滋賀県大津市で新車・中古車販売を中心に、車検・整備や鈑金塗装などのアフターサービスまで幅広く展開する三共自動車（和田一夫社長）。１９７８年（昭和53年）に創業、今年で41年目を迎えた。「安心と信頼」をモットーに、常にユーザー目線の経営を心がけ、地域に愛される販売店に成長、多くの顧客から信頼を集めている。和田社長はＪＵ滋賀の会長・理事長も務め、積極的にＪＵ事業に取り組んでいる。「ＪＵテントリ」では、在庫共有の特性を活かし、小売り以外の販路を開拓、積極的な活用で収益性を高めている。ＪＵテントリを積極活用し経営基盤強化に活かしている。（福井伸幸）

■ＪＵ中販連・澤田前会長の一言でスタート
　同社が本格的にＪＵテントリを運用し始めたのは約３年前。きっかけは澤田稔ＪＵ中販連前会長の一言だった。ＪＵ滋賀ではＡＡ事業を行なっておらず、県内に他のＡＡ会場も無いことから、業販の販路が乏しく、課題となっていた。当時ＪＵ中販連の会長を務めていた澤田前会長が「ＪＵテントリはもう１つの展示場をつくることができる」と和田社長にアドバイスを行なったことがきっかけとなった。和田社長はその一言でＪＵテントリをスタートしたという。最初は半信半疑だったが、掲載した車両に思った以上に引き合いが強く、結果として販売につながったことと、成約金額がＡＡ落札相場より高値が付いた車両が数多くあったことから、本格的な運用につながった。和田社長は「あのとき澤田前会長の一言があったからこそ今につながっている」と振り返る。

■良質車のＪＵテントリ掲載が成約に結び付く
　掲載車両は顧客からの下取り車が中心となる。同社では、１９９５年に指定整備工場を敷地内に完備した。「指定工場のメリットは大きく、自社工場で完成検査を行なえるため、車検業務の時間短縮につながり、顧客を待たせることが少なくなった」（和田社長）と話す。一般整備に加え車検入庫を積極的に受け入れられることができることで、顧客の大半は同社で整備全般を任せることが多い。これにより、顧客からの下取り車両は、自社で整備をしっかり行なった車両が多く、また加修が必要な下取り車も、自社で商品化してからＪＵテントリに掲載することが可能となった。「整備をしっかり行なった車両の成約率は高い」（和田社長）とするように、しっかりとした整備により、他の車両との差別化を図ることができ、高成約にもつながっているという。

■モーターゲートとの連携で業務軽減
　ＪＵテントリの掲載車両データはプロトコーポレーション（名古屋市中区・神谷健司社長）の中古車販売店向けＡＳＰサイト「ＭＯＴＯＲ ＧＡＴＥ」（モーターゲート）と車両データ連携を行なっており、小売り用にモーターゲートに登録した車両データを簡単に引用できる。これにより、ＪＵテントリへの掲載スピードアップにつながると共に、業務負担の軽減にも繋がっている。

■掲載車両はスピードを重視しながら丁寧に
　同社ではモーターゲートへの車両登録は和田社長自らが行う。「私自身が登録を行なうことで、他のスタッフは自分の仕事に集中することができる。また、社長業の他にＪＵ滋賀の会長職を務めることで外出の機会が多い中、自社の在庫車の状況を常に把握することができる」（和田社長）という。また、掲載スピードを重視しており、ビジネスチャンスを逃さないために、登録可能な車両は少しでも早く登録を行なっているという。ただし、スピード重視とはいえ、登録内容を疎かにはしていない。特に気を付けているのは「誠実で丁寧である事」。「アピールポイントなどをむやみに大げさな表現をするとクレームにもつながる」とするように、目先の販売に走ることがトラブルにもつながり、後処理に時間を取られてしまう。「顧客の見えないＪＵテントリだからこそ、時には店頭販売よりも気を遣う必要がある」と話す。

■今後の展開について
　和田社長は今後について「市況が厳しくなっていく中、ＪＵテントリは新たな販路として、必要不可欠な存在となっている。今後も引き続き、小売りと並行しながら、注力していきたい」と語る。

【店舗情報】
社名＝三共自動車
所在地＝滋賀県大津市衣川１-12-８
電話＝０７７-５７３-３９３０
代表者＝和田一夫社長