【連載企画】File39中古車販売店「経営実務」のウソ?ホント? - グーネット自動車流通

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【連載企画】File39中古車販売店「経営実務」のウソ?ホント?

コラム 2021年05月25日
損害賠償金にも消費税がかかることがあるってウソ?ホント?
会社名:自動車業界特化型税理士 酒井将人

 自動車販売店の経営者や実務担当者が抱く経営・経理・税金に関する様々な疑問について、自動車業界専門の税理士が解説します。

【中古車販売店と損害賠償金】
 中古車販売店では、自店が受けた損害などに対して「損害賠償金」を受け取るケースと、自店がお客様などに対して与えた損害に対して「損害賠償金」を支払うケースの両方が想定されますが、これらの「損害賠償金」には消費税がかかっているのでしょうか。今回は、中古車販売店の経理で注意すべき損害賠償金と消費税の取り扱いについてご紹介します。

【消費税と対価性】
 我が国の消費税は、「対価を得て行われる取引」に対して課税することになっています。「対価を得て行われる」とは、“資産の譲渡”“資産の貸付”“役務の提供”に対して反対給付を受け取ることをいい、例えば、中古車を販売して代金を受け取ったり、レンタカー代を貸し付けて賃料を受け取ったり、整備を請け負って代金を受け取ったりするような取引は消費税が課税される取引となります。
また、金銭の支払を伴わない資産の引渡しでも、何らかの反対給付があるものは「対価を得て行われる取引」になりますので、下取車との相殺がある販売や、残債が絡む取引などの場合には、きちんと車両販売額に対して消費税を計上するようにしましょう。

【損害賠償金と消費税】
 一方、損害賠償金は、損害の補填として支払われる金銭であり、「対価を得て行われる取引」には該当しないので、原則として消費税が課税されることはありません。ただし、いかに“名目”が損害賠償金であったとしても、その“実質”が「資産の譲渡等の対価」に該当する場合には、「対価を得て行われる取引」として消費税が課税されることがあるので注意が必要です。

【注意すべき受取賠償金】
 まず、受取ることとなる損害賠償金で注意すべきは、商品が加害者に引き渡され、かつ、軽微な修理程度でその商品が使用可能な場合です。具体的には、陸送会社が商品車両を傷つけたことにより、実質買い取りの形で受け取る損害賠償金などがこれにあたります。この場合における損害賠償金は、商品車両の販売代金としての性質を有するため、消費税が課税されることになります。

【注意すべき支払賠償金】
 次に、支払うこととなる損害賠償金で注意すべきは、中古車販売店が、車両の不良、グレードの相違などによりお客様に損害賠償金を支払う場合です。具体的には、売買契約後に商品車両の装備に不具合が発覚し、その装備相当額を契約金額から減額することで支払う損害賠償金などがこれにあたります。この場合における損害賠償金は、いわゆる損害の補填として本来の損害賠償金と考えられますが、実質的に車両代金の値引きとしての性質を有する場合には、課税売上の値引きとして消費税の課税取引に該当するケースもあります。

【税金は実質課税】
 今回は損害賠償金と消費税についてご紹介しましたが、これに限らず全ての税金は、その取引の“実質”に対して課税される仕組みになっています。いくら表面だけ取り繕っても実質が伴っていなければ意味が無い!という考え方は、何事においても共通ですね。
 
【筆者紹介】
税理士 酒井将人。
自動車業界特化型税理士事務所OFFICE M.N GARAGE代表。
自動車販売店などの経営サポートや業務改善に注力する傍ら、自動車業界活性化のための活動を行う。著書に『いまさら人に聞けない「中古車販売業」の経営・会計・税務Q&A(セルバ出版)』など。

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