フォーラム会場で記念撮影するカーチスHDの加畑取締役兼執行役会長(写真左)と新華錦集団の張董事長

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カーチスホールディングスは10月26日に中国・北京で開催された「第1回日中第三国市場協力フォーラム」で中国企業と業務提携に関する協力覚書を締結したことを発表した。
同社と覚書を締結したのは、新華錦集団有限公司(青島市・張建華董事長)で、山東省政府による省属対外貿易企業改革・再編成戦略のもと、10数社を合併した企業グループで、国際貿易のほか金融投資、不動産開発、介護・福祉事業など多方面にわたり中国国内外で事業を展開している。
同社は今回の覚書締結により、子会社で中古車輸出事業を手掛けるアガスタが海外バイヤー向けに運営する中古車輸出サイト「PicknBuy24.com」に中国から輸出される中古車を掲載出来るようにする。今回の業務提携締結により、年間1億台が発生するともされる中国の中古車市場から、新華錦集団との連携により、日本企業で初めて中古車輸出を取り扱うことが出来る合意がなされた。
同社は今春、韓国最大手の中古車オークション(AA)を運営するロッテレンタルとも提携した。同サイトには現在、3万7000台近い中古車を掲載する。このうち、1800台は韓国・ロッテレンタルからの掲載車両。
今回、中国市場への新規参入を果たしたことで、同サイトへの掲載台数をさらに拡大し「世界ナンバー1の中古車インターネットプラットフォーム」の構築を加速させる。
西牟田泰央取締役兼代表執行役社長は「民間企業同士が協力した日中合作のビジネスモデルとして、今回のフォーラムでも注目を集めた。韓国ロッテレンタルに続いての提携だが、今後は検査システムや品質保証などの確立を検討していきたい」とする。
同社は「これまでの業務提携を足掛かりに、成長が見込める中国中古車市場への新たな参入となり、中央アジアや東ヨーロッパへの事業拡大を目指す中で、重要な役割を果たすと思われます」とする。
同社は今回、安倍晋三首相や河野太郎外務大臣、世耕弘成経済産業大臣らが訪中した同フォーラムに招待された。中国政府からは李克強総理らが迎え、約1500人の両国財界関係者が集まったフォーラムに、加畑雅之取締役兼執行役会長や西牟田取締役兼代表執行役社長らが招待され北京入りした。
今回、さまざまな業種から訪問団が選ばれた中で、同社による業務提携は、日中の民間企業が協力した第三国市場向けビジネスモデルとして大きな注目を集めた。