中古車販売店座談会① - グーネット自動車流通

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中古車販売店座談会①

企業・団体 2016年04月05日
~中古車販売の将来展望と営業戦略について~

 2014年9月、東証1部上場を果たした業界大手のネクステージ(名古屋市中区)の広田靖治社長と大阪府の大手専業店3社(関西オート、マエダ、マンデー)による対談が実現した。ネクステージの成長戦略や今後の業界展望、各社の生き残りをかけた中古車ビジネスのあり方などを会社規模に関係なく、活発な意見交換を行い、中古車販売店としての今後の姿を探った。自動車流通新聞では、今回の対談を座談会形式で編集し、広く読者に発信することで、業界の問題意識共有、各社の生き残りを図るヒントと出来るよう、全3回連載しました。今回、Goo-net自動車流通においても、座談会収録内容をご紹介します。

【参加者】
ネクステージ 広田 靖治氏
ネクステージ 西脇 裕史氏(同社取締役営業本部長)

関西オート(大阪府八尾市) 大川 博正氏
マエダ(大阪府松原市) 前田 憲次氏
マンデー(大阪府泉大津市) 稗田 勇氏

【司会・進行】
松沢 章博(自動車流通新聞・発行人)

【取材・編集】
室田 一茂(自動車流通新聞・記者)


松沢>
 ディーラー、大手専業店も含め、中古車小売りが競合する中、輸出も含めて業界の動きはいかがでしょうか。

広田氏>
 国内の中古車登録台数は実売で230万台と言われる中、過去を振り返ると、かなり減少していると思います。自動車だけでなく、スマートフォンなど、多種多様に消費が流れていることも原因ではないかと捉えている。環境性能の向上や車の嗜好性が無くなってきたこともあり、乗り換える必要が無くなってきたということも考えられる。
 小売業は水物で、環境の変化や消費増税なども販売台数に大きく影響することから、伸ばしている企業はストック型のビジネスモデル構築を積み上げていることから、今後の業界課題となっている。

大川氏>
 ネクステージではサービス(整備)対応はどうしているのか。

【ストック型ビジネスモデルが不可欠】

広田氏>
 小売業に特化し、専門店展開をしながら、薄利多売、クロスセールスの体制を推進してきたが、「これまでの20年」と「これからの20年」はまったく違うものになる。今まで通りの体制では、20年後の衰退は明らかで、今後の国内小売りの動向を考えると、ストック型のビジネスで店舗の販管費を50%以上カバー出来る体制が不可欠ではないか。

大川氏>
 現在、全国で約60店舗のうち、指定、認証工場の併設数は。

西脇氏>
 指定工場は全国で6工場、認証工場は大半の店舗に併設しているが、ただ中古車を商品化するための存在になっているのも事実で、エンドユーザーの囲い込みに生かせていない状況。

広田氏>
 販売台数が減少する中、現状の保有台数は減少に転じてはいない。これまでの20年は小売りに特化してきたが、今後はこれに合わせてストック型のビジネスに転換していくことが必要なのではないか。

松沢>
 マンデーでは新車販売強化によるユーザー囲い込みに注力しているとの事ですが、その手法や取り組み状況はいかがですか。

稗田氏>
 現在は7年間のメンテナンスリースによるユーザー囲い込みに注力している。契約が取れた時点で、7年先までの入庫が管理出来るのが大きな武器になっている。格安車検などが台頭する中で、しっかりとユーザーを囲いこんでいる。リース事業は今後の大きな収益の柱になる。

【損保や保証制度も顧客とのつながりを強める】

広田氏>
 やり方は違うが、お客様に長く付き合っていただける環境を作ることが重要。中古車販売というと、これまでは「売って終わり」という傾向が強かったが、今後は「売って始まり」ということを続けていきたい。損害保険や独自の中古車保証制度への加入などもその方法の1つ。3年保証が中心だが、その期間中につながりを強めることで囲い込みにつなげている。

