- UV硬化型ヘッドライトコーティングRX-3240発売 2016年11月10日 ラストホープ
- UV硬化型パテ Glanz 発売 2016年11月10日 ラストホープ
- 板金寺子屋設立に向け戦前モデル「ダットサン」を販売 2016年03月02日 岩本モータース
- 日車協連が通常総会を開催 2015年07月02日 日本自動車車体整備協同組合連合会
- 次世代自動車の対策を強化 2015年05月25日 BSサミット千葉
ビッグモーターグループのハナテン(米倉晃起社長)は2014年8月、滋賀県に構える2拠点のうちの一つである彦根店の敷地面積を大幅に拡張し、鈑金塗装工場を新設した。同店舗では同じ敷地内に鈑金塗装工場ができたことで、車販と車検・整備、保険などと合わせた総合営業を展開させ、ワンストップ型のトータルカーライフの提案に取り組んでいる。 同社が鈑金塗装工場を設けたのは同店舗が初。今後他店舗へ鈑金塗装部門を展開するためのモデルケースとして注目される。
■新たなビジネスモデルとして工場を新設
長きにわたり中古車の売買業を中心に展開してきた同社は、販売・整備事業を強化するなかで新たなビジネスモデルを模索してきた。そこで選択したのが、損害保険会社提携の優良修理工場を目標とした鈑金塗装工場の設置だ。鈑金塗装工場を設けることで、新たな顧客層との接点作りを目指した。
また、同店舗では入庫促進のため、車販時に修理の値引き券を配布したり、車検とセットでの修理値引きなどを実施している。販売店舗に車検整備を整えるだけではなく、鈑金塗装の設備も設置することで、鈑金塗装から販売・車検整備、販売・車検整備から鈑金塗装へとサービスをリンクさせられるとともに、効率的に鈑金塗装や整備ができることで集客力向上、サービス向上による収益体制の強化も可能になった。さらに、同店舗は保険代理店業も営んでいる。これまでは車体修理は他社へ依頼していたが、鈑金塗装工場を設けることですべて内製化することも可能となった。
入庫車両は滋賀県全域から集まっているが、ディーラーの下請け仕事はしていないため、直需100%。最初は直接客や同店舗の保険代理店部門からの仕事が多かったが、次第に保険誘導が増え、今では半数以上になっている。
■作業性を意識したレイアウトと設備
新設した工場は、中央に広い通路を設け、左右で鈑金と塗装とに分けられており、いずれもゆったりとした作業スペースが確保されている。
鈑金作業スペースには4基のボデー修正装置を設置。小破から大破まで対応でき、作業スペースを有意義に使えるよう床式タイプを選択した。3次元計測機も配備しており、ホコリまみれにならない衛生的な環境で作業できるよう、全ストールに床集塵システムも設けられている。
塗装ブースは2基。いずれも側面からトラバーサーで車両を入れられるタイプを採用した。さらに塗装作業スペースのレイアウトを下地作業スペース、塗装ブース、乾燥スペースと横に並べることで、下地から乾燥終了まで車両をトラバーサーで移動させることを可能にした。これにより効率良く作業できるだけでなく、終始スタッフが車両に入らずに作業できるので、客の車を大切に扱うことができる。
また、作業スペースを効果的に使えるよう、乾燥機はすべて天吊り式としている。調色室も2人が同時に作業できるよう、計量器、調色ブースともに2セット配置している。
■月間400台処理に向けて
最新の設備を導入するだけでなく、若年層を積極的に採用し人材育成にも注力している同社。鈑金塗装工場は、31歳の若さで工場長を任命された福永浩二氏を中心に、フロントスタッフ2人、鈑金スタッフ2人、塗装スタッフ6人の11人体制でスタートした。「もともと整備分野で働いていたので、鈑金塗装は未知の世界だった。それでも新しいことにチャレンジでき、やりがいがあると思い、工場長を引き受けた」(福永工場長)。福永工場長は技術力向上への意識も高く、スタッフのスキルアップのため、ボデー修正装置メーカーや塗料メーカーの講習を積極的に取り入れている。
「車販や車検・整備工場を併設しているメリットを生かし、既納客の入庫機会増に努めるだけでなく、早くてていねいな仕上がりを心がけた品質重視の姿勢で、客に喜んでもらえる工場にしていく」。
今後はさらなる増員を図り、顧客満足度を高めるとともに工場の持つ月間400台規模の処理能力を最大限発揮させることを目指していく。
■工場長=福永浩二■所在地=滋賀県彦根市森堂町75
■創業=2014年(平成26年)■スタッフ数=11人
■敷地面積=6,997㎡(2,120坪)■工場面積=1,084㎡(328坪)
■ボデー修正装置=キュービックシステム4基■塗装ブース=キュービック2基
■塗料=naxアドミラ
板金関連の過去記事を検索する