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ボンネットやドアに代表される“ボルト装着部位”をチェックする際、取付ボルトの状態を確認するのは基本中の基本です。またボルトに限らず他にも知っておくと便利なポイントが存在しますので、今回その一例をご紹介します。
●一見正常に見えても・・・
まず画像①をご覧ください。
これはドア開口部付近を撮影したものですが、これだけを見て不自然さに気づけたなら、その方は豊富な査定経験と鋭い観察力をお持ちであることが伺えます。
注目すべきは、ドアキャッチ部とその取付ボルトの“色”です。
新車製造の塗装工程後にこうした部品は装着されるので、部品本体やその取付ボルトに塗料が付着することはありません。
つまり白く塗装されたドアキャッチ部と取付ボルトの状態を見る限り、想定される状態として
①異色中古ドアを用いた交換
②車両全体の色替え(オールペイント)
が、考えられます。
とくに中古パネルについては、現在アフターマーケットのネット環境も整備されており、お目当ての中古パーツを容易に入手できるようになりました。
そこで査定する側に求められるのが“中古パネルを見抜く観察力”なのです。
●異色中古をなぜ利用するのか?
中古パネルを利用する理由としては、第一に“修理費用が安く抑えることができる”ことが挙げられます。さらにパネルの外周にシーラントを塗布するといった作業も必要もありません。
ただ異色中古のパネルを用いる場合、修理車両の外装色に塗装する作業は残ってしまいます。
画像②は、ボンネット裏面を撮影したものです。
裏面には多くのステッカーが貼られていますが、注目するべきは、その“ふち”です。
よく見るとマスキング処理され、新たに塗布された塗料がステッカーの表面に付着しているのもわかります(画像③)。
これも前述の取付ボルトと同じで、異色中古パネルを利用した場合に見られる特徴のひとつです。
“付属部品を外してから塗装”
“塗装後に新しいステッカーを貼る”
これらの手間をかけることで、わかりやすい痕跡を消すことは可能です。
しかし、
『費用と作業時間(手間)をかけたくない』
という中古パネル利用の本質をを考えると、こうした細かな処理を省略するケースが多いのも納得できます。
●便利なツールを積極活用
異色中古パネルの場合、元色の上から再塗装を行うので、膜厚はかなり厚くなります。
そのことから膜厚測定機(画像④)を使用すれば、異常数値の見落としを防ぐことが可能です。
こうした便利ツールが容易に入手できる現在、活用しない手はありません。
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