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10月鉄スクラップ市況

今年の最高値を更新 需給タイト感は継続

 9月に始まった鉄スクラップ価格上昇は、10月に入り全国的にその様相を強めている。月末の各地区の価格は今年の最高値を更新(13年2ヵ月ぶりの高値を記録)しており、関東のH2が5万5000~5万6000円、関西が5万6500~5万7500円と前月末比それぞれ8500円、5500円アップと急騰している。特に中部地区では一部電炉が集荷促進のため建値を上げており5万7500~5万8500円と全国の最高値となっている。

 電炉メーカーの生産意欲は強く鉄スクラップ購入意欲は高いものの、市中からの鉄スクラップ供給は低下したままであり、需給タイト感は継続している。主原料である鉄スクラップに加え、合金鉄や電極の価格急騰、電力料金の上昇も伝えられ、電炉メーカーは生産コストアップを吸収するため鋼材価格の改定を打ち出している。

 国際価格も、トルコ向け米国産HMS価格が505ドルCFRと5か月ぶりの高値を記録したとの報道があるものの、日本のH2価格の上昇が突出しておりベトナム、韓国向けにまとまった量の輸出成約報告は聞こえてこない。日本の独歩高の状況が、今後どこまで継続するかを見通すことは難しく、市況の先行きに不透明感を残したまま越月している。








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