長崎県大村市で輸入車と国産車、バイクを扱うオートショップＮＯＷ（中野美樹社長、ナウ企画）。中野社長自らがデザインを手がけたオシャレな外観と「男の趣味の部屋」をイメージさせる店内には、多くの常連客が集い、カーライフスタイル全般に関わる相談や趣味の情報交換などを活発に行うという。同社が扱う車両は、高年式のプレミアム輸入車から、国産の軽自動車まで幅広いが、ヴィンテージカーのメンテナンスやレストアなども大きな強みとなっている。昨年12月にも１９７６年式の日産「スカイラインＧＴ−Ｘ」（通称ケンメリ）を「ＪＵテントリ」を通じて業販した。九州の西端に位置する長崎から、全国の販売店に中古車を発信できるのも「ＪＵテントリ」の魅力で、同社では希少価値の高い中古車を多く保有する中、全ての在庫車を「ＪＵテントリ」に掲載することで、在庫回転率向上に活用している。
　　（室田一茂）

■趣味性の高いお店で固定客中心の営業を展開
　同社の特徴は、ヴィンテージカーのレストアなど、趣味性の高い中古車の販売や整備を通じて、固定客代替中心の営業を展開している点だ。輸入車の販売、整備に定評があり、輸入車カーライフを気軽に楽しんでもらうため、ドイツ車を中心に輸入車のメンテナンスに関わるノウハウを蓄積し、敷居の高い輸入車購入に安心と安全を提供する存在だ。１２月に「ＪＵテントリ」で成約したケンメリは１５年前に同業者から譲り受けた個体を少しずつレストアして仕上げたものだ。
　このほかにも５６年式のフォルクスワーゲン「ビートル」や６０年式のジャガー、７２年式のロータス「ヨーロッパ」などを保有し、ゆっくりとレストアしているという。趣味性の高い中古車を扱う一方で、普段乗りの軽自動車やファミリーカーまで、幅広い中古車を販売する。顧客や紹介客をメインとした商売を堅実に展開している。

■ＪＵテントリを「売り」「買い」の双方で活用
　在庫車を「ＪＵテントリ」に全数掲載することで、小売りと業販の両輪で店頭在庫を効率的に回転させる。中野社長がＪＵ長崎の小売振興委員長を務めていた当時から「ＪＵテントリ」を積極活用する。「初期投資も掛からず、掲載するだけで『売れる機会』を拡大・創出できる仕組み。
　在庫が売れれば次の在庫車が仕入れられ、新しい展示車の入れ替わりは店舗に活気をもたらし『よく売れているクルマ屋さん』というイメージが周辺ユーザーに定着する。長期在庫が思いがけず売れたケースもあり、大変助かっている」（園賢一郎店長）という。一方で「自社の販売においても『ＪＵテントリ』を活用して注文車を仕入れるケースもある」（園店長）と、「売り」「買い」の両面で「ＪＵテントリ」は欠かせない存在だ。

■売れる秘けつはネガティブ情報を含む情報開示
　「ＪＵテントリ」を担当する園店長が車両を登録する際にこだわる点は、写真枚数の多さやいわゆるネガティブ情報を含むガラス張りの情報開示だ。写真枚数を多くすることで、内外装の詳細まで落札店に伝えられるほか、キズの大小など、感覚では伝えにくい点を「写真」という客観的な情報で伝える。
　一般的にクレームが多く発生しやすい中古輸入車を長年扱っている同社だからこそ、ユーザーにも販売店にも、購入後の不安を少しでも取り除いてあげたいという強い思いで、時にはネガティブな情報であっても包み隠さず情報開示していることが好感を持たれている理由だ。もちろん、ドイツ車を中心に幅広いジャンルの輸入車を得意とするだけに、買い手側の知りたい情報をしっかりと把握している点も大きな強みだ。

■全てにおいて「人」と「人」のつながりを大切に
　顧客との深いつながりは「何でも話せるお店」という同店の雰囲気から生まれる。クルマやバイクはもちろん、時には釣りやゴルフに関する相談まで。「人」対「人」というフラットな関係作りも固定客を拡大する要因かもしれない。一方でＪＵという組織に属することで「ＪＵテントリ」をはじめとした各種事業にも積極的に参画する。

＜店舗情報＞
オートショップＮＯＷ（ナウ企画）
所在地：長崎県大村市今津町６５６－１
代表者：中野美樹社長