【特集】2021年度の振返りと2022年度の見通し - グーネット自動車流通

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【特集】2021年度の振返りと2022年度の見通し

企業・団体 2022年06月01日
会社名:プロトコーポレーション
自動車流通新聞2022年5月25日号

自動車流通新聞2022年5月25日号

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●新車販売は前年度比9.5%減の421万台水準に

 2021年度(21年4月~22年3月)の新車販売台数(含軽、日本自動車販売協会連合会発表)は、前年比9・5%減の421万5827台だった。新型コロナウイルス感染拡大、半導体不足等の影響から新車供給が停滞したことで、昨年7月以降は前年同月比で減少が続いている。前年度の新車販売を振返るとともに今後の見通しを首都圏の新車ディーラー幹部に話を聞いた。

 2020年、新型コロナウイルス拡大の影響を受けた新車市場は大きく販売台数を落したが、その反動で、2021年度前半については、前年比で大きく販売台数を伸ばした。

 しかしながら、6月に入ってから、半導体不足の影響を受け、新車納期が長期化していったことにより、前年同月比は、マイナスに転じた。その後2021年度内では、一度も前年を上回ることなく、苦戦が続いている。

 首都圏の新車ディーラーによると「新規の来店が少なく買い控えを実感している。受注は一定数あるものの納車は今でも最低6カ月待ち。ここまで納期が長いと中古車に流れるユーザーも多い。今年度中には、納車状況は好転しないのではないか」と話す。

 しかも予定していた納車日が当初の予定から延期、延期と続いている為、ユーザー対応にも苦慮しているという。新車納期が遅れる中で、現所有車の車検が切れたり、残価設定ローン販売車への対応もしなければならない。さらに、上海のロックダウンの影響で6月、7月納車予定分が大幅に遅延する見通しだ。

 新車をあきらめて中古車にシフトするユーザーに関しては2019年式以降の高年式車両の引き合いが多い。しかしながら高年式の良質車の供給が追い付かない状況が続いている。こうした中、7月以降下取車減少の為、中古車展示在庫は30%程度減少の見通し。「下取り価格を上げてでも車の確保を進める」と
話す。

 外部環境の影響は非常に大きく、例年と比較して非常に見通しが立てづらい状況だ。今回の特集では、中古車販売や中古車輸出、オークション市場についても前年度を振返るとともに、今年度の見通しについても業界関係者からのヒアリング結果を紹介していきたい。



●中古車販売実績は6月以降前年割れ中古車相場高騰で仕入れに苦戦
中古車輸出は堅調に推移

 2021年度(21年4月~22年3月)の中古車登録台数(日本自動車販売協会連合会・全国軽自動車協会連合会調べ)は、前年比5・0%減の656万6384台だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響がやや薄れた4月は、前年同月比6・5%増、5月は同14・4%増の50万723台と大きく増加を見せたが、6月以降は、新車供給不足により中古車の登録台数も伸びず、10カ月連続で前年同月比マイナスとなっている。軽自動車についてもマイナスが続いた。

<中古車販売市場>
 昨年度の中古車市場は、タマ不足が続き仕入に苦戦する販売店が多かった。反面オークションでの換金は相場以上の値が付いたものの、全体的には小売がさほど良くなく厳しい1年
だった。 九州エリアの中古車販売店は「4月に入って小売り市況が急激に悪化している印象。4月の需要落ち込みはコロナ禍に関係なく、通常通りの動きだが、今年は特に落ち込み幅が大きい。GW明けから夏場に向けての反転に期待したいところ」と話す。 近畿地区の中古車販売店は「コロナ禍の特徴的な動きとして、FC加盟により展開するレンタカー事業が好調に推移している。公共交通機関を利用した移動の自粛とレンタカーを活用した郊外へのレジャー利用などが増加、週末の朝にはレンタカー利用客が多く来店するようになった」と振り返る。

 昨年度の中古車販売市場は、コロナ禍にもかかわらず、マイナス幅は新車ほどの減少はみられず、比較的しっかりとした実績で推移した。しかしながら今年度については、各社ともに慎重な見方を示す。「今年度の回復には、新車の納期次第ではないか、まだ予想以上に時間を要するのかもしれない。足もとの市況は厳しい」という声が多く聞かれた。