大川氏>
 創業からここまで発展した秘訣は。

【専門店展開に特化、商品を絞り込み】

広田氏>
 元々20年前は展示車2台からスタートしました。「ランチェスターの法則」ではないが、ある程度の戦略性を持って、差別化や商品の専門性、営業においては成約率向上などをある程度絞り込み、KPIを分けることによって、他社との差別化を図った。当時、資金力が無い中、大手と同じやり方では勝てない。商品を絞り込む、現在の専門店展開にもつながっている。例えば同じ車種を10台持つことで、(その車種については)大手販売店より多くの在庫を持てる。さまざまな転機があり、その度に会社も変化してきた。
 輸入車を販売する事を目的に創業した事もあり、ボルボ車に特化した店舗を始め、国産車を扱い始めた時もスバル車に特化した店舗を展開した。特色を出した店舗作りを行うことは、社員教育の側面から見ても有効。車種を絞り込んでいることで、商品知識の習得も早い。来店客が来た際の的確なアドバイスができ、万全な対応が可能となる。

稗田氏>
 成長過程において、コンサルタントなどの指導を仰いだのか。

広田氏>
 特にコンサルタントを受けるようなことも無かったものの、約12年前から株式上場を準備し、いわゆるベンチャーキャピタル(VC)から資本を入れてもらった。トヨタ関連のVCだったこともあり、しっかりとした仕組み作りを行うことが出来た。

松沢>
 「差別化」という話があったが、ネクステージは戦略がとても明確。中でも顧客とのコミュニケーションの部分で差別化している部分は。

【商談過程を「一気通貫」、流れを仕組み化】

西脇氏>
 最近は新卒採用者が多いこともあり、属人的な部分を極力無くし、商談の過程を「一気通貫」したものとして、商談の流れを仕組み化することで、ここ2~3年の新卒者の成績も引き上がっている。離職させないためにも、いち早く月10台水準の販売力を身につけさせ、離職率自体もこれにより抑制出来ている。

稗田氏>
 展示車2~3台からスタートし約10年で売上高50億水準まで引き上げた営業展開の特徴は

【専門店+ショールーム展開で成長局面へ】

広田氏>
 私自身、当時は経営について無知でしたが、ボルボを専門店展開し、「850」シリーズが爆発的に売れた時期でした。当社ではその1つ前のモデル「940」シリーズなどを扱っていました。全国を見てもほとんど展示車が揃っていない時代だったこともあり、全国からの来店客を受け入れ、ライバルも少なく、価格的にも競争力があった。当時は流通の変革期でもあり、当時立ち上がったばかりのUSS東京の存在も大きかった。幅広い輸入車が仕入れられるようになり、毎週東京に通いました。
 当時はボルボだけで月販30台近い引き合いがありました。さらにボルボに加えて、フォード「エクスプローラー」を扱うようになりました。当時は中古車情報誌の誌面でもボルボとエクスプローラーを併載しながら、月販台数も安定してきました。 展示場の在庫は「わらしべ長者」のようにどんどん増えていったのを覚えています。
 そこで転機となったのが税理士の言葉。「売上高10億が欲しいか、100億が欲しいか」という問いかけ。駆け出しの経営者だったが、当時は迷わず「100億が欲しい」と即答しました。法人税の申告なども厳密に行い、信用を積み重ねました。96年にオープンした喫茶店跡地の展示場から2000年にいよいよショールームをオープンすることが出来ました。名古屋市名東区にある現・オートステージ店舗ですが、500坪の敷地を手に入れましたが、培った信用により、銀行や不動産業者の大きな協力も得られました。当時特に感じたのは、「レバレッジ効果」(テコの原理)が大きいという点。
 金融コンサルタントの協力も仰ぎながら、資金も集中するようになった。そこから出店攻勢と人材調達も加速し、専門店展開と資金調達に拍車をかけました。ガラス張りの経営をしながら、拡大局面に入りました。

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【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること