川崎大輔のアセアン市場まるわかり⑥ - グーネット自動車流通

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川崎大輔のアセアン市場まるわかり⑥

コラム 2019年06月21日
マレーシアの中古車流通
会社名:アセアンカービジネスキャリア

 マレーシアはアセアンの中でも最も自動車普及率が高い国だというのは意外と知られていない。各国の自動車普及レベルを知るのに、1000人あたりの自動車保有台数がよく用いられる。マレーシアは400 台ほど、アジアのデトロイトと呼ばれるタイが250台ほど、アセアンで新車販売台数が最大のインドネシアで90台ほどだ。マレーシアは、タイやインドネシアと異なり、マハティール元首相時代の国民車構想を受け発展が早かった。所得水準の高さに加え、充実した自動車ローン制度、道路インフラの整備によって自動車の利便性が良いことが、普及レベルが高い理由だ。

 ヒアリングによれば、マレーシアの中古車年間登録台数は新車販売台数(約60万台)の約80%(=50万台ほど)。さらに中古車がエンドユーザーに届くまでに平均1.5~2回の名義変更による登録が行われており、実際の中古車小売り台数は、およそ25万台前後と推定される。

 マレーシア中古車流通は、新車ディーラー、オークション、中古車販売店の3つの流通経路がある。新車ディーラーでは積極的な中古小売りは行っていない。新車の乗り換えとして入庫した中古車は中古車販売店へ卸売りされる。ヒアリングでは小売り:卸売り=1:9。

 オークションはクアラルンプール(KL)周辺で定期開催している。1開催100~200台の出品で多くが自動車ファイナンス会社の差し押さえの中古車だ。

 中古車販売店は中古車流通市場のメインプレーヤーで5000か所ほどある。多くは小売りされるが、他(ほか)の中古車販売店へ卸売りも行っている。ユーザーやオークションからの仕入れ、中古車販売店同士の交換もあるが、メインは新車ディーラーからの仕入れだ。

 自動車普及率は高いが、まだ新車ディーラーでの中古車販売、オークションの確立や、市場価格の情報共有、自動車査定などが進んでおらず中古車流通が未成熟だ。日本の中古車流通サービスがマレーシアでも同様に広がるとすれば日本の企業はマレーシアの先を見通せる優位な立ち位置にいる。新たな市場を生み出すチャンスだ。

<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。





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4、4.5点

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直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること