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9月鉄スクラップ市況情報

  • 鉄スクラップ価格推移 鉄スクラップ価格推移

各地で大幅な下落

 日本鉄リサイクル工業会(東京都新宿区)は10月2日、国内の鉄スクラップマーケット情報を発表した。

9月の国内鉄スクラップ相場は前月からの弱基調に拍車がかかり、各地で4000~5000円に達する大幅な下落に見舞われた。月末の関東地区H2炉前価格が前月比4500円安の1万6500円程度に続落するなど国内市況は全国的に節目の2万円を大きく割り込み、約6年半ぶりの安値に後退している。

 この急落の背景には、中国経済の減速懸念を受けて鋼材や半製品価格に対する悲観的な見方が世界的に広がったことが挙げられる。年率で1億トンを超える中国の鋼材輸出攻勢が世界の鋼材価格を冷やし、鉄スクラップ価格も大幅な水準訂正を迫られた。

 国内では夏期の炉休期間を終えても電炉メーカーの生産量がさほど回復せず、鉄スクラップ輸出価格も下落基調を鮮明にした。9月末の韓国向け輸出FOB価格はH2で1万6000円程度と前月比4500円下がり、依然として国内相場を下回る安値に低迷している。

 9月後半になって下げ過ぎの反動からか、国内相場にはようやく下げ止まり感が出始めたものの、市況を本格的な上昇に導く材料は見当たらず、国内相場の先行きには今なお不透明感がくすぶっている。

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