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Web限定【自動車業界特化型税理士新連載企画】「個人事業」で車屋を始めた酒井くんと、「法人」を設立した相川さん③

コラム 2023年03月07日
『第3話:設立登記をしよう!』
会社名:自動車業界特化型税理士 酒井将人

 個人経営と法人経営のメリット・デメリットなどについては様々な書籍が発行されていますが、この連載企画では「実際のところどうなの?」という素朴な疑問に立ち返り、物語形式でその実態に迫ります。

【今回のテーマ】

 「個人事業主」として開業することにした酒井くんと、「法人」を設立して開業することにした相川さんは、それぞれ順調に開業準備が進んでおり、いよいよ法務局に設立登記をすることとなりました。 法人の設立登記は、どのような流れで行うのか、個人事業主として開業する場合にも登記が必要になるのか、それぞれの具体的な手続きについて見ていきたいと思います。

【法人の設立登記】

 相川さんは株式会社の設立登記を司法書士さんにお願いすることとし、下記の流れで登記申請を進めました。

(1)設立する会社概要を司法書士さんに伝える
 設立登記をする際に必要となる事項は、『第1話:開業準備をしよう!』で決定済みのため、「商号」「機関設計(役員・資本金など)」「本店所在地」「決算期」「設立希望日」などを司法書士さんに伝えました。

 しかし、定款への記載が必要となり、登記事項でもある「目的(事業内容)」については、まだ具体的に決めていなかったため、司法書士さんと相談のうえ「1.自動車の買取り及び販売業」「2.自動車の修理及び整備業」「3.自家用自動車有償貸渡事業」「4.損害保険代理業」「5.前各号に付帯関連する一切の事業」と決定しました。 なお、3は「レンタカー業」を、4は「自動車保険代理店業」を将来的に営む可能性を考慮して事業目的に加えたものです。

(2)類似商号の調査
 現在では、類似商号の使用制限制度は廃止されているため、本店と商号が全く同一となる場合を除いて、会社の商号は自由に決定することができます。
 しかし、他の会社と誤認される恐れがある商号を付けることは好ましくないため、司法書士さんに依頼して「類似商号の調査」をして頂きました。
 なお、相川さんは『第2話:印鑑を作ろう!』において、既に会社実印などを作成していますが、類似商号の調査結果によっては事前に決定していた商号を変更しなければならない可能性もあるため、不安に感じる場合には、この類似商号の調査が終わってから印鑑を作成すると良いでしょう。

(3)必要書類への押印等
 設立登記に必要となる書類は、全て司法書士さんが作成して下さるため、相川さんは当該書類への押印等のみを行いました。

 主な設立登記に係る必要書類は次のとおりです。

 ・設立登記申請書
 ・定款
 ・発起人決定書
 ・資本金払込証明書(預金通帳のコピーと合綴)
 ・役員の就任承諾書
 ・登記申請の委任状
 ・印鑑届書 など

(4)公証役場での定款認証
 株式会社の設立登記を行うためには、公証役場に出向いて公証人による定款認証の手続きを受ける必要がありますが、この手続きも司法書士さんが代理で行って下さるため、相川さんは公証役場に行く必要はありませんでした。
 また、電子定款に対応している司法書士さんに依頼したため、従来の紙定款に貼るべき4万円の収入印紙代を節約することができました。

(5)資本金の払い込み
 資本金の払い込みは、出資者が会社代表者(設立時代表取締役)の個人名義の口座に振り込むことによって行います。
 そして、会社設立登記の申請をする際には、資本金の払込みが行われたことを証明するために「資本金払込証明書」と「預金通帳のコピー」を合綴した書類を提出します。
 相川さんは、資本金を払い込むタイミングや、預金通帳のコピーの取り方などについて司法書士さんの指示を受けながら手続きを進めました。

(6)株式会社設立登記申請
 法務局への登記申請も、司法書士さんが代理人となって行って下さいますので、相川さんが行うべき手続きはありません。
 なお、法務局へ登記申請を行った日が、会社の設立日(創立記念日)となります。昔は司法書士さんの都合によって希望日に登記申請を行うことができないケースもありましたが、昨今ではオンライン申請が主流となり、希望する会社設立日に確実に登記申請を行うことが可能となっています。
 そして、登記申請から約1週間後、全て司法書士さんにお任せしていた相川さんの手元に、会社の謄本(履歴事項全部証明書)と印鑑証明書が届きました。

(7)相川さんが用意したもの
 相川さんが司法書士さんに法人設立登記を依頼する際に用意したものは、次のとおりです。

・個人の実印と印鑑証明書
 相川さんは、出資者(発起人)、かつ取締役(代表取締役)に就任する立場なので、相川さん個人の印鑑証明書を司法書士さんに提出しました。
 また、印鑑届書には個人実印を押印する箇所があるため、個人実印もあらかじめ用意しておきました。

