【特集】 数字で見る2019年国内自動車業界 - グーネット自動車流通

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【特集】 数字で見る2019年国内自動車業界

コラム 2020年01月31日
新車・中古車販売とも年初から堅調も消費増税による反動で年後半失速、AA流通台数は微増も年末にかけタマ不足が顕著
【特集】数字で見る2019年国内自動車業界

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<新車販売>
 2019年(1~12月)の新車販売台数(含軽)は、前年比1.5%減の519万5134台だった。このうち登録車が同1.9%減の328万4870台で2年連続の前年割れ。軽自動車は同0.7%減の191万264台だった。2019年は10月1日からの消費増税(8%→10%)の影響もあり、特に7~9月にかけては増税前の駆け込み需要も見られた。9月単月では前年同月比12.9%増という大幅な盛り上がりを見せた一方、10~12月にかけては、10月の同24.9%減を筆頭に2ケタ減の苦しい市場環境となった。

 登録車市場は、年初から前年を上回り、9月までの9カ月間のうち7カ月で前年同月を上回る活況となった。前年を割ったのは、3月と6月のみだった。消費増税直後の10月単月実績はこうした活況から一転、前年同月比26.4%減の19万2504台ということで、20万台にも届かない急激な失速を余儀なくされた。11月、12月と下げ幅を少しずつ縮小するものの、12カ月中7カ月で前年を上回りながら、暦年実績では前年割れに陥った格好だ。

 一方の軽自動車市場も消費増税を控えた8、9月の単月実績がともに2ケタの前年超えとなったが、登録車と同様に10月以降の失速をカバーすることは出来なかった。単月実績での前年超えは12カ月中6カ月に止まったほか、11月に一旦戻した下げ幅が12月で更に拡大してしまった格好だ。12月の低調な推移を読み取ることが出来る。

 こうした状況について、新車ディーラー各社では「19年の新車販売については、ほぼ予算通りに推移したものの、10月以降については消費増税の影響で減速した。消費増税については、駆け込み需要の恩恵よりも、増税後の落ち込みの方が大きく、上半期の貯金が無ければ年間目標の達成は難しかったと思う」(東海地区のトヨタ系ディーラー関係者)といった見方が大勢を占める。
 こうした中で「新車販売の減速により、下取り車の発生が急減し、オートオークション(AA)においても出品車のタマ不足に陥っている」(関東地区AA業界関係者)と、新車の急減が中古車市場においてもブレーキをかけている状況だ。

 2020年の展望についてはトヨタ系ディーラーの全販売チャンネル併売開始など、新車販売市場においては、大きな動きがあり、系列内外を含めた競争激化などの懸念材料もある。昨秋開催された東京モーターショー2019で披露された新型車のリリースも年初から活発だ。また今夏開催される東京オリンピックによる景気拡大にも期待感が高まるが、一方では「五輪期間中の新車販売は伸び悩むのではないか。逆に五輪終了後の景気減速を不安視している」(関東地区の業界関係者)という厳しい見方をする業界関係者も多く存在しているのも事実だ。

<中古車販売>
 2019年(1~12月)の中古車登録台数(新規、移転、変更の合算)は、前年比0.1%増の384万1688台だった。消費増税の影響から10~12月にかけて大幅な前年割れとなった新車販売に比べ、単月実績では最大で前年同月比7.3%減(11月)という小規模な影響に止まった。一時抹消登録台数は、前年比0.6%増の416万5281台とほぼ前年並み、永久抹消登録台数も同4.7%増の22万8148台だった。輸出抹消登録台数は同5.1%増の147万1147台に大きく伸ばした。

 中古車販売の現場でも10月の消費増税の影響は大きかった。9月単月の中古車登録台数は前年同月比18.4%増の33万7558台に上るなど、明らかな駆け込み需要も見られた。

 こうした状況を業界関係者は「新車の即納が難しい状況下で、取り急ぎ増税前に乗り換えたいというユーザーニーズに高年式中古車が合致したようだ。8月のお盆明けから徐々に動きがあり、9月に入ったあたりからは9月中の納車を希望するユーザーが来店し、即決するケースも多く見られた」(関西地区の中古車専業店関係者)という。最近の中古車小売りでは、情報量拡大などで商談が長期化、競合も激しくなっているという声をよく聞くが、増税前の9月は駆け込みユーザーによる特徴的な動きが見られた。

 ディーラー系の中古車小売り店舗では「消費増税があったが、販売台数に大きな変化はなかったが、『厳しい』という印象が強かった。特に11月以降は新車販売の受注残が無くなり、下取り車入庫が大きく減少、展示場の充足率が低下した。通常は卸ダマとして扱う車両を小売りに回すなどして対応したものの、品質低下となり販売にも影響したと思う」(東海地区のトヨタ系ディーラー関係者)とするように、新車販売の落ち込みが中古車小売りにも影響、特に年後半はこれに伴う販売苦戦が見られたのも事実だ。

