和歌山県海南市で地域に根差した中古車小売店を展開する木村オート販売（木村拓生社長）。長年地域で親しまれ、生活圏になくてはならない同社は正に「町医者」のような存在だ。マイカー保有が１人１台とも言われるエリアで、堅実な商売を続ける中、小売りの補助的ツールとして「ＪＵテントリ」を活用する。比較的回転率が高い同社の中古車小売りだが、一部の長期在庫車などが「ＪＵテントリ」を通じて成約に至るケースもあり、自身が流通委員長を務めるＪＵ和歌山においても「ＪＵテントリ」の活用を促している。「皆に幅広く使ってもらいたい」（木村社長）とする「ＪＵテントリ」の成功ノウハウなどについて聞いた。　　　　（室田一茂）

■小売りからＪＵテントリ、ＡＡ出品という流れ
　地域に根差し堅実な中古車小売りを展開する同社では、まずはユーザーへの直接販売を最優先する。地元志向が強く、地域ユーザーへの小売りが大半で、長年の付き合いから注文車を仕入れてきて「目当ての１台」を提供することもしばしば。「町医者」のように、ユーザー一人ひとりに寄り添う姿勢が地域で愛される理由だ。仕入れた車両はまず小売りでチャレンジし、状況を見ながら「ＪＵテントリ」への同時掲載を進めていく。もともと、グーネットやカーセンサーといった中古車小売りポータルサイトへの掲載も積極的に展開していることから、同店の在庫回転率は高いが「補助的ツール」としての「ＪＵテントリ」活用で売り逃しを無くしているという。「ＪＵテントリ」に限らず、掲載車両については、１台１台しっかりとこだわった写真を活用するほか、年式や走行距離、掲載金額などのリサーチを徹底し、成約スピードを更に早めるための工夫を欠かさない。小売り、共有在庫に関わらず、掲載から約２週間を勝負の期間として目安にする。掲載車両の登録などの業務は同社で店長を務める矢本敬子さんが担当しており、女性ならではの研ぎ澄まされた「感性」で、ユーザーや販売店を「買う気」にさせる車両情報の提供を実践している。

■軽四から輸入車、旧車まで幅広い取り扱い車種
　地域柄から、乗用・商用問わず、軽自動車の需要が高いという。一方で同社が得意とするメルセデス・ベンツ車や旧車などの販売やサービスにも定評がある。木村社長自身、旧車が大好きでレストアなどを手がけた経験もあるという。こうした経験からメンテナンスに困ったユーザーが同社に駆け込んでくることもしばしば。長年培ったノウハウが地域のユーザーを包み込むような拠り所になっているという。

■注文車などでは「ＪＵテントリ」を仕入れに活用
　自動車保有が１人１台とも言われるエリアで、顧客が家族のクルマを注文するケースも多いという同社では「ＪＵテントリ」も１つの仕入れチャンネルとして活用する。活用するメリットは「タイムリーな仕入れ」に他ならない。グーネットやカーセンサーなどからのデータ連動が拡大する中で「お客さんの目にさらされる一番良い状態」の中古車を見つけ、地域のユーザーに届けている。もちろん、自社の在庫車を「ＪＵテントリ」に掲載する際も「一番良い状態」にこだわるとともに、数多くの写真などを通じて、正確に伝える。利用社数も増え、掲載されている車両からは「売る気」を強く感じるという。「ＪＵ」という組織をフル活用した共有在庫「ＪＵテントリ」の存在価値の高さを改めて感じているという。地元主体の商売を展開するからこそ、仕入れチャンネルとしての「ＪＵテントリ」を活用して、数多くの中古車を顧客に供給する。

■「ＪＵ近畿チャンス」の推進メンバーとして活躍
　木村社長は「ＪＵ近畿チャンス」を推進する委員会メンバーの１人。ＪＵ和歌山の流通委員長として会議に参加する。「コロナ禍で会議もなかなかできない状況下。流通の形も大きく変化、映像へのシフトも進む中で、各府県の推進メンバーとともに盛り上げていきたい」（木村社長）とする。まだまだスタートしたばかりの「ＪＵ近畿チャンス」だが、将来を見据えた試金石として更なる盛り上げを図る考え。

＜店舗情報＞
木村オート販売
住所＝和歌山県海南市小野田295-1
TEL＝073-487-4511