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【特集】コロナ禍でも大きく業績を伸ばすレンタカー事業

  • 自動車流通新聞第771号巻頭特集(2022年6月25日発行) 自動車流通新聞第771号巻頭特集(2022年6月25日発行)
  • ニコニコレンタカー(神奈川中古車買取査定センター) ニコニコレンタカー(神奈川中古車買取査定センター)
  • Jネットレンタカー越谷レイクタウン店 Jネットレンタカー越谷レイクタウン店
  • レンタスの木村孝広社長 レンタスの木村孝広社長
  • カーベルの和作克宣取締役 カーベルの和作克宣取締役
  • JネットレンタカーFC部の森川公輔部長 JネットレンタカーFC部の森川公輔部長
  • 村真の加藤喜太郎専務 村真の加藤喜太郎専務
  • ロードサポート新潟の丸山正和社長 ロードサポート新潟の丸山正和社長
  • 神奈川中古車買取査定センターの阿部慎吾社長 神奈川中古車買取査定センターの阿部慎吾社長
  • 日進商事の穴井まきこ部長 日進商事の穴井まきこ部長

生活に密着、地域に根差した事業展開で急成長

 レンタカー業界が近年大きな成長を見せている。国土交通省調べによると、国内のレンタカー車両数(全車種)は2007年度の37万6593台に対して、20年度には105.2%増の77万2631台に大きく拡大、事業者数も概ね倍増している状況だ。20年以降はコロナ禍でやや成長が停滞・鈍化しているものの、昨今の短時間レンタルやカーシェアリングなどに代表される旺盛な個人需要をはじめ、法人向けレンタルや保険代車など、レンタカーの裾野は大きく拡大している。こうした市場拡大の背景には、レンタカー事業の許可制への移行(04年3月)も大きな転機になった。自家用自動車有償貸渡業の許可は法人だけでなく、個人事業主でも取得できることから、参入障壁が緩やかとなり、中小の自動車販売店や自動車整備工場などが収益基盤強化の一環として、自社でレンタカー事業を展開するケースも増加している。(室田一茂)

 レンタカー業界では、いわゆる大手7社(トヨタレンタカー、オリックスレンタカー、ニッポンレンタカー、タイムズレンタカー、日産レンタカー、ジャパンレンタカー、三菱レンタカー)のシェアが大きいものの、規制緩和後は、新興のレンタカーフランチャイズチェーン(FC)などが台頭してきたほか、自動車販売店・自動車整備工場が自社のレンタカー事業を立ち上げるケースも急増している。

 レンタス(横浜市港北区、木村孝広社長)がFC展開する「ニコニコレンタカー」では「事業開始から15年、現在ではおよそ1400店が加盟、もともとガソリンスタンド(SS)から発生したサービスだが、中古車販売店からの問い合わせが年々増えてきている」という。J‐netレンタリース(名古屋市東区、對馬正幸社長)が展開する「Jネットレンタカー」においても「04年にブランドを立ち上げ、現在は直営店、FC店合わせて保有台数2万台規模、41都道府県で展開中。レンタカーのFC加盟はハードルが低いことから増加傾向にある」という。

【新車だけでなく、中古車を活用したレンタカー事業も一般ユーザーに認知】
 昨今は、新車だけでなく、中古車を活用したレンタカービジネスも拡大、カーベル(東京都中央区、伊藤一正社長)では「同じことをやっていてはいけないと考え、中古車を使ったレンタカーで料金を安く提供する『100円レンタカー』を始めた。対象は中古車販売店と整備工場で、中古車を上手に使って収益を上げるのが『100円レンタカー』のコンセプト。そのため、加盟店は車販を主とする事業者が中心」という。
 こうしたレンタカー業界の裾野拡大で注目されるのが、単なる観光目的でのレンタカーニーズに止まらず「生活の足」としての利用が安易になってきたことが特徴だ。カーシェアリングと同様に、地域社会における短時間、短距離などでのレンタカー利用も増加するほか、地域の新車ディーラーや自社の保険代車などで活用するケースも増加する。
 こうした日常生活や地域社会に溶け込んだレンタカー事業はコロナ禍においても大きな影響を受けていないのが特徴だ。観光需要が大打撃を受け、20年以降は大手を中心に空港や主要駅にあるドル箱店舗で大幅な減車傾向も見られたが、地域密着のレンタカー事業は、一時的な需要減少はあったものの「密」を回避するための移動やレジャーの手段としても注目を集める格好となった。

