヨタ『ノア/ヴォクシー』(80系)の相場が高く、割安感が拡販の要因になっているのも事実。ファミリーミニバンとしてちょうど良いクルマだが、割安のセレナにユーザーがなびいている」(九州地区の中古車販売店)という。大手販売店の店頭でも、仕入れやすい「セレナ」の在庫が目立つのも事実だ。同ジャンルの他メーカー車の高値相場が影響しているという、珍しいケースだ。もちろん「セレナ」ファンが存在することも否定しないが、中古車の場合、こうした外的要因が販売に影響してくるケースも多々ある。
【トヨタ「ルーミー」(M900系)が7位にランクイン】表⑤&表⑥
7位にランクインしているトヨタ「ルーミー」(M900系)も似たようなケースと言える。前述の2000CCクラスファミリーミニバンの代替品として大きなニーズをつかんでいる。新車市場でも同様の動きだが、こうしたミニバンが新車価格で350万円から上級グレードの場合400万円以上もする現在、手の届かないユーザー層がコンパクトミニバンに流れてきている。「概ね150〜200万円以内の予算でミニバンを探すユーザーが多いが、2000CCクラスのファミリーミニバンでは、この予算で条件に合う車両を見つけ出すのは至難の業とも言える。低年式や過走行は敬遠されるので、比較的高年式で状態が良く、広い室内空間を持つ中古車としての受け皿になっているのかもしれない」(近畿地区の中古車販売店)というユーザーの動きが新車市場と同様に見られる。
また、ホンダ「N-BOX」系と同様に、ダイハツ「タント」(LA600系)も普通車ミニバン系と同様に、ファミリー層から人気を集めて根強い人気を誇る。
【プリウス(50系)は第4位に】
一方で、第4位にランクインしているのはトヨタ「プリウス」(50系)だ。前年からは1つランクを落とした。「プリウス」の場合、「希望車種が決まっていないが、とりあえず車が欲しいというユーザーが購入するケースが多い。注文販売が多く、色やグレード、装備にこだわりが無い人が多いので、AAで仕入やすい」(東海地区の中古車販売店)という。裏を返せば、いつでもAAで仕入れられるので、わざわざ在庫しなくても注文が入ってからでもAAで調達できることが、小売り成約台数ランキング上は不利に働いているのかもしれない。また一方で「50系はユーザーからの人気は高いが小売りでは競争相手も多い。ユーザー下取り車の買取価格も競争があり、仕入れても小売りでは利益をしっかりと確保できるとは言い難い」(関東地区の販売店)という事情もあるという。結局のところ、市場に行き渡りすぎ、過剰供給になっている中古車は売りづらい。
【トヨタ「アルファード」(30系)はお手頃価格に】表⑦
一方で、ここにきて、やっと店頭小売価格がこなれてきたのはランキング10位のトヨタ「アルファード」(30系)だ。昨年は年初から新型の40系の新車供給が加速、春頃には中古車市場に30系が溢れてきた。年初には430万円を超える平均成約金額をつけていたが、年末の12月には約50万円下の380万円程度まで下落、中古車としても魅力が高まってきた。また、AAの平均成約金額も300万円台前半まで下降しており、今後も中古車市場での存在感が高まるだろう。「前期型なら200万円台前半のクルマも。豪華装備が魅力のハイエンドミニバンだが、高年式は輸出とバッティングして手が出ないが、そろそろ魅力的な価格帯に入ってきた」(九州地区の中古車販売店)と、幅広い価格帯が選べるようになってきていることも、中古車として魅力を増している。
【80系ノア/ヴォクシーは高額でも売れ筋】
一方で、高値での安定推移を見せているのが、ランキング9位のトヨタ「ヴォクシー」(80系)だ。「完成度が高く、『ヴォクシー』に限らず80系のファンが多い。3つ子車の『ノア』『エスクァイア』を含めて、少々高くてもすぐに商談が入るクルマ。特に店頭に欲しいと思うクルマ」(近畿地区の中古車販売店)という声が聞かれ、販売店からの評判も良いのが特徴だ。
【日産「ノート」(E12系)は大きく後退】
こうした中で、大きく順位を落としているのは、24年に4位ランクインしていた日産「ノート」(E12系)。お手頃価格の中古車として、ユーザーニーズに合致していたものの、新型のE13系が街中に溢れてきた今、真新しさが感じられない点やE13系に搭載された第二世代「e-POWER」に比べた際の物足りなさが影響している様子だ。E13系の中古車はまだまだ高値なので、モデル入れ替わりの過渡期にあると言える。
【ランキング11位以下にも売れ筋車種が並ぶ】
ランキング11位以下では、11位の日産「ルークス」(B4系)が昨年の26位から大幅躍進、スズキ「ハスラー」(MR02系)が25位から17位に、トヨタ「ライズ」(A200系)が23位から18位に順位を上げるなど、活発な動きを見せている。
26年も3カ月が経過、市場環境は急速に変化している。とりわけイラン情勢は大きな影響を及ぼすことが予想され、中古車小売りにおいても、ガソリン価格高騰によるHV、EVへの売れ筋車種の入れ替わりの動きもあるかもしれない。引き続き、状況を見守りながら、有益な情報を発信していきたい。