 こうした中で、2020年に突入し、販売店では「初売り」などのイベントを通じた需要喚起を行った。実際に初売りを展開した販売店では「1日から初売りイベントを展開、年々こうしたイベントでの成約は減少しており、今年も同様に厳しい展開だった」(岡山県の中古車販売店)という厳しい指摘も。「初売りが文化として定着しており、多い店では3日間で50台を成約するところもあるが、年々初売りでの販売が厳しくなっている」(宮城県の中古車業界関係者)という。一方で「50万円以下の低額車は動きが良い。一方で100万円以上のクルマはほとんど動かない」(東京都西部の中古車販売店)という状況も見られ、ユーザー動向も多様化している。

<オートオークション>
 2019年(1~12月)の全国オートオークション(AA)実績は、出品台数が前年比3.9%増の764万9438台、成約台数が同1.7%増の486万9363台、成約率が同1.3㌽減の63.7%だった。出品台数、成約率とも前年実績をやや上回る推移となったが、成約がやや弱かったことで、成約率を落とす格好となった。年初1、2月の成約率が大きく低下したほか、消費増税後の反動からか、11月単月実績は出品台数と成約台数、成約率が揃って前年を下回る展開となった。出品台数の下げ幅が最も大きかったのは12月で、前年同月比6.4%減という厳しいタマ不足となり、同月の成約率は反転して前年同月を上回った。

 出品台数は年間を通じて前年実績を上回る月が多かったが、最大需要期の3月、そして消費増税後の反動減が見られた11、12月の3カ月で前年同月実績を下回った。とりわけ12月の減少幅が大きく、10月の消費増税後、新車市場が低迷、下取り車や買取り車の入庫も停滞したことなどで、中古車流通量の急減につながった格好だ。12月単月実績は前年同月比93.6%の50万7165台(3万4552台減)。例年12月は流通量が減る傾向にあるものの、あと少しで50万台を割り込むような厳しい市場環境となった。こうした中で、成約台数も減少したが、出品台数の下げ幅がこれを上回り、成約率は前年同月とほぼ同等の水準だった。

 こうした19年の状況についてAA業界関係者は「年間を通じて堅調に推移したが、輸出の不透明性と消費増税による新車ディーラーからの出品台数減などがあり、特に年後半は予断を許さなかった。こうした現状の中で運営スタッフが知恵を絞ったことで、年間実績では18年実績を上回ることが出来た」(東海地区のAA会場関係者)とする。

 トヨタユーゼックにおいては、全国10会場のうち6会場で過去最高出品台数を記録、トヨタオートオークション(TAA)全体でも過去最高かつ史上初となる90万台超え(91万8000台)の出品を集めた。「出品台数91万台超という実績は出来すぎだったが、都市圏の会場が伸びてきたことが特に大きかった」(トヨタユーゼックの北口武志社長)とする。同社の10会場で最も出品台数を伸ばしたのは、出品台数が前年比19.0%増の15万1459台を記録した近畿会場(大阪府寝屋川市)だった。同会場では1開催平均出品台数を約500台拡大した。

 AAの流通量が激減した12月だったが、タマ不足により成約率が急上昇するような通常の動きが見られなかったのも気にかかるところだ。中古車小売り市場が停滞する中で、仕入れ意欲もやや低下しているほか、主要仕向け国・地域の政治・社会情勢の不安などによる中古車輸出市場の停滞も年後半は影響しているようだ。

 2020年のAA市場は、1月6日(月)から始まったが、6日から11日にかけて行われた新年第1週のAA市場は12月からの慢性的なタマ不足を引きずる形でのスタートとなり、第2週に入っても未だにエンジンがかからない。「新車販売の不調から下取り車の不足がボリュームを縮小させる中、昨今の働き方改革の影響で陸送が本格的に動き出したのも6日からがほとんどだった」と、各AA会場の関係者らは声を揃える。

 今後の展望については「新車、中古車販売市場の厳しさに連動し、出品台数減が予想される。一方で各新車メーカーの新型モデル投入も多く、販売動向に注目したい」(東海地区AA会場関係者)と静観するが、主だった好材料は少ないとする見方が大半だ。



 新車・中古車販売、AA市場とも、トヨタ「ヤリス」やホンダ「フィット」、スズキ「ハスラー」などの新型投入が鍵となるが、新車納期の長期化も大きな課題となっており、新型車投入が即、市場のカンフル剤となるかは不透明だ。

 近年のハイブリッド車需要が一巡したことで、中古車流通の現場にも偏りが出ており、こうした車両の低年式、過走行車はAA相場が特に下降傾向にある。下取り、買取り車の値付けなども頭を悩ませるところ。一方で販売店にとっては、中古車輸出市場の動向と合わせ、良質小売りダマの仕入れが年々厳しさを増している。

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【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること