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11月鉄スクラップ市況情報

  • 鉄スクラップ価格推移 鉄スクラップ価格推移

市場には先行き高安両面の見方が混在

 日本鉄リサイクル工業会(東京都新宿区)は12月1日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。11月の国内鉄スクラップ市況は、前月末に端を発した上げ基調が鮮明となり各地区で5000円~6000円の値上がりを記録し、関東地区のH2月末価格は2万4000円~2万4500円レベルと今年5月以来6ヶ月ぶりの高値となっている。

 この値上がりは、高炉原料の原料炭、鉄鉱石の急騰が世界的な鋼材の値上がりを誘発し、それが鉄スクラップ国際市況にも波及したことにある。トルコ向けの米国産鉄スクラップ価格は月央に280ドル(CFR)近くまで上昇したと伝えられ、鉄スクラップの輸入から遠ざかっていた中国筋も製鉄原料の先高を見込み輸入成約したことが報道されている。日本は、米国大統領選挙後の意外感のある円安も後押しした形で日本産鉄スクラップに割安感が生じて輸出向けFOB価格がまず上昇し、それに連れて国内価格が上昇した。電炉メーカーも鉄スクラップ価格の値上がりを鋼材価格に転嫁すべく尽力している。

 月後半には急激な値上がりに対する警戒感も出て、輸出向け価格の一部値下りもあったが、月末に中国国内で鋼材や鉄鉱石価格の再上昇が伝えられるなど、市場には先行き高安両面の見方が混在している。

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