ヒュンダイ自動車の高級セダン「エクウス(Equus)」
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読者の何%が韓国ヒュンダイ自動車の高級セダン「エクウス(Equus)」と言うクルマを知って居られるだろうか。排気量3800ccと4600ccを搭載し、本革シートや木目調の内装パネルなど、装備の豪華さとデザインはベンツとのレクサスと比較しても決して負けていない。にもかかわらず、韓国での販売価格は6370万から1億520万韓国ウォン (日本円で約500万~840万円)と、トヨタ社が生産を打ち切ったセルシオより低い。価格も安くデザインも素晴らしい。また走行時の静粛性に驚かされる。
また2008年4月の発売以来、月平均2万台のペースで売れている大衆車「エラントラ」も流線型のデザインでその完成度は高い。排気量は1800cc、装備面ではHIDヘッドランプやLEDテールライト、両席エアバッグとサイドエアバッグ、トランクルームから操作できる可倒式リヤシート(トランクスルー)、リヤパーキングアシストシステムなどの装備を備えながらも価格は約1600万ウォン(日本円で約130万)と、日本の国産車と比較して驚きの低価格で売られている(米国での販売価格は1万5000ドル)。
ヒュンダイ社は2001年に日本に進出、2009年の年間販売台数が764台に終わり、撤退を余儀なくされたが、米国では「ヒュンダイアシュランス(ローンを組んで新車を購入した顧客が、購入から1年以内に失業や病気で支払いが困難になった場合、車両を返却すればローン残債が免除される)」を導入。さらに同国では下取り価格の保証にも着手している。 日本のユーザーの中にも「ヒュンダイが買いたいけどどうしたら買えますか」とインターネットなどで質問している人がいる。現モデルを見てユーザーが欲しいと思っている証であろう。
中古車業界関係者もエクウスの写真を見て、その価格を知り、整備が可能なら個人で欲しいと言った人は多い。今、日本はTPPへの参加を表明している。仮に現在の円高水準が続き、日本車と比較し価格が半値近い進化した輸入車(右ハンドル仕様)が再び日本に進出した時、果たして国内メーカーは今のシェアを守れるのだろうか。(倉元)