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【車両見極めのポイント】修復歴車上位モデルの傾向(2018年の検査現場を振り返る)

株式会社ジャッジメント 取締役 橋本剛


 昨年も数多くの自動車が販売されましたが、それに比例して検査の現場でも例年以上に多くの車両を検査させていいただきました。 そこで今回は“2018年の検査現場を振り返る”ということで、2018年に弊社で検査した車両のデータを基に、修復歴が多かったモデルの傾向を探ってみたいと思います。

◆下取・買取査定現場を念頭に条件を設定
 中古車は使用期間と距離に比例して修復歴の発生率が高くなります。その為、車両データを無制限にしてしまうと、低年式モデルが上位を占めてしまう恐れがあります。そこで今回は“査定現場で役立つ”を念頭に次のように抽出条件を設定してみました。

①2018年1月~11月まで実施した検査データを対象とする
②初年度登録(年式)を平成20年~25年までとする(平均保有年数を考慮し『査定機会が多い』『査定価格がまだ残ってる』為)
③年間検査台数100台未満のモデルは対象外とする(台数が少なすぎると数値の変動が大きいため)
④商用モデル(プロボックス等)は対象外とする(修復歴の数値が極端に上昇してしまう為)
 これら4つの条件で抽出した結果が表Aのようになりました。いかがでしょうか。この結果について心当たりはあるでしょうか。


傾向その1 軽自動車はサイズ的に仕方なし
 軽自動車の3モデルがランクインしていますが、他にもダイハツ・エッセ(12位)三菱・ekワゴン(14位)、そしてスズキ・ワゴンR(18位)が上位となる結果となりました。ご存知のとおり軽自動車のボディサイズは乗用タイプと比べて小さく、骨格部位の位置が外板部位にかなり寄っているので、少しの接触でも骨格部位へ波及する可能性が高くなります。特に前後バンパーのすぐ後方に位置する骨格部位の損傷頻度はずば抜けて高いので、チェックする際は注意してください。

傾向その2 レンタカー、法人リースの人気モデルである
 一見すると『なぜこのモデルがランクイン。』と、思われる車種があります。5位のトヨタ・アリオンそしてプレミオは、法人リースでの人気が高く、手荒く乗られた形跡の残る車両が目につきます。同じくランクインしているホンダ・フィット、そしてダイハツ・ミラもレンタカーやリース車両として人気があります。これは該当モデルのボディ構造に直接的な理由があるのではなく、使用状況からして事故に遭遇する頻度が高くなってしまった結果といえるでしょう。

傾向その3 ホンダの4車種ランクインの原因は
 『軽自動車』『レンタカー・法人リース』そして最後は『ホンダ』です。4モデルがランクインし、そのうちライフ(JB5・6・7・8系)とフィット(GE系)は、修復歴遭遇率が40%を越えるという驚異的な数値となりました。同クラスの競合モデルと比較しても飛びぬけて高い原因は、そのボディコンセプトにあります。それは『コンパティビリティ対応ボディ』と呼ばれるもので、衝撃吸収効率を高めつつ、相手ボディへの攻撃性低減を目的に設計されています。フロントエリアの骨格部位は、独特なデザインを採用。フロントクロスメンバーの位置は低く、その左右端に接合する為にフロントインサイドパネル前方は、下方向へと伸びた形状となっています。こうしたデザインは、軽微な接触事故を起こしただけでも、フロントクロスメンバー、フロントインサイドパネルへ衝撃が波及しやすくなり、損傷多発の要因となってしまったわけです。

 今回の結果は、弊社の検査データに限定した分析となりますので、偏向があるのは否めません。しかし、数字自体は正直です。『どうしてそのモデルは、修復歴車が多いのか。』それには必ず理由があるはず。日々、単調的に査定をするのではなく、こうした疑問を解決するような見方を心がけることで、検査技能は飛躍的に向上を図ることができます。これから繁忙期に突入し、そうしたチェックは難しくなるかもしれませんが、ぜひ参考にしてみてください。



 
 
 
 
 

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