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検査員はここを見る!ルーフパネルのチェック

株式会社ジャッジメント 取締役 橋本剛

 現在ミニバン・SUVの長期的な人気により、査定の現場でもハイルーフ(セミハイルーフ)ボディの占める割合が増加の一途を辿っています。 こうした現状において特に『確認するのが面倒』と感じるのが、ルーフパネルではないでしょか? 軽自動車でさえ人気モデルは『ハイトールワゴン』と呼ばれるデザインで、背伸びした無理な姿勢でルーフパネルを確認しなければなりません。 そのような厄介な位置にあるルーフパネルですが、何に注意して確認すればよいのでしょうか?

【他の外板以上に落札金額への影響大】
 ルーフパネルは、一見するとドアやボンネットのような外板部位と同等と思われがちです。しかし、各ピラーを結合するという重要な役割を持ち、モノコックボディの中心に位置する為、その状態によっては(交換歴有り)、修復歴として扱われてしまうことを理解しておかなければなりません。つまりルーフパネルは『骨格部位を確認する』のと同じ緊張感を持ってチェックをしなければならないのです。たとえ交換歴が無くとも、交換修理を要する瑕疵があるだけでオークションでの応札に影響を与えるケースもみられます。オークションの出品検査では、その重要性を理解しているからこそルーフパネルのチェックを念入りに行っています。
 
【交換を要する瑕疵とは?】
 ルーフパネルの交換歴については、別の機会に紹介するとして、まず『交換を要する瑕疵』にはどのようなものがあるのでしょうか?それはずばり『板金修理が難しいへこみ』です。例えば、プレスラインがつぶれてしまったような【深いへこみ】、ルーフパネル全体に点在する【多数のへこみ】が挙げられます。現在それらの多くは、『落雪』や『雹(ひょう)』のような自然災害が要因となっています。画像①は、2017年7月18日に東京都内エリアで発生した『雹』の被害にあった車両です。当時、こうした雹害車両が都内で大量発生し、検査現場でも毎日のように遭遇したことを思い出します。あれから3年、それらの雹害車両が修理され(ルーフパネル交換済)て、いつ査定現場で遭遇してもおかしくありません。そう考えるだけで自然と身が引き締まります。

【山の向こう側は見えない】
 雹害車両は、ルーフパネルが交換修理されているものだけではありません。『浅いへこみ』だけで済んだ軽度の雹害の場合、未修理の状態の車両も多く見られます。こうした浅いへこみを見落とさない為には、ボディの様々な方向からルーフパネルを観察する必要があります(画像②)。なぜなら画像③のようにルーフパネルは山なりに湾曲した形状の為、反対側からだと浅いへこみが見えなくなるからです。恐らく画像②のイラストを見た大半の方が『面倒』と思われるでしょう。ハイルーフ車両であればなおさらです。とは言え、前述のとおりオークション検査においてルーフパネルのチェックが厳格に行われている以上、自己防衛として同様のチェックを行うことをおすすめいたします。

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