【コロナ禍に入り、一時的な需要減も現在はコロナ前を上回る旺盛な需要】
 コロナ禍による影響について各社では「店舗数がやや減少したものの、保有台数は維持している。加盟店は地域性を活かしたラインアップを提供しており、各店舗の利用頻度は高い。店舗数は減少しても、予約や稼働の件数は伸びている」(100円レンタカー)とするほか「観光地でのレンタカー需要は減少したものの、全体感では右肩上がりに成長」(Jネットレンタカー)、「特に20年の緊急事態宣言下では影響を受けたが、20年夏頃には回復の兆しが見られ、秋頃にはほぼ前年並み、現在ではコロナ前の水準を超えている」(ニコニコレンタカー)だという。

【本部主導のFC展開が加盟する中小規模事業者の収益確保に大きく貢献】
 本特集で紹介したレンタカー各社の集客力は抜群だ。「初期費用と月額のシステム利用料だけで、集客は全て本部で行っている。月商で1000万円を超える加盟店も存在する」(ニコニコレンタカー)という。「加盟店は中古車販売という本業がある。レンタカーを本業に結び付けるのがポイント。潜在的な客層を取り込めるよう、認知向上施策やWeb開発を進めていく」(100円レンタカー)、「自社で培ったレンタカー事業のノウハウを活かし、加盟店へのコンサルティングを行うほか、自社システムを安価で提供することで、ほぼ全ての加盟店が順調に事業を行っている。保険についても優良割引率の共有や全国チェーンのスケールメリットを活かすことができる」(Jネットレンタカー)という。

 ▽各社FCに加盟するなど、レンタカー事業をうまく活用し収益拡大につなげている販売店などを紹介したい。

【CASE①村真(宮城県大河原町)=100円レンタカー加盟店】
 レンタカーは集客に繋がり、本業に貢献できる
 ~地域特性を考慮した車種構成が好評~

 村真(宮城県大河原町、加藤喜太郎社長)は新車・中古車販売、車検整備と地域に根差した販売店と事業を展開している。同社は約7年前に100円レンタカーに加盟。レンタカーの車種も軽・コンパクト、軽トラックまで幅広く用意し、ユーザーサービスの拡充に努めている。
  加藤社長は加盟の理由は「整備工場用の代車をレンタカーとして運用し、効率よく代車が利用されればと考えた」と話す。
 レンタカー事業を始めた後は「当初見込んでいた代車用途より、一般ユーザーの利用が多い。地域性に富んだラインナップも奏功し、週末はほぼ貸出状態となる」と話す。
 「100円レンタカーを始めて来店客数は確実に増えている。レンタカーユーザーが車販売や車検に繋がるケースもあり、レンタカー効果を実感している。レンタカー事業で大きく儲かる訳ではないが、店舗の宣伝にもなり、集客に繋がっている。レンタカーは代車としても稼働でき、店の車を上手く回せる点も良い。レンタカーはユーザーの利便性向上も図れ、販売や集客にも繋がり販売店とマッチしている」。

