【特集】保証を安心と信頼の獲得に活用 - グーネット自動車流通

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【特集】保証を安心と信頼の獲得に活用

コラム 2020年11月25日

 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け4月以降、新車販売台数は急激に失速した。2020年度の上半期(4月-9月)では前年比22.6%減となり前年の販売台数を大きく下回った。
 一方で中古車登録台数は緊急事態宣言解除となった6月以降、前年同月の登録台数を上回る数値となった。9月は2.1%減と前年を割ったが依然、底堅い動きを見せている。
 コロナ禍において中古車は移動手段としての需要の高まりや即納できる点が評価されているという。ただ、中古車相場は上昇傾向にあり、ユーザーはより質の高い車を求める傾向が顕著になっている。併せて中古車に対する安心感を得る意味でも保証をはじめとしたアフターサービスのニーズが高まりも後押しする形で、更なる注目を集めると思われる。

■中古車購入におけるユーザー動向
 中古車販売において、購入後のサービスを重視する傾向が年々高まりを見せている。PROTO総研の連載コラム・カーライフ分析、「中古車購入時にサービスを追加する ユーザーが増えてきた理由とは?」の「中古車ユーザーが購入時に実施したサービス」(図①DATA01)によると、保証(ワランティ)を最上位にメンテナンスパックやオイル・オイルフィルター交換、タイヤ交換などが増えている。
 また、購入時でも年式や走行距離などの車両状態を重視する意見が上位を占めるが、保証の有無も燃費や修復歴の有無と同じレベルで重視されていることがわかる。(図①DATA02)
これらのことから中古車購入時、購入後のタイミングにおいて、ユーザーは安心・安全を意識し気に掛けていることが見て取れる。
 日本自動車工業会(自工会)の車種別使用年数推移(図②)では、乗用車は2010年時に12.70となっているが、ほぼ毎年前年を超えながら2019年には13.26年まで伸びており、ユーザーの車両長期使用が見て取れる。この点からもユーザーが安心して車に乗る為に何が必要かを考えると保証を求める声は今後、より大きくなると考える。

■「保証」とは
 日本ワランティ協会(東京都中央区・伊藤光司会長)によるとディーラーを除く延長保証の付帯台数は小売台数の10%強とまだまだ普及しているとは言い難い状況にある。また、ユーザーは今後、保証を求めるとしたが現時点でも「保証」と「保険」、特に車両保険と混同して捉えている人も多いと聞く。
「保証」とは“間違いなく大丈夫と請け合うこと”の意味である。類似語に「補償」「保障」「保険」があるが、それぞれの意味は次のとおり。
・「補償」“損失などを埋め合わせる”
・「保障」“責任をもって一定の地位や状態を守ること”
・「保険」“偶然的に発生する事柄(保険事故)によって生じる経済上の不安に対処するため、あらかじめ多数の者が金額を出捐(しゅつえん)し、そこから事故に遭遇した者に金銭を支払う制度”

 保証は傷や欠点、欠陥を請け負う「瑕疵(かし)保証」であり、家電製品やPC等の高額電化製品に付帯され、一般的にも身近な存在となっている。図の保証マトリクスを参照していただくと保証が付帯される商品も思い浮かべやすい。自動車はまさに「壊れにくく値段が高いもの」に当てはまることから、ユーザーに保証を進めることで安心を提供し、販売店も信頼を得ることができる。

■業界の取り組み
 ワランティ業界の健全な発展及び、消費者利益の保護を通じた社会的信頼の向上を図り、安定的な社会の形成に寄与すること目的に2017年、日本ワランティ協会(東京都中央区、伊藤光治会長)が発足した。同協会は正会員・準会員・賛助会員の155社で構成。正会員にはオーク・フィナンシャル・パートナーズ、ニッポンメンテナンスシステム、プレミア、EGSの4社(順不同)が、準会員はMWJワランティの1社が、販売店と契約している企業として名を連ねている。賛助会員は正会員および準会員の販売店が協会員として加盟している。同協会は事業者間のルールの整備やワランティ業界に関連する共同研究などを通じて、業界全体の発展とユーザーサービスの更なる向上を目指していく。

