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令和最新版【査定検査ガイド】①査定検査の目的

 現在“DX(デジタルトランスフォーメーション)”という名のもとにあらゆる業界で業務のデジタル化が急速に進んでいます。中古車業界も例外ではなく、以前から導入されているインターネット接続によるオークションへの参加をはじめ、デジタルデバイスを活用した査定スタイルによるペーパーレス化(画像①)、オークション相場データのネット閲覧等、日頃の業務でも既に活用されていることでしょう。

 査定検査の対象となる中古車も同様、装備の電子化が進んでいます。こうした変革の時代において、査定検査に対する意識や手法をどのように適応させれば良いのか?査定検査の現場にて私たちが取り組む際の考え方や方法を今後数回に渡ってご紹介してまいります。既に業務に携わっている方だけでなく、新たに査定検査を学ぶ方々の参考になれば幸いです。

●限られた時間で車両をチェックするには?
 中古車はご存じのとおり『一物一価』と呼ばれる商品で、同じコンディションの車は存在しないと言われています。この商品特性を持つからこそ査定検査の業務では確認する項目が多くなってしまいます。車名やグレード、そして型式等の『諸元項目』を車検証から査定票に転記するのも大事な作業ですし、ボディ状態のチェック(傷やへこみ、修理跡)を行うのも重要です。本来であればその車の情報を全て網羅できれば理想的なのですが、知りたい情報が増えるほど時間と手間もかかってしまいます。下取査定、買取査定、あるいは入庫チェック、オークションの出品検査の現場は、常に“限られた時間”を意識しなければなりません。

 『お客様を待たせられない』、『オークションのクレーム期間内に間に合わせないと・・・』、『明日のセリ開催に間に合わせなければ・・・』
 目的や業務は違えども皆様も私達も常に“時間”と闘っているわけです。その限られた時間で必要な情報を摘出する為には、まず車両チェックの目的が何かを明確にしてみましょう。目的をはっきりさせることで確認項目に“優先順位”をつけるわけです。
 
①下取・買取査定の場合
 『適正な価格を算出する為』
 査定対象となる車両のオークション相場データを抽出する為には、諸元情報(車名・グレード・型式・年式・色・走行距離・高額装備品の有無)が最低限必要となります。これに加えて車両状態を数値で表す『オークション評価点』を査定者自身で判断しなければなりません。
 これにより類似車両の取引結果を参考にすることが可能となります。
 別の言い方をすれば、それらに必要とされない情報については優先順位を低くしてもさほど影響はないということです。

②入庫検査
 『出品票・査定票の内容と相違ないか?』
 オークションで落札した車両やユーザーから実際に仕入れた車両の状態に相違(修復歴見落とし等)が無いかを確認します。出品票や査定票の情報もあるのですが、基本的には全ていちから独自でチェックをする必要があります。オークションへのクレーム申告、あるいは下取り入庫価格の調整も必要になることから①以上の項目を確認しなければなりません。

③オークション出品検査
 『バイヤーが求める公正中立な車両情報の提供』
 車両検査の専門家である検査員が多岐にわたる項目をできる限り詳細にチェックします。最近では検査員による車両情報に加えて『複数の車両画像』『内装360度画像』『下廻り画像』といったデジタル補助情報も提供されるようになっています。
 こうした多くの情報を提供することで、インターネット経由でのセリ参加(実車を下見しない)が実現しています。
 
④輸出検査
 『仕向け地で定められた基準に適合するか?』
 基本的には車検時の検査内容と同じですが、仕向け地によって独自の規制(下廻りの錆・腐食、車内の汚れ等)が設けられている場合があります。その規制に抵触するか否かの確認も優先事項に含まれてきます。

●検査結果をどう活かすか?
 前述してきたように、査定検査に携わる者には目的に沿った検査が求められます。時間をかけ、ひたすら細かくチェックする、その内容は本当に役立つのか?それとも無用の長物とされてしまうのか?

『なぜこの車をチェックしなければならないのか?』
 目的の再認識が、チェック項目の振り分けにつながるのです。それでは次回より多くの皆様が携わっている『下取・買取査定』についてお話を進めてまいります(続く)。

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