【特集】近年大きな成長を見せるオートリース市場 - グーネット自動車流通

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【特集】近年大きな成長を見せるオートリース市場

コラム 2020年09月25日
販売店における顧客固定化の手段としても有効
新車リース専門店が年々増加傾向に、一方で中古車リースにも注目高まる

新車リース専門店が年々増加傾向に、一方で中古車リースにも注目高まる

複数画像有

拡大拡大する

 国内自動車市場において、リース車の割合が年々高まりを見せている。日本自動車リース協会連合会(露口章会長、JALA)の統計によると、2019年の新車販売台数に占めるリース車契約台数の割合は14.5%に上る。10年前の09年には10.8%に過ぎなったリース車の割合が約4ポイントも上昇した格好だ。最近では中古車販売店による新車・中古車リースの取り扱い拡大なども進行しており、自動車リース市場の拡大は、国民生活や価値観の変化なども後押しする形で、更なる成長が見込めそうだ。

 自動車総保有台数に占めるリース車保有台数の割合(JALA調べ)は、19年実績で4.68%に上る。登録車においてはすでに5.18%を占める状況だ。10年前の09年時点では、この割合が3.97%だったが、着実に市場規模を拡大し、保有台数に占める割合も高まってきた。国内の総保有台数は11年以降、ほぼ横ばい状態で増減が無いが、リース車保有台数は12年以降、前年比2~4%増の範囲で増加傾向が続いている。こうした状況はリース車契約台数にも見ることが出来る。17年には同13.5%増をマークするなど、着実にリース契約の構成比が高まる傾向にある。

■JUオートリース「安心コミコミプラン」
 こうした状況の中で、日本中古自動車販売協会連合会(海津博会長、JU)と提携するオリエントコーポレーションが「JUオートリース」という個人向けサービスを開始したのは12年前のこと。その名称も5年前にJUオートリース「安心コミコミプラン」に変更し認知拡大を図っている。直近の取扱高で見ても17年度(17年4月~18年3月)には261億円(前年度比31.4%増)、18年度(18年4月~19年3月)が303億円(同15.9%増)、19年度(19年4月~20年3月)が309億円(同1.9%増)と大きく伸長し、300億円を超える規模まで成長を遂げている。
 同社のリース客アンケートによると、9割以上が満足していて「一度リースの手軽さや便利さを経験すると次も利用したい」と回答しているという。ユーザーにとっては「毎月の支払額が一定で家計管理が楽」、「残価を差し引いてリース料を設定しているので月々の支払いが軽減できる」、「リース期間終了時にもライフプランに合わせた選択肢がある」といったメリットが代表例だ。近年「所有から使用へ」と自動車に対する意識が変化する中で、個人向けリースが大きな存在価値を発揮している状況だ。もちろん、大手企業などが運用する社用車等のリース契約は拡大基調を持続しており、中古車オークション(AA)における出品車構成比でもリース車の割合は高まり、定期的なメンテナンスや車両管理により、良質中古車の「源泉」という認知が浸透し存在価値を高めている。

 JU加盟店では、全国1万1000社のうち約8000社が安心コミコミプランの窓口となっている。新車と中古車の取り扱い比率は8:2と新車中心。特に軽自動車のリースが堅調で、JUクレジット取扱高の11%をオートリースが占める状況まできている。
 新車リースを活用する販売にとっては在庫リスクが無いほか、月額リース料を基本とした商談でいわゆる「値引き商売」にならないことや保証付きの新車を売ることで、クレーム発生が少ないなどの大きなメリットがあるという。

■顧客囲い込みの手段としても有効なオートリース
 こうした販売時のメリットとは別に、最近ではリースとメンテナンスパック、自動車保険(リース特約)をセットにした販売形態が顧客囲い込みの側面から見ても大きな効果を上げているという。管理客との定期的な接触機会を生み出す。自社に鈑金塗装工場などを持つ販売店では、車販から車検、点検・整備、保険、事故修理などを一気通貫のサービスとして提供でき、自社の収益UPにも大きく貢献することになる。以前は「新規客獲得」のためのツールと見られがちだったマイカーリースを広く管理客に展開している販売店の躍進が目立っている。

■リース市場も多様化、新車と中古車をネット契約
 こうした中で、マイカーリースの市場は多様化を見せている。ナイル(東京都品川区、高橋飛翔社長)が展開する「おトクにマイカー定額カルモくん」もその1つだ。「カルモ君」の特徴はインターネットを活用し、新車と中古車の個人向けオートリースに特化している点だ。新車、中古車ともメーカーや車両タイプなどから検索出来る。各車両に「ネット割」適用価格を表示し、ユーザーに分かりやすく見せる工夫が施されている。同社では「新車のユーザーが多いが、コロナ禍で新車の供給不足と価格面の有利さ、ワンランク上の車両を選択できるという点から、中古車リースを選ぶユーザーが増加中」(担当者)という。掲載する中古車は提携先企業の在庫車両だが「提携先を拡大し中古車においても選択肢を増やしたい」(同)と中古車リースの拡大に対応する考えだ。

