【特集】消費増税をチャンスに変える経営 - グーネット自動車流通

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【特集】消費増税をチャンスに変える経営

コラム 2020年02月25日
業務効率化による差別化がキーワード
【特集】消費増税をチャンスに変える経営

【特集】消費増税をチャンスに変える経営

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 2019年10月に実施された消費税率10%への引き上げは、日本経済に大きな影響を与えることとなった。大きな景気減速が予想された中、年が明けた1月においても景気回復の兆しは見えてきておらず、まだまだ厳しい状況に変わりはない。2月7日に内閣府より発表された昨年12月の景気動向指数の判断基準は「悪化」を示しており、増税の影響を大きく受けた結果となった。また、同じく内閣府が1月29日に発表した1月の消費動向調査の結果では、「暮らし向き」、「収入の増え方」の項目が低下するなど、依然として消費マインドは低調となっている。こうした厳しい市場環境下だが、自動車販売において増税後も販売台数を落とさず、好調を維持しているお店がある。今回の特集では、そのような販売店をピックアップしていく。

―ブレない方針が強固な体質に変わるー
 今回紹介するお店はいずれも、いわゆる「中古車」を中心に取り扱う販売店だ。中古車登録台数については、新車販売と比べ、消費増税の影響は小さかったものの、増税後の10月から12月までの3か月間は、前年を下回る結果となった。多くの中古車販売店が、消費増税の影響を受け、販売に苦戦する中、紹介する4社に共通して言えることは、増税対策を徹底的に行なったのではなく、もともとの自社の経営方針を真摯に実行しつづけたことが、他社との差別化となり、増税に負けない体質を構築している点にある。

―業務効率化でスマートな経営をー
 他社との差別化とはなにか。4社に共通することの1つに「業務効率化」が挙げられる。4社の在庫規模は100台を超える大型店舗から30台規模の店舗まで様々であり、販売形態も違っている。業務効率化とは、業務を進めるために無駄なものを省き、よりスムーズに業務ができるような状態にすることであるが、各社とも、この部分に特に注力をしている。もちろん、「業務効率化」が好調の全てではなく、それぞれの販売店が試行錯誤を繰り返しながら、業務効率化以外の差別化を見出した結果でもある。


増税後でも好調を維持している全国の販売店をピックアップ
~販売車種や安心の訴求など他社との差別化を追求~

■スタッフには働きやすさをユーザーには安心を提供:AQUA(福島県郡山市)

 福島県郡山市内に3店舗を展開するAQUA(鈴木優社長)は、今年度の10月-1月の販売実績は昨年度比120%を達成。厳しい市況下にありながらも実績を伸ばしている。「昨年10月の水害による代替需要も若干ある(鈴木社長)」としながらも、前年を上回る実績の背景には、同社の「働き方改革」と「安心の提供」の2点が見えてくる。

 「働き方改革」は現在、国を挙げての喫緊の課題として、各社が取組んでいる。その中で同社は、2年前に一切の残業を無し(禁止)。また、今月からスタッフを増員し週休2日を実施している。他にも販売時の値引きは無く、店頭表示価格で販売するため、現場のスタッフは迷うことなくお客様と商談ができる。結果、現場のスタッフも働きやすくなり、業務効率の向上に繋がっている。

 「安心の提供」は、販売車両は全て修復歴無しの保証付き車の販売を徹底。販売車の仕入れもほぼ全てがオークションとなっている。オークションの検査に加え、販売時にはグー鑑定も利用し二重の検査を実施している。加えて、保証でのアフターフォローと二重の検査で安心を提供している。

 また、鈴木社長は「三本の専門店」効果を挙げる。三店はハイブリッド店、2WD店、4WD店として展開している。「専門店化の目的はお客様のニーズに応えること」と話す。専門店にすることでユーザーも車を探しやすくわかりやすい。加えて自社工場も完備し、クリーニング部門やレンタカー部門、用品販売からダッシュボードリペア、レザーリペアも行っている。今年中には買取店のオープンも予定しており、クルマのあらゆるニーズに応え、ユーザーにサービスを提供していく。

■ハイセンスなカスタムがユーザーを引き付ける:トリニティ(愛知県小牧市)

 愛知県小牧市に店舗を構えるトリニティはマークXをベースとしたカスタムを手掛けている。在庫台数は約70台、店長の石原昌之氏を中心に4名で店舗を運営している。

 同社の強みは、少数精鋭の従業員数と他には真似できないカスタムセンスにある。マークXをベースとしたカスタムは石原店長の考えでスタート。それまでのカスタムは大排気量のセダンが中心であったが、時代の変化にあわせてダウンサイジングが主流となると予想し、誰も手を付けていなかったマークXを採用、それが大当たりとなった。また、カスタムについては、服飾に興味があった石原店長が手掛けることで、他にはマネのできないハイセンスのデザインとなっている。

