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川崎大輔のアセアン市場まるわかり②

急拡大するベトナム自動車市場

ベトナムの朝は熱い。バイクや車のクラクションで街が目覚める。朝の通勤ラッシュ時には自動車と無数のバイクが道を埋め尽くす。ベトナムの魅力は約9,000万人の巨大市場であり、中間・富裕層の拡大でこれからの消費市場の成長が大きく見込める点にある。2000年には年間新車販売台数が1 万台程度であったベトナムだが、2013 年以降は年率平均 35%の急速な成長を見せ、最近は自動車が飛ぶように売れている。

ベトナム自動車工業会(VAMA)によると2018年の新車販売台数は28.9万台(対前年比5.8%増)。2012年には8万台だった新車市場だが、10年で3.6倍の市場となった。「ベトナムの自動車市場ですが、2025年には販売台数80万台の予測もあります。」(ベトナムの新車ディーラー)。

一般的に国民1人あたりGDPが3000ドルを超えるころ、モータリゼーションが始まると言われている。ベトナムの1人あたりGDPは2,540ドル(2018)で、“プレ”モータリゼーション期と言える。一部の高所得層のみが自動車を所有しそれより低い所得層での保有が始まらない状態だ。

したがって高所得層による自動車購入が今のベトナムの自動車市場拡大の要因となる。一方で、経済が急成長して一定の水準を超えると、急速に中間層に富の分配をもたらす。これまで自動車を買えなかった所得層の人々が生まれて初めて自動車を購入する。今のベトナム自動車市場の急成長は、経済の急成長で所得が向上した中間層が自動車を購入しているためである。ベトナムの1人あたりGDPは、3年間で17.3%上昇した。急速に自動車保有台数が拡大し一気にモータリゼーション期に突入する可能性が高い。

ベトナムの中古車市場も拡大してきている。新車販売台数の急増、また1~5年の使用で売却される車が増え、多くの中古車が市場に出てきた。流通量が増え中古車の販売価格も割安になっている。国民の所得水準が向上し中古車を購入できる層が増え、ベトナム中古車市場が活況を呈している。有望な新市場ベトナムにチャレンジしていくことは、日本の中小企業の成長につながるだろう。

<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

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