本年のAA中古車流通動向における大きな要因は「新車補助金」。実施されていた9月以前と終了後では大きく基調が変化、そしてそのことが国内最大市場の関東地区への集中、流入状況をより顕著なものにした。
08年9月の世界同時不況後の流通規模縮小は本年も続き、年初段階で08年比約25%減の水準で時季的要因による変動をしていた。そして9月の補助金終了後は更に縮小傾向に転じ、11月の本誌集計の主要7会場は前年比10%減。通常年末前は台数増加に転じるが、ついにこの「自動車販売不況」は時季的変動をも押し曲げる状況となった。
その需給バランスの異変により、中古車店層は商材確保が困難化、また台数保有、流動台数の大型事業者と小口店での格差が拡大。とくに買取企業、ディーラーなどはユーザー発生車の吸引機会の多くそれが顕著に。
この不況とタマ不足の中での大きな変化のひとつが、これまで「リユース」車と呼ばれた低価格帯車の商品価値。これらも商材としての引き合いが増加し、無価値の「使用済み車」とならないケースが増えてきた。そのためリサイクル業者もAAでの仕入を余儀なくされるケースも出ており、使用済み車との実際の分岐点は従前から大きく変化。今後の市場推移によって中古車本来の「リユース(再使用)」構造が構築されるか。
また、このタマ不足=売り手市場により取引の方法や価値も大きく変化。
AA事業者の手数料施策が変化してきている。大手事業者は収益と取引効率確保の観点から、特に出品料の割引を引き締め、より「売る前提」の取引場構築に舵を切った。その一方で例えばAA仕入れで応札によっては売りにくい会員層に配慮した出品料施策を展開する事業者も。AA取引入口の「出品料」、この方向性と今後の推移で流通取引の価値と会員層の動きは変化していくとみられる。
取引方法では売り手の高値期待が「セリ上げ」だけでなく、導入が進んだ「ワンプライス落札」を活用する例も増加している。「売り手市場」ゆえに可能となった状況であるが、この不況、タマ不足が流通取引の形態の大きな変化の端緒となったのかもしれない。(黒田)
08年9月の世界同時不況後の流通規模縮小は本年も続き、年初段階で08年比約25%減の水準で時季的要因による変動をしていた。そして9月の補助金終了後は更に縮小傾向に転じ、11月の本誌集計の主要7会場は前年比10%減。通常年末前は台数増加に転じるが、ついにこの「自動車販売不況」は時季的変動をも押し曲げる状況となった。
その需給バランスの異変により、中古車店層は商材確保が困難化、また台数保有、流動台数の大型事業者と小口店での格差が拡大。とくに買取企業、ディーラーなどはユーザー発生車の吸引機会の多くそれが顕著に。
この不況とタマ不足の中での大きな変化のひとつが、これまで「リユース」車と呼ばれた低価格帯車の商品価値。これらも商材としての引き合いが増加し、無価値の「使用済み車」とならないケースが増えてきた。そのためリサイクル業者もAAでの仕入を余儀なくされるケースも出ており、使用済み車との実際の分岐点は従前から大きく変化。今後の市場推移によって中古車本来の「リユース(再使用)」構造が構築されるか。
また、このタマ不足=売り手市場により取引の方法や価値も大きく変化。
AA事業者の手数料施策が変化してきている。大手事業者は収益と取引効率確保の観点から、特に出品料の割引を引き締め、より「売る前提」の取引場構築に舵を切った。その一方で例えばAA仕入れで応札によっては売りにくい会員層に配慮した出品料施策を展開する事業者も。AA取引入口の「出品料」、この方向性と今後の推移で流通取引の価値と会員層の動きは変化していくとみられる。
取引方法では売り手の高値期待が「セリ上げ」だけでなく、導入が進んだ「ワンプライス落札」を活用する例も増加している。「売り手市場」ゆえに可能となった状況であるが、この不況、タマ不足が流通取引の形態の大きな変化の端緒となったのかもしれない。(黒田)