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10月鉄スクラップ市況情報

  • 鉄スクラップ価格推移 鉄スクラップ価格推移

アジア地区鉄スクラップ市況低迷が欧米諸国にも拡がる

 日本鉄リサイクル工業会(東京都新宿区)は11月2日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。8月、9月と大幅に下落した国内鉄スクラップ市況は、10月に入ってもその基調は変わらず、関東地区で中旬までに3回の下げを記録した。月末価格は、関東でH2が1万4000円~1万5000円レベルと、前月末比1500円~2000円下落している。ただ、月後半に入ると、引き続き軟調感を残しながらも市況はほぼ全国的に様子見横ばいで推移している。
 
 輸出の動向も、主な仕向け先の韓国需要家の購買意欲が依然低く、また現地での滞船も報告されており、新規契約が見込めない上に既契約の船積み履行の遅れが顕在化するなど、価格、デリバリー数量共に回復が見通し難い状況にある。世界的にも、米国のコンポジット価格が第2週に50ドル弱下落するなど、アジア地区の鉄スクラップ市況低迷が欧米諸国にも拡がってきている。

 一方で、鉄鉱石、原料炭価格の値下げ幅が小さくなり、非鉄、原油等の資源価格も値上がりはしていないものの、落ち着きを見せ始めており、世界的に鉄スクラップ価格も下げ止まるのではないか、との期待感もある。鋼材市況は引き続き低迷が予想される中で、年末に向けて鉄スクラップ相場は神経質な展開が予想される。

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