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21年4月輸出概況レポート JUMVEA佐藤博理事長に聞く

  • 佐藤理事長 佐藤理事長
 日本中古車輸出業協同組合(東京都品川区:JUMVEA)の佐藤博理事長に中古車輸出の直近の輸出動向を聞いた。

 4月の輸出状況は昨年ほど悪くない。例年は2月を山とし3月、4月は落ち込む傾向にある。ゴールデンウィークもその要因の一つとなっている。

 今、挙げた話は時期的な要因だが、現時点で中古車輸出における一番の課題は船不足、コンテナ不足の影響が大きい。2021年の輸出実績は、一昨年を下回っている。それにもかかわらず一昨年は船不足や、コンテナ不足は生じていない。現在は結果として運賃が上がり、収益に影響を与えつつある。収益以上に問題なのは車を送ることができないこと。信用問題になる。

 ミャンマーは政情不安の影響が大きく、スリランカは財政難に陥っている。南に新しい港を造ったが資本をだしたのは中国であり、100年の抵当が入っており日本車の輸出は厳しい状況にある。首都のコロンボでも埋め立て地に港を造っているがこれも同様であり、当面の状況は変わらないと思われる。

 現状、中国の中古車輸出が伸びないのは左ハンドルと日本車の右ハンドルの仕様の違いがある。そのこと以上に大きいのは、日本の中古車は、中国の新車以上の価値があるため。中国の隣国であるモンゴルやロシアは基本、左ハンドルだが日本車が求められている。それだけ日本の中古車に対する信用性が高いと言える。ただ今後、中国車の質が向上すれば、EV化対応も含め、日本の中古車輸出に大きな影響を及ぼす要因になると考えられる。

 その他の地域では、南米のボリビアはマーケットも大きくが勢いがある。南米はチリが輸出仕向地として知られているが、同国は中継点の役割を果たしている。チリに輸出された車は、陸路を経由し内陸であるボリビアやパラグアイに運ばれる。

 また、最近ではアフリカのケニアやウガンダ、タンザニアの諸国で、代金を払ったにも関わらず、車が入ってこないという問題が発生している。現地の業者は日本の輸出会社のホームページを閲覧し、立派なホームページに加え多数の在庫があり、値段も安いと判断し、トラブルが生じている。その事例を警戒し、海外バイヤーは当組合から車を仕入れようとする動きもある。その意味でも中輸協は信頼の証でもあり、存在意義は大きい。

 輸出は面白い。日本で役割を終えたと思われた車が、世界で求められ役に立っている。今年度は一昨年度なみに市況が戻る可能性はある。

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