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【検査員はここを見る】EV(電気自動車)のチェック前編

 最近自動車関連のニュースは“半導体不足による生産力低下”“納車遅延”“、中古車販売店のタマ不足”が目につきますが、もうひとつ注目しておきたいのが“電動自動車(EV)”です。皆様方におかれましても下取りや買取案件として、電動自動車のケースが徐々に増えているのではないでしょうか?地球温暖化という環境問題に対するひとつの対策が【内燃機関からEVへの移行】です。技術的には、まだ過渡期といえますが、査定の対象車両として既に一般化しつつあるカテゴリーの車両について私達はどのような知識を備え、どのような点に注意をすればよいのでしょうか?

■EVといっても多種多様
 EV(エレクトリック・ビークル)とは、その言葉どおり、『電気を動力にして動く車両全般』を表す総称です。
 このEVカテゴリーには、
 ①ハイブリッドカー(HV)
 ②プラグインハイブリッドカー(PHV)
 ③二次電池式電気自動車(BEV画像①)
 ④燃料電池車(FCV)
 ⑤その他(ソーラーカー等)
 と、様々なタイプが存在しています。
 今回は『査定案件として今後の増加が見込まれる』という点を重視し、二次電池式電気自動車(BEV)に焦点を当ててみることにします。

■BEVの種類
 動力源として内燃機関を搭載せず、バッテリーに充電された電力を動力とするBEVには、①内燃機関モデルのボディベース(レクサスUX300e・三菱ミニキャブMiEV等)と、②専用設計のボディ(日産リーフ・テスラの各モデル・BMWiシリーズ等)があります。
 
 それでは②の専用設計ボディは、既存の内燃機関モデルと何が異なるのでしょうか?
 特徴は、限られた電力で効率よく動力を生み出すため、ボディの大幅な軽量化が図られている点。多くのモデルで車体の大部分にアルミ合金や炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が採用されています。

 もうひとつが大容量のバッテリーを搭載する為のスペースが確保されている点。
 多くのモデルでは、センターフロアパネルがフラット形状で設計されており、そこにバッテリーモジュールが搭載されています(画像②)。
 とは言え、思ったほどボディ形状が異なるわけではなく、そこにはサイドメンバーやフロントインサイドパネル等の骨格部位が存在します(トヨタ車体・コムス等の小型EVを除く)。
 査定検査においてこれらのモデルをチェックするにしても、修復歴の判定で困ることはないでしょう。
 ただ細かな項目で注意すべき点があるのでこれよりご紹介します。
その①諸元項目
 私達は“盗難の疑いがある車両の発見”を念頭に、ボディに刻印されている車台番号を査定時に確認しています。
 その多くはダッシュパネルやフロントインサイドパネル、あるいは運転席足元付近に刻印がされていますが、意外な場所に刻印されたモデルも存在します。そのため事前知識が無いと探すのにえらい苦労することがあります。
 例①BMWi3→運転席座面後方(シートを前方に最大限スライドする必要あり画像③)
 例②テスラモデルX→右ステップ後方(スカッフプレートを外す必要あり画像④)

 コーションプレートや車検証に記載された番号で確認しても概ね問題ないのですが、もし直接確認したいのであれば取扱説明書(現在はネット経由で閲覧可能なモデルが多い)や弊社のYOUTUBE動画で事前チェックしておくと作業効率が良いのでおすすめです。

(次号へつづく)





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