日本鉄リサイクル工業会
月末には一転して急落
日本鉄リサイクル工業会(東京都新宿区)は7月1日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。6月の国内鉄スクラップ相場は、5月下旬から国際価格の上昇に引っ張られる形で上昇し、6月に入るとその勢いを強め急騰局面を形成した。特に輸出向け比率の高い関東地区では一時、H2の地場電炉向け価格が前月の底値比8000円高の2万6000円~2万6500円に高騰したものの、月末には一転して急落に見舞われ、下げ足を速めながら7月入りしている。
コロナ禍による鉱工業生産の落ち込みで加工スクラップ流通量が大きく減少しているため、国内向けと輸出向けとで少ない玉を取り合う恰好となり、予想を上回る価格上昇につながった。採算悪化を受けて国内電炉は鋼材価格の底上げを図っているが、鋼材生産は伸びず、国内の急激な価格上昇で輸出向け競争力が失われると天井感が急速に強まった。先行き流通量の回復は期待できないうえ、需要の回復も見込めず、下落が関東から他地区へ波及しながら年後半を迎えている。
コロナ禍による鉱工業生産の落ち込みで加工スクラップ流通量が大きく減少しているため、国内向けと輸出向けとで少ない玉を取り合う恰好となり、予想を上回る価格上昇につながった。採算悪化を受けて国内電炉は鋼材価格の底上げを図っているが、鋼材生産は伸びず、国内の急激な価格上昇で輸出向け競争力が失われると天井感が急速に強まった。先行き流通量の回復は期待できないうえ、需要の回復も見込めず、下落が関東から他地区へ波及しながら年後半を迎えている。