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10月鉄スクラップ市況

盛り上がりを欠く国内需要と底入れ気配のある輸出環境

 日本鉄リサイクル工業会(東京都新宿区)は11月1日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。

 10月の国内鉄スクラップ市況は、3月以降続く下落の動きに歯止めがかからず一段の値下げが進んだ。月末のH2価格レベルは関東で2万2000円~2万3000円、関西で2万2000円~2万2,500円と前月末比1,000円程度低位となっている。
 
 この背景には、高炉、電炉共に粗鋼生産の落ち込みがあり、特に電炉鋼生産は前年比約5%も減少しており、鉄スクラップへの需要低下に繋がっている。海外では、米国も操業率が徐々に下がり始めているのに加え、コンポジット価格も1か月で35ドル下落している。

 一方で、トルコ、東南アジア向けのDeep Sea(大型貨物船輸送)の価格は、底入れし、トルコ向け米国産25ドル程度値上がりした他、ベトナム向けオッファー価格も同様の値上がり、台湾向けコンテナー貨物も15ドル上がっており、さらに上昇しそうな気配にある。これに連れて、ベトナム、台湾から日本産H2への引き合いも出始め、一部では値戻しも報告されている。しかし、韓国需要家は潤沢な在庫を背景に、日本産H2価格の引き上げには応じていない。

 このように、盛り上がりを欠く国内需要と一部底入れ気配のある輸出環境が共存しており、先行きが見通し難い状況で月末を迎えている。

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