日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA)
佐藤博理事長インタビュー
日本中古車輸出業協同組合(JUMVEA:東京都品川区、佐藤博理事長)発表の中古車輸出統計によると、2024年8月の輸出台数は12万2930台、前年同月比はほぼ同水準の3台増(100.0%)となり、4カ月ぶりに前年同月の輸出台数を上回った。24年の1月-8月の輸出台数は102万507台(前年同期比103.%)となり、前年の過去最高輸出台数を上回る数字が続いている。
8月の輸出国別台数ではロシアが1万5153台(前年同月比121.8%)となり、前年同月の台数を上回った。前年の8月はロシアへの中古車輸出規制の影響により輸出台数は大きく減少したが、前年8月と同条件でありながら今年の輸出台数が上回ったことを鑑みると、ロシア向けの輸出は堅調と言える。
他の輸出上位国ではUAE、モンゴル、タンザニア、ケニア、チリなどは前年同月を上回ったが、NZ、南アフリカ、タイ、マレーシアは前年同月を下回った。
■依然、輸出は底堅い動きが続いている
佐藤理事長は8月の輸出実績について「8月の輸出台数は前年同月をわずか上回った。年間の台数においても過去最高を記録した前年を上回っている。中東情勢や為替相場、また国内政治やアメリカの大統領選挙など景気に影響を及ぼす案件は多々あるが、依然として日本の中古車に対するニーズは高い。この底堅いニーズからも24年は前年を上回る輸出台数を記録すると見ている。
ロシアの輸出台数は輸出規制後の台数を上回り、底堅いニーズが続いている状況。引き続き前年と同等、また前年を上回る輸出が続く可能性が高い。NZは前年同月に対し下げ幅が大きい状況が続いている(前年同月比44.4%減)。経済状況が悪い状態が続いており、回復には時間を要すると見ている。モンゴルは大統領が変わり政策も変わった。社会問題化している交通渋滞解消に向け、輸入規制が掛かる噂が聞こえている。オーストラリアは毎月一定の台数が輸出されているが、市場開放の見通しは立っていない。同国内で現状維持を望む業界の声が強く、市場ニーズが反映されていない。政策や現地の利害関係から、その国によっては輸出の難しさを感じる。
世界の輸出状況を見た場合、中東情勢の悪化が懸念点。紅海を抜ける航路は、船便や船賃に影響が出るため注視が必要な状況。
■放射能検査について申入れ
9月27日に中古車輸出前の放射能検査について一般社団法人日本陸送協会と連名で一般社団法人日本港運協会に申し入れをした。内容は中古車の放射能検査の費用負担について。検査費用は国交省のガイドラインで「検査を必要とする人が負担をする」という見解が出ている。過去には裁判で輸出車両の放射能レベルは健康被害には及ばないと判決も出ている。また、現在も健康被害の話は聞いていない。食品の輸出でも放射能検査撤廃や輸出再開の動きは広がっている。中古車輸出でも早期の解決を図っていきたい。
■講習会開催
9月25日にJUMVEA組合員を対象に輸出講習会を都内のホテルで開催した。海運や輸出先国の情勢に精通した講師による講義に参加者から「大変勉強になった」との声も多数聞こえた。JUⅯVEAは引き続き組合員に向けて講習会の開催を予定している。(取材日:24年10月2日)
8月の輸出国別台数ではロシアが1万5153台(前年同月比121.8%)となり、前年同月の台数を上回った。前年の8月はロシアへの中古車輸出規制の影響により輸出台数は大きく減少したが、前年8月と同条件でありながら今年の輸出台数が上回ったことを鑑みると、ロシア向けの輸出は堅調と言える。
他の輸出上位国ではUAE、モンゴル、タンザニア、ケニア、チリなどは前年同月を上回ったが、NZ、南アフリカ、タイ、マレーシアは前年同月を下回った。
■依然、輸出は底堅い動きが続いている
佐藤理事長は8月の輸出実績について「8月の輸出台数は前年同月をわずか上回った。年間の台数においても過去最高を記録した前年を上回っている。中東情勢や為替相場、また国内政治やアメリカの大統領選挙など景気に影響を及ぼす案件は多々あるが、依然として日本の中古車に対するニーズは高い。この底堅いニーズからも24年は前年を上回る輸出台数を記録すると見ている。
ロシアの輸出台数は輸出規制後の台数を上回り、底堅いニーズが続いている状況。引き続き前年と同等、また前年を上回る輸出が続く可能性が高い。NZは前年同月に対し下げ幅が大きい状況が続いている(前年同月比44.4%減)。経済状況が悪い状態が続いており、回復には時間を要すると見ている。モンゴルは大統領が変わり政策も変わった。社会問題化している交通渋滞解消に向け、輸入規制が掛かる噂が聞こえている。オーストラリアは毎月一定の台数が輸出されているが、市場開放の見通しは立っていない。同国内で現状維持を望む業界の声が強く、市場ニーズが反映されていない。政策や現地の利害関係から、その国によっては輸出の難しさを感じる。
世界の輸出状況を見た場合、中東情勢の悪化が懸念点。紅海を抜ける航路は、船便や船賃に影響が出るため注視が必要な状況。
■放射能検査について申入れ
9月27日に中古車輸出前の放射能検査について一般社団法人日本陸送協会と連名で一般社団法人日本港運協会に申し入れをした。内容は中古車の放射能検査の費用負担について。検査費用は国交省のガイドラインで「検査を必要とする人が負担をする」という見解が出ている。過去には裁判で輸出車両の放射能レベルは健康被害には及ばないと判決も出ている。また、現在も健康被害の話は聞いていない。食品の輸出でも放射能検査撤廃や輸出再開の動きは広がっている。中古車輸出でも早期の解決を図っていきたい。
■講習会開催
9月25日にJUMVEA組合員を対象に輸出講習会を都内のホテルで開催した。海運や輸出先国の情勢に精通した講師による講義に参加者から「大変勉強になった」との声も多数聞こえた。JUⅯVEAは引き続き組合員に向けて講習会の開催を予定している。(取材日:24年10月2日)