- 【バディカ連載 Ver.2.0】Vol.011 欲望の壁を破壊せよ 2024年04月23日 BUDDICA
- 【特集】2023年度を振り返る 2024年04月23日
- 【特集】サブスク人気などを背景に拡大する「オートリース市場」 2024年03月28日
- 【バディカ連載 Ver.2.0】010 競合の壁を破壊せよ 2024年03月28日 BUDDICA
- Web限定【自動車業界特化型税理士新連載企画】「個人事業」で車屋を… 2024年03月26日 自動車業界特化型税理士 酒井将人
ベトナム国内での自動車販売台数の急増、所得水準の向上、さらに以前よりベトナムの中古車の販売価格が割安になっていることから、中古車市場が活況を呈している。最近Grabのようなスマートフォンアプリを使用した配車・予約サービスが活性化していることも中古車市場の拡大に影響を与えている。例えば自動車を保有したらGrabに登録するだけで、空き時間にドライバーとしての収益を獲得できる。これが唯一の収入源である必要はないが、十分な収益を期待できる。そのために中古車購入を更に加速させるのだ。
ベトナム中古車流通で、主導権を握っているのは中古車ディーラーとブローカーだ。販売は、「売り手優位市場」となっている。情報量が少ない購入者が弱い立場だ。中古車にはプライスボードは掲げられていない。走行距離や修復歴も提示されていない。中古車店は客を見て販売価格を決めるため、スタッフとの交渉が必要になる。最近では中古車ウェブサイトを活用して中古車ディーラーやブローカーが仲介ビジネスを展開しているのが目立つ。形式上はB to C(Business to Consumer)を取っているが、実態をC to C(Consumer to Consumer)とする。それにより、自動車取得税を免れ価格競争力で勝てるグレー流通だ。
仕入れ方法は、エンドユーザーが直接売りに来るか、知り合いネットワークを頼り買いに行く方法が主流だ。また、在庫車両は業者間で融通することもある。
中古車流通の他(ほか)のプレーヤーとしては、新車ディーラーと個人がいる。新車ディーラーは、ベトナムではトヨタ、BMW、フォード、メルセデスが中古車ビジネスに着手。個人間売買は、友人や親せきとの間で購入者を募る場合が一般的だ。全く知らない他人へ販売するという形はまだ根付いていない。理由として、名義変更手続きの煩雑さ、現金一括購入の可能性が少ないためだ。
ベトナムの巨大な消費者市場を鑑(かんが)みれば、急増する自動車販売が物語るように、すぐ近い将来に、中古車市場が拡大することになるだろう。
<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。
コラム関連の過去記事を検索する