中川店長(左)と野﨑アドバイザー(右)、中央は副店長のきなこちゃん

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横浜市都筑区に店舗を構え、創業39年を迎えるラウンドオート(小河原健一代表)。バントラ専門店と軽自動車販売店の二店舗体制で、地域に密着した営業活動を展開している。かつては4WD専門店だったが、時代の流れと法規改正に対応し業態を転換。現在はバントラ専門店として、小型トラックを中心に常時約20台の展示車を揃え、多様なユーザーニーズに応える商品車を提供している。
同社は「何でもやってみる」をモットーに掲げ、中古車共有在庫システム「JUテントリ」もサービス開始当初から積極的に活用している。「共有在庫はバントラで利用する」と話すバントラ専門店の中川謙太郎店長と、JUテントリを担当する野﨑佳秀アドバイザーに話を聞いた。
■利用者増で商機拡大 成約までのスピードも魅力
中川店長はJUテントリの導入について「JUの組合員であることが一番のきっかけ。代表がJU神奈川の執行部だったこともあり、JUの施策には積極的に取り組んできた。JUテントリもサービス開始と同時に使い始めた。当初と比べると写真掲載枚数の増加などで使いやすさが向上している。加えて、JUテントリの利用者数が格段に増えたことで、バイヤーが増え、掲載車も増え、商売の機会と幅が広がった。何よりもJUのオークションを利用する場合、テントリは非常に使いやすい」と語る。
野﨑アドバイザーは「JUテントリは売りがメイン。共有在庫というと、客注を中心とした小売車両が取引されるイメージが強かったが、最近では輸出業者の購入が目立っている。輸出業者は商談の段階で、エンジンのオイル漏れや異音の有無など、車の状態を細かく確認してくる。船積みを考えると当然のことだが、商談成立までに時間がかかる場合もある。しかし、JUテントリは比較的早く成約に至ることが多い」と話す。
中川店長も「それは、売り手と買い手の間に入っているJUコーポレーションのレスポンスが良い」と話す。
さらに中川店長は「共有在庫以外にもポータルサイトのオークションを利用するが、売却後のクレームが心配。JUテントリはJU加盟店が中心であり、いわば車のプロ同士が取引を行っている。一方、ポータルサイトのオークションは買い手の人数は多いものの、一般ユーザーや車の知識がない人も含まれる。その点、プロ同士の取引であるテントリは安心して販売できる」と強調する。
同社は、トラック販売という特性上、条件に合う一台を探して全国の業者が購入するため、詳細な販売先までは把握できないものの、ほぼ全ての都道府県に販売実績があるという。JUテントリは同社の商圏を大きく広げる役割を果たしている。
■詳細な情報開示と自社評価で信頼性を向上
野﨑アドバイザーは車両情報の登録について「手間はかかるが、なるべく多く、より細かい情報を掲載するように心がけている。写真掲載枚数は最大30枚だが十分。トラックの特徴である架装を中心に、その状態が明確にわかる写真を掲載しており、買い手からの評価も高い。また、中古車情報サイトに掲載している車両情報をボタン一つでテントリに転載できる点も便利。当社では業販と小売で担当が異なるが、写真の枚数をはじめ、お互いに確認し、お客様が安心して購入できる情報提供に努めている」と説明する。
また、「車両状態票はオークションの出品票をそのまま利用できるため便利。しかし、当社ではオークションで仕入れた車両は鈑金や整備を施し、全て仕上げた上でJUテントリに掲載している。そのため、オークションの評価点を上回る状態であると自負しており、オークションの評価点に加えて自社の評価点を付与している。自社の検査項目も詳細に記入しており、バイヤーからも好評を得ている」と語る。
中川店長は「オークションの出品票が第三者評価として信用を得られる点は理解しているが、出品時点から仕上げた車が自社評価として扱われる点を見直してもらえればありがたい。特に当社は適正販売店でもあり、安心と信頼を謳う適正販売店であれば、評価点の括弧をなくすなどの見直しがあると、より商売がしやすくなると考える。最近では適正販売店のロゴが表示されるようになったため、当社の信頼度も少し向上したと感じている」と期待を込める。
■掲載車両の確実性で買いやすさを実現
中川店長は仕入れについて「ほとんどがオークションだが、注文を受けた際に店舗に顧客の要望に合致する車両がない場合、買い手としてJUテントリを利用する機会もある」と話す。
買い手としてテントリを利用する際に感じることとして、売買可能な車両がしっかりと掲載されている点を挙げる。
「中古車は一台一台状態が異なり、特にトラックは架装や仕様が多岐にわたるため、同じ車種でも全く異なる場合がある。JUテントリと同様の他のサービスも利用するが、条件に合致した車両を見つけ、購入条件などの交渉が進み、いざ申し込むと『掲載車両は既にない』と言われるケースが散見される。一方、JUテントリ掲載車両は、ほぼ確実に購入できる。その意味では、JUテントリの掲載物件はしっかりと管理されており、買い手にとって非常に利用しやすい」と語った。
■閲覧件数で市場ニーズを把握し新たな商機
中川店長は「トラックという商材の特性上、顧客は必要に迫られて、あるいは条件に合致した車両を探しているため、展示車の回転率は一般的な小売店ほど早くはない。店舗だけで全てを販売しようとすると大変だが、JUテントリを利用することで販売先が広がり、回転率も向上する。共有在庫であるJUテントリは、当社にとって有効な販売手段だ」と語る。
さらに「周囲にJUテントリを勧めるが、『車両情報を登録するのが面倒だ』『業販でしょ?』といった声をよく聞く。実際に試してみたが売れないという人もいるが、継続することが重要だ。継続することで、売れる理由や売れない理由が見えてくる。車両情報の掲載方法も理解できるようになる。何よりも、JUテントリに掲載した車両の閲覧件数がわかるため、市場のニーズを把握できる。それが車種なのか、価格なのか、長く続けることで商売のヒントになっている」とJUテントリの活用による効果を話した。