<中古車輸出市場>
 昨年度の中古車輸出台数は、前年同期比17・3%増の122万2535台
だった。20年の4月、5月は10万台を大きく割り込み5万台ほどであった中古車輸出は、21年度4月に入ると毎月10万台を超え、11月まではその水準を保ち、中古車相場が高い中でも多くの中古車が輸出された。慢性的な船腹スペース不足でデリバリーが遅れても、海外側は遅延に対する不満はあるものの、日本から中古車を輸入する傾向は変わらなかった。

 中古車輸出コンサルタントは「中古車価格の高騰、物流の遅延というマイナス要因は、中古車輸出事業にとっては、非常に厳しい環境であるが、海外バイヤーが自国や他の海外で発生する中古車ではなく、日本の中古車の商品価値が高く、潜在的な需要が変わらない事を改めて感じた一年であった」と振り返る。ロシア向け輸出台数減少に伴い、ロシア向け車両のオークション相場の落ち込みが懸念されていたが、一部の車種には落ち込みが見られるものの、全体的にはそこまで大きな影響は見られていない。今後の中古車輸出をとり巻く環境は「円安」、「ロシアのウクライナ侵攻」を除き、今年度と大きく変わらないため、昨年度と同水準程度の輸出台数になるのではないか。

 ロシア向け輸出台数は昨年対比で50‐70%に落込む可能性があるとの予想もあるが、その分、他国向けが増加すると思われ、日本からの海外全体への中古車輸出台数は変わらないと考える。(中古車輸出コンサルタント)


●市場はタマ不足 中古車相場は高値が継続
中古車需要拡大の見通しも

 2021年度(21年4月~22年3月)国内オートオークション(AA)実績(主催者発表速報値集計、プロトコーポレーション調べ)は、総出品台数が前年比2・6%減の689万5897台、成約台数が同2・0%増の468万2047台という実績だった。前年実績に対して、出品台数は減少したが、成約台数は増加。タマ不足の中での引き合いが増えたことにより相場が高騰している。

<振返りと足下の状況>
 昨年度は新型コロナウイルス感染拡大や半導体不足の影響による中古車不足、また年度末に掛けロシアのウクライナ侵攻等、日本経済はもとより自動車業界は大きな影響を受けた。特にオークション成約価格は新車の供給不足も相まって需給バランスが崩れており、成約単価は20年6月から前年同月比を23カ月連続で上回っており、記録的な相場を形成している。中古車販売店、中古車輸出事業者など仕入れる側からみると、価格面で厳しい状況が現在も続いている。

 オークション市場関係者に状況を聞くと「昨年度前半より半導体や新型コロナなど複数の要因からディーラー出品車が大幅に減少した。ただし一昨年と比較すると減少幅は少なく、一昨年比で上回ることができた。また、出品台数の減少により需要が高まったことで成約率が大幅に上昇。収益面では良好な結果となった」(愛知県AA市場関係者)と話す。

 中国エリアのAA会場関係者は「21年度は、コロナ禍も地域密着の営業展開で堅調な開催実績を残すことができた。タマ不足などが懸念される中だったが、取引間口の拡大により、出品店数なども増加、折からの高成約率も相まって好調なAA開催を持続している」とタマ不足の中でも高実績を確保している声が多く聞かれた。

 ただ、今年度に入り、やや成約率が低下してきており、昨年後半から今年初め2月あたりまでの勢いは無くなっている。「主にディーラーやリース、レンタカー会社の出品の動きとして、3月はやや抑え目な印象だった。各社とも決算前ということもあり、出品台数の調整が入った模様で、4月に入って、徐々にこうした中古車がAA市場に流入している。一方でやや応札が弱まっていることもあり、成約率や成約単価はやや低下している」(近畿エリアAA市場関係者)

<今後の見通し>
 こうした状況ではあるが明るい兆しもみられる。まず中古車の発生の点では新車の納期遅れは続いているが、夏頃から徐々に改善していくとの話も聞こえてくるので、中古車流通も活性化されると思われる。中古車の需要が高まるという点では2つの要因が挙げられる。「一つは新車を製造する各メーカーが今までにない資源や材料、物流コストの上昇を受け、車両価格を値上げせざるを得ないとの話が聞こえる。そうなると、相対的に中古車の割安感が増してくると推察する。もう一つは、少し先になると思うがウクライナが復興のステージに入った際には即使え、耐久性の高い日本の中古トラックが復興に大きく貢献していくことと思う」(東日本AA市場関係者)

 先が見えにくい状況だが、変化の兆しは起きている。この兆しを正しくとらえて将来の変化を予想して、その上で今やるべきことを考え行動していくことが大切となる。


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【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること