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6月鉄スクラップ市況

2年ぶりの安値

 日本鉄リサイクル工業会(東京都新宿区)は7月1日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。4月に始まった鉄スクラップ価格の下落基調は、6月に入っても収束せず月間を通して全国的に下げ続けた。価格帯は、関東で2万6000円~2万6500円、関西で2万6000円~2万7000円と前月末比それぞれ3000円程度下がっており、これはおよそ2年ぶりの安値となっている。

 その要因として考えられるのは、米中貿易摩擦に起因する世界的な鉄鋼全般にわたる市況の不冴が挙げられる。鋼材市況の値下がりが鉄スクラップ価格にも伝播した形で、トルコ向け米国産No1HMSがピーク比30ドル以上安い280ドルCFRまで下がり、米国のコンポジット価格も中旬に30ドル近く急落した。また韓国向け日本産H2も2万8000円FOBと1か月で2000円下がっている。

 好調だった国内の電炉生産も、鋼材の需要減と輸出向けビレットの成約難もあって減産の動きが顕著となってきており、鉄スクラップへの買意欲も減退している。高炉原料である鉄鉱石、原料炭価格は高値を維持しているものの、鉄スクラップ価格の上昇には繋がっておらず、従来あった鉄鉱石価格と鉄スクラップ価格は関連性があるとの見方は適用できない状況が当面は続きそうな状況にある。

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