・会社実印(法務局への届出印)
 株式会社の設立登記をする際には、代表取締役が印鑑届書を提出することにより、法務局へ印鑑の届出を行います。この法務局へ届け出た印鑑が、一般に「会社実印」と呼ばれるものです。

・銀行等の預金通帳
 資本金の払い込みのため、会社代表者(設立時代表取締役)である相川さん個人名義の預金通帳が必要となります。新たに口座開設をする必要はなく、既存の口座で問題ないとのことで、相川さんは家計用として使っている銀行口座の預金通帳を用意しました。

・本人確認書類
 出資者(発起人)と役員に就任する人の本人確認書類が必要とのことで、相川さんは運転免許証を用意しました。



【個人事業主の商号登記】

 一般的に、個人事業主は開業に伴う登記手続きは不要とされており、酒井くんも登記に関する手続きを行うことは想定していませんでした。
 しかし、個人事業主にも「商号登記」という制度があることを知った酒井くんは、自分で商号登記にチャレンジすることにしました。

(1)個人事業主の商号登記
 開業にあたって法人を設立する場合には、必ず商号や本店所在地など事項を法務局に登記する必要があります。一方、個人事業主として開業する場合も、義務ではありませんが、その屋号を商号として登記することができます。

(2)商号登記のメリット
 個人事業主が商号登記をする最大のメリットは、社会的な信用力を高めることができる点です。商号登記により屋号や代表者名などの情報が一般公開されることは、しっかりと事業を行っているという安心と信頼に繋がります。
 また、将来的に法人化(法人成り)を検討している場合にもメリットが生じます。商号登記をしていなかった場合、それまで使用していた屋号がすでに商号として登記されていると、法人化する際に屋号を変更しなければならない可能性があります。法人化後も同じ屋号で事業を続けたいの場合は、あらかじめ商号登記をしておくと良いでしょう。

(3)商号登記のデメリット
 商号登記のデメリットは、登記手続きに手間や費用がかかることです。商号登記を自分で申請する場合には、書類作成などの手間がかかりますし、司法書士さんなどの専門家に依頼する場合には一定の費用がかかります。また、自分で申請するか専門家に依頼するかに関わらず、申請に際して3万円の登録免許税が必要となります。
 さらに、商号登記をしている場合、所在地など記載事項に変更があるたびに、変更登記が必要となる点も頭に留めておく必要があります。

(4)商号登記の手続き
 個人事業主の商号登記申請の手続きは、法人の設立登記申請と比べると容易に行うことができます。商号登記申請書には、決まった書式は無いため、必要事項を記載して自分で作成する必要があります。インターネットなどで検索すると申請書のフォーマットが見つかりますが、法務局(札幌法務局)がホームページ上に掲載している「商号登記申請書の見本」を参考にすると良いでしょう。

 主な商号登記に係る必要書類は次のとおりです。

 ・商号登記申請書
 ・個人の印鑑証明書
 ・印鑑届書

 なお、届け出る印鑑は、「屋号印」と「個人の実印」のいずれでも構いません。酒井くんは、屋号印を作成していたので、当該印鑑を届け出ることにしました。
 また、商号登記の申請手続きはオンラインでも行うことができますが、ユーザー登録や電子証明書などが必要となり少し負担に感じるかもしれません。ご自身で登記申請を行う場合には、必要書類などを持参すれば、窓口で書き方や捺印方法、収入印紙を貼る場所など細かく教えてもらいながら申請することもできます。
 酒井くんは、手続きに自信が無かったので、事前に法務局に電話して必要書類などを確認してから訪問したため、スムーズに登記申請を行うことができました。


【今回のまとめ】

 今回は、開業に伴う「法務局での登記申請」についてご紹介しました。法人については必ず設立登記を行う必要がありますので、手間と費用などを考慮して、司法書士さんに依頼するか、ご自身で行うかを検討すると良いでしょう。個人事業主の商号登記は、実際に登記をされている方は少ないと思いますが、謄本(履歴事項全部証明書)なども発行されますので、ご興味がある方はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

【著者紹介・取材協力】
税理士 酒井将人。
自動車業界特化型税理士事務所OFFICE M.N GARAGE代表。
税務の枠を超えて自動車販売店の業務改善などを行う「中小企業者の経営サポート」と「相続&事業承継対策」のスペシャリスト。著書に『いまさら人に聞けない「中古車販売業」の経営・会計・税務Q&A(セルバ出版)』『おうちのくるま(乗り物絵本シリーズ)』など。


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