川崎大輔のアセアン市場まるわかり⑦ - グーネット自動車流通

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川崎大輔のアセアン市場まるわかり⑦

コラム 2019年07月25日
中古車天国カンボジア
会社名:アセアンカービジネスキャリア

 カンボジアの首都プノンペンでは、自動車の台数が急増し、朝夕の道路は自動車渋滞が発生している。中間所得層の増加に伴い中古車市場が拡大。プノンペン市内には約300店の中古車販売店があり市場は活発だ。さらに中古車は値段が下がりづらいと言う信仰も、中間所得層による中古車購入に一層拍車をかけている。

 カンボジア国内で走っている自動車の約9割が中古車だ。2015年のカンボジアの新車販売台数は約6,500台。2015年のカンボジアへの新車中古車合わせた輸入台数は5万6760台、9割にあたる5万台が輸入された中古車だ。中古車のほとんどがアメリカからの輸入。しかし、米国メーカーの中古車ではない。アメリカから左ハンドルの日本メーカーの中古車が輸入されている。保険会社から買い付けた事故車である。輸入中古車のうち約40%が全損状態から修復されたものだという。レクサスRXやLXなどの人気が高い。カンボジアは、中古車の規制がない。そのため中古車比率が高い、歪(いびつ)な自動車市場となっている。グレーな中古車天国だ。

 このような市場構造になった理由としては、(1)輸入規制の欠如、(2)選球眼の欠如、がある。カンボジアを除くASEAN7か国には、現在中古車規制があり事実上輸入が不可能。さらに、世界から見たカンボジアの経済力が弱いため、品質や付加価値が不要な中古車市場との認識から粗悪車が集まってくる。また、このような市場構造のため昔から良い中古車が存在しておらず、売り手も買い手も両方とも自動車の目利きができないのだ。

 しかし、カンボジアで中古車規制ができた場合、一気に新車需要が増えるだろう。カンボジアの新車ディーラーからのヒアリングによれば、何かしらの中古車規制が出る可能性があるという。出るとすれば2018年の国民議会選挙が終了した2019年あたり。中古車の規制は、透明な市場に向けての第一歩だと思っている。

<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。


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