【「保証」をユーザー接点強化に繋げる】

■保証を付帯するメリット
 ユーザーが保証を付帯するメリットは大きい。現在では保証の内容も充実している。「グー保証」を例に挙げると国産車の場合、条件に合致すれば初年度登録から13年0ヶ月以内、走行距離は販売時および保証加入時に13万キロ以内までを保証対象としている。同様に保証範囲もエンジンからカーナビまで330以上の項目をカバーしており、ユーザーが安心して中古車に乗れる環境を提供している。
 一方で自動車販売店にとっても保証を扱うメリットは大きい。一つはユーザーと回帰接点がもてる点にある。車両が故障した際には、ユーザーは保証の窓口となる販売店に連絡をする。この時に保証内容に基づいて相談、提案をすることで販売店はユーザーの信頼を、ユーザーは安心感を得る機会となり、より関係の強化が図れる。二点目は第三者保証を付帯することで営業に集中しやすい環境を構築できる点にある。自社保証の場合、修理内容の特定、修理費用の算出対応をする必要が生じる。第三者保証の場合は、保証会社が対応するため、スタッフが抱えるストレスやクレーム、トラブルも軽減され、本来の業務により集中できる環境となる。
 保証を付帯することでユーザーは安心して中古車を購入でき、販売店はユーザーと信頼関係を構築することで、売りっ放しではなくリピーターの獲得機会にも繋がる。

■ニッポンメンテナンスシステム西原淳也部長
 当社は一般的な中古車販売店に保証の提供を考えていたが、実際に利用し始めたのはディーラーや大型販売店であった。理由はユーザーの囲い込みツール、また商談ツールとして保証を扱うことで、他店との差別化に利用できると考えたから。加えて、お客様満足度の向上、営業スタッフの業務およびストレスの軽減に有用性を感じたとも聞いている。販売店としても負担が減ることで営業に集中でき、自社を守るためにも保証を付帯する販売店も多い。また、自社保証だとユーザーと自社が向き合う形になるが、第三者の保証に入っているとお客様の立場に立った話ができる。
業界の課題としては修理単価が上がっている。クルマの自動ブレーキの登場により事故件数は減っているが、修理が生じた場合の費用が高い。
 当社の特長は「買得典(コウトクテン)」。その歴史は長い。独自で言うと代車特約もある。大手レンタカーと提携し最長7日間までカバーしているため、契約店に喜んでいただいている。保証対象期間も初度登録から13年、15年の商品も用意している。ボリュームゾーンはメーカー保証が切れた5年から7年の車がボリュームゾーン。
 元々、ニッポンメンテナンスのベースが自動車リースのメンテナンス受託であり、提携工場のネットワークを構築していた。リース会社との取引による圧倒的な実績に基づいた試算により、工賃や支払いサイト等のノウハウを保証に活かしている。
 現車を見ないで買うユーザーも増えている。販売店が間に入ることで保証は囲い込みに有効なツールになる。販売店が保証を商談に上手く使うことで、ユーザーが販売店に足を運ぶ機会を創出できる。その際に保証の内容をしっかり伝えることがユーザーと販売店の信頼関係の構築に繋がり、次の商機を産み出すチャンスとなる。その為にも販売店に保証内容を理解していただくことも重要。

■MWJワランティ小林正信社長
 保証は車のように“目で見て触って”ができない商品であり、売りづらい一面もある。そのため、コストとして捉えられることも多い。ましてや保証や保険はお客様が不幸に会ったときに喜ばれるもの。その時に初めて保証の有難みを感じていいただけ、販売店とユーザーから喜ばれる。
 また、保証は中古車の小売に対する付加価値を提供するものと考えている。保証業界において中古車販売店や整備事業者が、エンドユーザーのために何ができるかを考えると保証は有効な商品となる。
 保証の効用はユーザーの立場で見れば、中古車の機能の安心を買うことになる。半年でも1年でも保証が無いよりもあった方が良い。販売店にとっても保証が付いているということでユーザーに安心感を与えることができる。中古車の価格は様々。購入するユーザーの心理的な部分として少しでも経費を安くしたいという思いから保証付帯に繋がりにくい面は課題のひとつ。中古車ほど本来は保証のニーズがあってしかるべきであり、マッチするもの。
 売りっぱなしではなく、ディーラーが行っているように保証やメンテナンスパックのような囲い込みができる回帰誘導の手段を持つことが、販売事業者のブランド向上と次の商売にと繋がると考える。
 当社は販売店にパーツ部位別に車齢に順じた故障頻度や修理費のデータを提供し、ユーザーが負担するリスクを説明してもらうよう取り組んでいる。我々の役目は客観的なデータを提供することで、販売店がユーザーに説明しやすい、理解してもらいやすい環境を提供すること。結果、ユーザーが保証に入って良かったと感じてもらえば販売店や整備工場もユーザーから信頼を得られる。そうなることで我々が保証を販売する意味に繋がる。
 当社の特長は国産・輸入車・乗用・大型を除く貨物までオールラウンドな商品を供給していること。保証対象となる走行距離も15万キロまでカバーし、保証期間も6カ月からといった短期間にも対応している。また、マイカーリースの需要に合わせ、リース期間に応じた商品構成も特長。

【”付加価値”として保証を活用】

 ここまで保証の役割やメリット、また業界や保証会社の取り組み、事例を紹介してきた。中古車販売店の数社の方に話を聞いたが、皆口を揃えて「販売時に保証を付帯している」と言う。保証は第三者保証を付帯する店もあれば、自社保証を用意している販売店もある。保証内容は販売店によってまちまちだが、いずれの販売店も保証を付帯する理由に「ユーザーに安心を提供する」「販売する上で必須」とその役割を挙げる。そういう意味ではBtoCにおいて保証は欠かせないものであり、保証が果たす役割や有用性が浸透していると感じる。
 一方でBtoBにおいても保証を付帯することで安心を提供している事例もある。一般的に業者間取引においては現状渡しが通例である。しかし、次に紹介するJU岐阜羽島オートオークションは条件付きとなるが出品車に保証を付帯できるサービスを提供し、出品と落札店から好評価を得ている。その同社の取り組みおよび内容について紹介する。

■保証活用事例
 JU岐阜羽島オートオークション(岐阜県羽島市、熊崎尚樹社長)が提供している中古車保証サービス「プラス保証」が順調に推移している。
 この保証は、落札日から30日間エンジン本体や動力伝達系の主要約50項目以上を保証するサービスで、評価点3.5点以上、初度登録年月から12年以内、走行距離12万㎞以内のほか、自社開発製品「アルカディア」でOBD診断を行い異常がない車両が対象となる。同保証は保証料を出品店が負担、落札店が無料で申込できる場合と落札店が保証料5000円を負担して申し込む2種類がある。
 保証を利用した会員からは、「商品価値の高い出品車両に更なる安心という付加価値が付帯され自信を持ってAA出品が出来る」や「会場にて現車が確認出来ないが、プラス保証車は落札への不安が少ない」など、出品店、落札店ともに安心に対する評価の声が多い。
 対象コーナーについては順次拡大しており、現在では、「トレタマEX」、「いいクルマ」、「お店のクルマ」にくわえ「トレタマ30」、「売切りEX」が追加され全5コーナーとなり、全出品台数の約4割にのぼる。
 会場関係者は、「保証サービスが付帯された車両は付加価値が高くなり、売りやすく、買いやすい環境を整えることができる。今後も会員様の利便性を第一としたサービスを提供していきたい」と述べる。

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4、4.5点

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直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること