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【連載コラム】File02自動車会社の働き方改革

  • 社会保険労務士 本田淳也氏 社会保険労務士 本田淳也氏

有給休暇の本来の目的とは

 4月施行の「働き方改革関連法」において、年次有給休暇の年5日取得が義務付けられました。が、実際に会社側とお話すると制度の中身まで理解しているケースは少なく、それ以前に有給休暇の基本から説明する機会が増えています。そこでまずは年5日義務制度に触れる前に、有給休暇の基本的な考え方をお伝えしたいと思います。

■有給休暇でパチンコは合法か
 「社長、明日パチンコ開店なので有給休暇ください」。社員からそう言われたら、皆さんはどう答えるでしょうか。極端な例ではあるものの、有給休暇の目的は「心身のリフレッシュ」であります。休暇をどのように利用するかは労働者の自由であり、会社が干渉する余地はありません。従って、有給休暇でパチンコに行っても法的に問題はないのです(会社の心情的には複雑ですが)。そうは言っても、夕方の退社前に「明日から1週間休みください」では、人員が不足し、整備工場やショールームがまわらないといったケースもあるでしょう。そんな時は「時季変更権」を使いましょう。これは、労働者から請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に休暇を与えることができるというもの。とくに請求時季が急な場合、また長期に及ぶ場合などが考えられ、「明日から1週間はムリだが、来月ならいいよ」といったように、その取得時季を変更することができます。

■労使ともに効果的な休暇を
 労働契約はノーワーク・ノーペイが原則です。「働いてない時間に賃金は出ない」という考え方が前提にあり、月給の場合でも1日休んだらその1日分の賃金を欠勤控除、2時間遅刻したら2時間分を遅刻控除するのが基本になります。有給休暇はこの原則の例外として成り立ち、「休んでも給与が出る」という労働者にはとてもありがたい制度なのです。現在の有給休暇は、「退職前の一括取得」が主流なのかもしれません。ですが、私が考えるそれの目的は「心身をリフレッシュして、明日からの仕事に活かす」というもの。いつも全力で業務に励んでいるのでたまに休んで明日からの英気を養う、それが有給休暇の本来のあるべき姿ではないでしょうか。小規模なクルマ屋さんに限らず、経営者の多くは休暇取得に難色を示す傾向にあるものの、まずは労使ともにこのような目的をきちんと理解してもらうことが重要です。なにせ適切な休暇で、モチベーションや生産性が向上するケースも多いのですから。

【筆者プロフィール】
社会保険労務士 本田淳也
青森県深浦町生まれ。北海道自動車短大を卒業後、二級整備士を取得しディーラーにメカニックとして勤務。その経験を活かし四駆専門誌で数多くの記事を執筆。帰郷後、社労士事務所、税理士事務所勤務を経て、青森市内に本田社会保険労務士事務所を開業。著書「自動車整備業の経営と労務管理」(日本法令)。


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