■サブスクに抵抗の無いユーザー層拡大も後押し
 近年急成長を見せるオートリース市場だが、ここ数年においては、大手ガソリンスタンドの参画やトヨタ自動車「KINTO」が自動車のサブスクリプション(サブスク)として参入したことなどにより「月額定額制」のサービスが自動車業界に更に拡大する可能性がある。「Netflix(ネットフリックス)」や「Hulu(フール―)、「Apple Music(アップルミュージック)といった動画や音楽の配信サービスが一般的となったように、自動車の所有自体の仕組みも急速に変化する可能性もある。将来を見据えながら、自動車販売のあらゆる変化に対応していきたい。

■オートリースを活用する有力販売店をレポート■

★KMュオート(神奈川県伊勢崎市)★
  リースは商機を生み出すチャンス
  利点を訴求し法人・個人を取り込む

 オートリースはユーザーと販売店にそれぞれメリットがあると話すのはKMュオート(神奈川県伊勢原市)鎌田政男社長。「ユーザーは税金や保険を含んだ定額の支払いとなるため生活においても計画が立てやすく、ワンランク上の車にも手が届き満足を得やすい。販売店はリース満了時に必ずユーザーと接点が持て、商機を生み出すチャンスがある」とメリットを挙げる。
 「販売店はリース満了後のユーザーとの接点を活かし、再リースもしくは車両売却益も見込め、収益的にも安定しやすいのがリースの特長」。同社では実際に再リース率は8割を超え、オートリースはユーザーとの継続的な付き合いをもたらしている。
 鎌田社長がオートリースに本格的に取り組み始めたのは、現在も務めているJU神奈川の金融委員長に着任した6年前から。「JUクレジットキャンペーン目標必達が課せられた立場から」と話すが、鎌田社長はオートリースを活用する意義に着目していた。その一例として法人リースに積極的に取り組んでいる。現在、同社におけるオートリース契約の比率は法人6:個人ユーザー4であり、リースを利用した場合の車両管理のしやすさ、また費用計上できる点を法人顧客に訴えている。
 鎌田社長は「リース」を扱い始めた当初、ユーザーの中で「リース=借りる」というイメージがあり馴染みにくかったと振り返る。しかし、今ではリースも浸透し、売りやすくなったという。「今や車は所有から使用へとユーザーの意識も変わりつつあると感じる。変化を捉え対応していく」と話す。

★ウエイクアップ(愛知県尾張旭市)★
  オートリースで大手との差別化を図る
  ユーザーとの信頼関係がカギ

 「オートリースは安定的経営基盤の確立のために必要不可欠なサービスとなっている」と話すのは、ウェイクアップ(愛知県尾張旭市)の内藤武史社長。同社が「フラット7尾張旭店」としてリース事業を開始して4年が経過する。ディーラーのメンテナンスパックによる囲い込みが進み、一度離れてしまったユーザーは戻ってこないことから、改めてユーザー囲い込みの必要性を認識、オートリース事業を始めるきっかけとなった。 
 現在までにオートリースで約400台を販売、大半のユーザーがオプションであるメンテナンスプランを付帯していることで、サービス部門の売り上げが増加、収益構造が格段に改善された。内藤社長は社員に対しオートリースの契約で重要なのは「信頼関係」と話す。リースのメリット、デメリットをしっかり伝え、車を販売するのだけでなく、カーライフパートナーとして頼ってもらえるようになること。また、長期契約のオートリースだからこそ、点検や車検などのメンテナンスの案内をしっかりやることで、信頼を得ることができると考えている。
 今後について「大手との差別化が必要になる中、オートリースは会社としても重要な立ち位置に変わりはない。引き続き危機感を持ちながら、地域密着企業としてできることを全力で行なっていく」としている。


★住永企業(熊本市東区)★
リースとメンテパック、保険をトータルで提案
「顧客主体」の安心感でリース事業を拡大

 昨年3月、「オートメッセ城東 新車館」(熊本市東区)をグランドオープンした住永企業(住永栄一郎社長)。オートリースを活用した新車専門店という位置付けで大きくリニューアルを遂げた。同社が約8年前から推進するオートリース事業を集約した新店舗には、豊富な展示車を並べるほか、来店客の寛ぎの場となるラウンジスペースやゆったりとしたショールーム、点検やオイル交換などリース車メンテナンスを行うサービス工場を備える。
 同社でリース事業を推進する河喜多智浩常務は「スタート当初は準備不足もあり、約1年半にわたって成果が表れなかった。当初は新規客獲得の手段の1つという認識だったが、顧客をしっかりと守るための販売手段として、まずは自社客への認知拡大に努めた」という。常に必要不可欠なことは「お客さん主体」という考え方。常に顧客を考え、分かりやすい商談を心がける。
 営業スタッフのスキルアップを徹底、現在ではリースと合わせた自動車保険の提案などにも注力、営業スタッフ全員が有資格者となって、リースとメンテナンス、自動車保険のフルセットを提案する。リース車の場合は「リース特約」が適用できることのメリットは販売店、ユーザーともに非常に大きいという。メンテナンスパックと保険でユーザーとのつながりを太くし、顧客固定化に有効活用している。

 

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