【CASE②神奈川中古自動車査定センター(神奈川県大和市)=ニコニコレンタカー】
 月間利用ユーザーは200人以上
 ~お客様大賞を2年連続で受賞~
 
 ニコニコレンタカーを運営するレンタス(横浜市港北区、木村孝広社長)に加盟する神奈川中古車買取査定センター(神奈川県大和市、阿部慎吾社長)は、同社の提供するレンタカーサービスを活用し業績を上げている。
 同社は平成29年に創業し6年目の中古車販売、買取店だ。レンタカーサービスへの参入は4年となるが、同社では年に一度加盟店を表彰するお客様大賞で2年連続で最優秀賞を受賞している。
 17台のレンタカーを用意する同社の利用ユーザーは、月に200人を越える。主な利用ユーザーは、近隣の方が中心となる。大学生、外国人、免許取り立ての初心者、高齢者などで構成され、大半がリピートしているという。
 中古車販売店と中古車レンタカーは相性がよく、車両の仕入れに有利なことは勿論、敷地の確保や、法定整備、車検等でもアドバンテージがある。
 中古車レンタカーがそのまま販売につながることもあり、約20台の在庫車はおよそ半数が小売されている。
 買取車以外をレンタカーにする場合は、オークションとなるが、現在は価格が高騰しているもののハイブリッド車は割安で、アクアやノートeパワーなどを取り揃える。
 お客様大賞を2年連続で受賞するだけあって、ユーザーへのサービスも厚い。とにかくレンタカーとして貸し出す車両には気を遣う。外装や内装の手入れには手を抜かない。接客もとにかく丁寧にを心掛けるという。

【ケース③ロードサポート新潟(新潟市)=Jネットレンタカー】
 FC加盟でレンタカー事業は急成長
 ~10年で9店舗、保有台数800台に拡大~

 ロードサポート新潟(新潟県新潟市、丸山正和社長)は2012年12月に創業、今年で10年目を迎える。創業と同時にJネットレンタカーのフランチャイズ(FC)に加盟、レンタカービジネスをスタートした。
 事業を開始した当時を振り返ると、丸山社長は「地方は一人1台車を所有しており、レンタカービジネスは未知数だったが、本部の指導もあり着実に実績を上げることができた」と話す。レンタカー需要の拡大を確信した丸山社長は、14年に2店舗目をオープン、その後年間1店舗のペースで店舗を増やしていき、現在では9店舗、保有台数800台まで成長、レンタカー部門のスタッフは80名を超えている。
 丸山社長はFC加盟について3つのメリットを感じている。1つは「本部のアドバイス」。毎月1回本部の担当者と面談を行い、レンタカー事業の運営やスタッフ教育など様々なアドバイスを受けている。2つ名は「損保会社とディーラーとのパイプ」。元々グループ会社に県内中古車販売店大手の丸山自動車があり、損保会社とディーラーにパイプがあったが、FC加盟により、そのパイプはより強固なものとなった。3つ目は「全国規模」。他エリアの動向などFCに加盟していなければ、わからないことも多く、また知名度もあるので取引先との信用度も高い。
 今後について「2025年を目途に保有台数1000台を目指していく。そのために県外への進出も視野に入れた事業展開を行っていきたい」(丸山社長)としている。

【ケース④NISSHOレンタカー(東京都大田区)】
 レンタカーと販売店を通じ総合的なカーライフを提案
 ~地域性、ユーザーニーズを汲んだ多彩なラインアップ車を提供


 東京・千葉に中古車展示場2拠点、レンタカー事業所5拠点を展開する日進商事(東京都大田区、三田文弘社長)。レンタカーは「NISSHOレンタカー」を屋号に軽自動車からハイブランド乗用車、また各種架装を施したトラック・バンの商用車までバラエティに富んだレンタカーを提供している。
 池上店の店長を務める穴井まきこ取締役部長は「レンタカーと中古車販売の親和性は高い」と話す。「営業所5拠点は地域特性を加味し、店舗ごとに特殊のあるレンタカーを揃えている。お客様は一般や法人、保険や車検の代車にと貸し出し先も多岐にわたる。利用目的も購入検討車の試乗やビジネスで年単位、月単位の長期で借りる人もいる。その中で販売店が持つ役割は大きい」という。
 穴井店長は「レンタカーを入口にお客様から相談をいただく。展示車やレンタアップ車の販売はもちろん買取の相談もある。その声に応えることで当社はオーダーメイドの車屋にもなり、レンタカー屋にもなる。レンタカーと販売店があることでお客様に柔軟かつ総合的なカーライフを提案できる」と話す。

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