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川崎大輔のアセアン市場まるわかり①

  • タイ首都バンコクでは朝夕ラッシュ時は車で道路が埋め尽くされる タイ首都バンコクでは朝夕ラッシュ時は車で道路が埋め尽くされる

拡大していくアセアンの自動車アフターマーケット

 日本マーケットが年々縮小する中、日本の各社自動車メーカーは新たに収益の獲得が見込まれる市場への参入を本格化させようと動いている。中でもここ数年多くの自動車メーカーが目を向けているのがまさにアセアン市場だ。

 タイの首都バンコク。朝夕のラッシュ時は車で道路が埋め尽くされる。クラクションの音とごった返す車を数センチの幅でかわして走る大量のタクシー。渋滞中の道路を見渡すと走っている車は、カローラアルティス(トヨタ)、CR-V(ホンダ)、ミラージュ(三菱)、マーチ(日産)、D-MAX(いすゞ)、と、日本メーカーの車ばかりだ。「日本の車はいい。デザインも良くて安心。タイではトヨタが人気だ」(バンコクの男性会社員)。

 タイやインドネシアでは日本車の市場シェアはすでに90%を超え、周辺のアセアン諸国においても拡大している。新車販売ではすでに一定規模の現地の財閥を中心としたプレーヤーが存在し日本企業が後から進出するのは難しい。そこでこれから注目するのが、自動車のアフターマーケットビジネスとなる。すでにある程度成熟した自動車市場に新しい商品とサービスを提供していくという動きが出てきている。日系の自動車整備関連の中小零細企業にとっては大きなチャンスだ。

 自動車整備関連でアセアン諸国に進出している日本人経営者は、「日本で当たり前のサービス提供などがまだ整っていない。整備ビジネスから波及するビジネスなどの周辺ビジネス、例えばコーティングやチューニングなどもアセアン諸国にはほとんど入っていない。ブルーオーシャンの市場がまだたくさん残っている」と語る。

 アセアン地域の人々の所得向上とともに、「安かろう、悪かろう」から「多少高くても品質重視」と考えにシフトしてきている。これからはフローからストックへ、そして新車を販売して収益を得る形からアフタービジネスでの収益へとシフトしていく。アセアンでは整備を中心とした自動車アフターマーケットの拡大が加速していくことは間違いない。

【川崎大輔 プロフィール】
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。

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