 従業員は事務員の女性を除き、全員が制作を行なうことが可能、多くの車両が毎日販売されていく中、1日1台以上のペースで完成していくことで、在庫車不足に陥ることはない。

 増税直後の昨年10月は一時的に引き合いが減少した。そこで石原店長は「日本の人口が1億人いるのだから車が売れないはずがない」と前向きに考え、マークXを含めた取り扱い車種の中古車掲載媒体やオークション出品に関して、金額や台数、詳細なところまで徹底的に調査を行なった結果、一時的な流通量の変化を見つけ、自社のプライスとクオリティ向上の改善を図ったことで、増税前の販売台数まで戻すことができた。

 「自分はウサギとカメで言ったらカメだと思う。じっくりと物事を考え、納得できるまでは動かない。ただし、一度これと決めたら最後までやり切っていく」(石原店長)という考えが好調の要因のようだ。


■車販と車検・整備、保険などで総合営業:ウォッシュ(岡山市北区)

 ウォッシュ(岡山市北区、大田慎治社長)では、2018年1月の「軽カーPLUS倉敷店」を皮切りに、自社グループ内で独自の販売ブランドを展開、今年1月1日の「軽カーPLUS水島店」の新規オープンにより、同店ブランドだけで3店舗体制を形成する。既存の販売拠点とは一線を画した軽自動車とコンパクトカーにターゲットを絞り込んだ店舗展開だ。1台当たり販売利益の少ない軽、コンパクトを扱うため、今年オープンした水島店では、スタッフは店長と販売スタッフ2人の3人体制というコンパクトな拠点展開。車両展示台数100台規模の店舗で、月販50台規模という高効率販売を実践する。

 消費増税後の販売減などが話題になる中古車業界だが、同社の場合は18年1月オープンの倉敷店の新規客の車検到来期なども重なり、高水準の販売実績を持続する。同社の月販台数(小売り)は、同ブランドで展開する3店舗での販売を含む250台規模に上るという。

 倉敷店は民間車検工場を併設する高規格店舗。倉敷店をハブ店舗としながら、水島店の顧客の入庫対応なども行う。初期投資を抑え、限られた人員での高効率運営を行う体制は今後の多店舗展開にもつながる。車販だけでなく、車検や点検・整備、鈑金塗装、保険、用品販売などについて、グループを挙げて一貫して提供しているため、顧客を中心とした循環型の営業展開を可能としている。

 また、「厳選して仕入れた中古車を丹精込めて商品化し、店舗に並んだ展示車も常にピカピカの状態を保っている」(大田社長)とするように、中古車販売店の原点に立ち返った地道な営業努力が景気動向に左右されにくい、地域密着かつ顧客中心の販売を根幹とする循環型の店舗運営につながっている。


■買取車の販売で高収益を確保:ラビット豊明57号店(愛知県豊明市)

 ラビット豊明57号店(愛知県豊明市、江藤芳則社長)は、江藤社長を含む2名体制の店舗運営ながら、毎月コンスタントに8台前後の販売と20台程度の買取実績を残している。

 江藤社長は自動車整備学校を卒業後、中古車販売店や買取店で経験を積んだ後、2007年に現在の会社を立ち上げた。

 同社の在庫車は約30台、ほとんどが買取車両。江藤社長は理由について「オークションで仕入れた車両より買取車両の方が利幅が大きい。また、ユーザーが乗っている状態で査定をすることができるので、車の状況が買取車両の方がわかりやすい。買取車両の場合、販売時に前のユーザーの情報がわかっているので個人情報に抵触しない範囲で説明をすることができる。前のユーザーのことを気にする人が多いので、この部分は強みになっている」と話す。

 店舗運営において特に重要視しているのが「安心感」である。買取の場合、買取金額で競合することもあるが、接客対応で買い取れる場合も少なくない。また、ラビットの看板も安心感に大きく貢献している。ユーザーが買取店をインターネットで検索した場合、検索結果に引っかかることも多く、また店舗が幹線道路に面していることから、看板を覚えてもらっていることも多い。「ロイヤリティ以上の価値をフランチャイズ加盟に感じている」としている。

 消費増税については「大きな影響は感じていない。10月初旬に買取、小売りともに一時的に引き合いが少なったが、辛抱の時期と思い、急に何か違ったことをしなかった結果、中旬以降はもとに戻った」(江藤社長)とし、また、今後については「より地元に根付くことで安心感を増しながら、増税に負けない体力をつけていきたい」と話す。

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【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること