【特集】自動車販売業界の働き方改革 - グーネット自動車流通

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【特集】自動車販売業界の働き方改革

コラム 2019年08月26日
会社経営の標準装備
会社名:プロトコーポレーション

 日本が抱える課題として避けて通れないものの一つとして少子高齢化に伴う人口減少があげられる。これにより労働力が不足し生産性の減少が問題となる。これらを解消するために政府は「働き方改革」を推進し将来に備えようとしている。本年4月には、長時間労働の是正(残業時間の上限を規制、有給休暇取得を義務付けなど)、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保(同一労働同一賃金など)、多様な働き方の実現(フレックス制やテレワークなど)という3つを柱とした「働き方改革関連法」が施行された。

 政府は、働き方改革の目指すものの位置づけとして「働く方々が、個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を、自分で「選択」できるようにするための改革です。日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」、「働く方々のニーズの多様化」などの課題に対応するためには、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境をつくることが必要です。働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現することで、成長と分配の好循環を構築し、働く人一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指します」としている。

 全国的に人手不足が叫ばれる中での長時間労働等の是正は、一見すると矛盾する施策となるが、それほど少子化高齢化対策は待ったなしの状況といえる。私たちはこれから生産性向上に加えて、職場環境を改善し「魅力ある職場」とすることで、人手不足解消につなげていく必要がある。こうした取組みを通じて、優秀な人材が確保でき、業績が向上し、利益を増やすという好循環が生まれる。今回の特集では、自動車販売にかかわる業界でどのような「働き方改革」が行われているのか、事例を紹介しながら、生産性を高める「働き方改革」のノウハウなど専門家ならではの意見も聞いてみた。

【働き方改革成功事例①】組織を活かす働き方改革を推進(カーセブン)
 働き方改革の推進は、一昨年の7月にオフィス移転がきっかけ。オフィス移転の目的は人材確保にあったが、都心のオフィスビルではスペースも限られ、全員の席を確保することも容易ではない。そこでまずは在宅勤務を導入した。社員にはノートPCを支給しており、既に取り組んできたペーパーレス化や社内インフラのweb化により、会社に出勤しなくとも業務ができる環境を作った。採用もオフィス移転と働き方改革により新卒を含め優秀な人材を採用しやすくなった。また、在宅勤務により通勤圏内にこだわる必要が無いため、地方での採用も可能となった。出勤は月に一度であり、既に山梨県で在宅勤務をしている社員もいる。在宅勤務はいつでも誰でもできるようにしている。一方の本社オフィスは席の固定化を禁止したことで、他部署間での情報交換も増え、風通しが良くなった。また、女性をリーダーに据え、女性目線を活かしたオフィス環境づくりを行なっている。 労務および業務では残業をしない・させない体制づくりを推進している。社員業務の棚卸を行い、システム化を推進し、効率化を図っている。より個人の成果や管理が問われる状況になっているが、会社は個人では成り立たない。例えば電話を取る人、来客時の受付など自分の業務ではなくても積極的に取り組んでくれる人がいるからこそ成り立つ。そこで社内システムに「サンキューボタン」を設け、自分のこと以外にも目配り気配りができる人を社員が評価し、組織としても円滑に回る体制づくりを行なっている。カーセブンは、社員の業務管理だけではなく、組織を活かすシステム構築に取り組んでいる。

【働き方改革成功事例②】社員が主体となって行動できる体制(ティーアンドアイ)
 乗用車・トラックの販売を国内外で展開するティーアンドアイの田中正男社長。「創業17年目を迎えたが設立当初の社員数は3、4人。開業当初は、昼夜を問わず働いた。現在は社員数15名にまで成長したが社員が増えるにつれ、より働きやすい職場・環境づくりを意識した。ディーラー出身の経験を活かし、まずはその前職を見様見真似で制度づくりを行った」と語る。現在では、部署や業務内容に応じた制度を導入し、残業ゼロを実現するなど働きやすい職場・環境を構築している。完全週休二日制、有給休暇の消化率もほぼ100%を実現。田中社長は「採用や会社への定着を考えるとこれらの取り組みは全て必要。実際に採用もしやすくなった」と話す。勤務時間に関しては、海外担当の営業マンはフレックス制度を導入。国内の営業や事務職では定時勤務としている。また、レッカー部門はシフト制を用い、24時間365日の体制をつくり、緊急時にも対応している。営業・事務など、顧客に合わせた時間運用により、効率化の促進と顧客満足も実現している。これらの働き方改革を支える方法の一つとしてwebの活用が挙げられる。個人スケジュールや有給申請はもとより、仕入もデータラインwebを使用するなど、ほぼ社を空ける田中社長が管理、決済できる環境を構築。また、月1回の会議ではより詳細な成績を開示することで、社員各自が考えて行動できる環境づくりを促している。田中社長の働き方改革は、社員が主体となって行動できる体制づくりにある。

【働き方改革成功事例③】女性スタッフが長く働ける企業を目指した取り組み(ベイオーク)
自動車業界において、とりわけオートオークション(AA)業界での働き方改革実現は非常に難しいハードルがある。こうした中、AA業界内でも少しずつ時間管理や有給休暇取得の徹底などが浸透、働きやすい職場へと変化が進んでいる。毎週のAA開催日の前日など、業務が集中する特定日の残業を比較的業務の少ない出勤日の時短出勤でバランスを取るなど、各社による改革は着実に進んでいる。こうした中、男性社員だけでなく、女性社員が結婚から出産後も安定して働ける職場作りを目指す動きも見られる。大阪市住之江区にAA会場を構えるベイオーク(塩原淳平社長)による取り組みが女性スタッフにとっても「働きやすい職場」として認知され、同社の定着率(女性スタッフ)を引き上げている。最近でも産休明けの女性スタッフが同社に復帰したばかり。当面は保育園の時間に合わせた時短勤務と休日体制で、子育てを支援する。「女性の『力』をしっかりと発揮できるように、また『しっかりと働きたい』という女性スタッフの思いに応えられるような体制を整えている」(三桝暎子総合企画室長)という。三桝室長自身も女性管理職として、同社で活躍、「女性が長く働ける企業に」(三桝室長)という強い思いで、魅力ある企業作りを推進している。こうした受け入れ体制整備やコンプライアンス(法令)遵守は企業の当然の取り組みという位置付けだか、特に女性スタッフの復職などを受け入れる際は職場の「空気感」も重要だという。同社において、この「空気感」を作り出すのが「ハッピーカード」活動に他ならない。スタッフ同士が感謝の気持ちを伝えるなど、素晴らしい行動を評価し讃え合う制度。ハッピーカードの獲得枚数によって月間MVPなどを選定し、スタッフのモチベーションアップやおもてなしの心を醸成するきっかけを作り出している。

【自動車業界こそ必要とされる働き方改革】
 ひとくちに「働き方改革」とはいっても、なんとなくのイメージしか沸かない、そんな経営者も多いのでないだろうか。それもそのはず、ときには「働き方改革関連法」として使われ、またときには「働き方を見直す」という広い意味のときもあるから煩雑になりがち。セミナーひとつ取っても内容を事前に確認しなければ的外れの受講となってしまう。(社会保険労務士 本田淳也)

「全体像をイメージする」
 そこでシンプルでポイントを絞った「働き方改革のイメージ」を作成してみた。まずは「①働き方改革関連法の遵守」。いわゆる4月から施行された法律を指す。年次有給休暇の確実な取得はすでに始まっているし、大企業においては時間外労働の上限規制もスタートしている。それに伴って、労働時間の適切な把握や有給休暇管理簿の作成、36協定届の新様式への移行などやるべき事も多々あり、より一層煩雑さが増してくる。とはいっても時期や形式が決まっているものなので、外部専門家に確認したり、厚労省の働き方改革特設サイトを参考にしたり、または働き方改革推進支援センターに聞いて進めるといいだろう。

「すべての業務を見直す」
 そして同時に進めなければならないのが「②仕事内容や職場環境を見直す」こと。アプローチする手法が数多く存在し、実際に効果が見えるまで一定期間を要するが、これからの会社経営に欠かせないもっとも重要な部分である。例えば「生産性の向上」には、機械の導入や外国人労働者の活用等がよく挙げられている。が、まずは現有する従業員の「働き方を見直す」ことから踏み出そう。なぜなら今すぐ始められるし、お金もかからず、なによりもっとも大きな効果が期待できるからだ。この点は普段から取り組んでいる積極的な会社もあるだろう。実際の取り組みには様々な方法があるものの、私がお勧めするのはトヨタ式「改善」である。業種問わず、事業規模も関係ない。根気良く続けていけば大きな効果が期待できるはずだ。キーワードは「日々改善、日々実践」。何事にも「このやり方がベストなのか」という意識を持ち、ひとりひとりがより良い方法を考え改善していく。ムダな仕事はないか、モノを探している時間はないか、部署間の連携は取れているかなど、実践すべきことは山ほどある。「気づき、学び、成長」のサイクルを意識しながら進めると理解しやすいと思う。 次の「従業員満足度の向上」については、従業員に要望や不満を聞くのがもっともスムーズで効果的。当然ながら、できる・できないが出てくるが、なるべき善処することにより働きやすい職場環境を形成することができる。意外とささいな要望であることも多く、例えば、整備工場の暑さ対策に飲料水やミネラル補給品の支給、寒さにはインナーウェアやハンドクリームの支給といったさほど費用のかからない対応でも整備士にとってはありがたいもの。費用の多寡に関わらず、「会社の思いやり」も充分伝わるから常日頃からの実践をお勧めしたい。

「思いは結果として表れる」
 「③どう変わる」については、会社にとっても従業員にとってもプラスの作用しか考えられない。作業スピードが向上、人手不足も解消、部署間の連携がスムーズ、活気があり従業員のモチベーションが高い。それにより「④その結果」、従業員の高い能力で同業他社との差別化が図られ業績が上向くため、労働条件や職場環境もより一層向上できる。これだけでも他社より一歩リードした組織となれるが、そのほかにも強みがある。じっくりと事業を通じてひとを育て、そのチカラで差別化を図っているからこそ、いざ他社がマネしようと思っても一筋縄ではいかないのだ。ここも大きな特徴と言える。

「ひとのチカラで立ち向かう」
 「働き方改革」を実践していく時、まずはこんな感じでおおよその全体像をイメージすると進めやすい。そして会社の社風やスタイルによってアウトラインを変えつつ、「最終目標をどこに設定するのかを明確にする」と良いだろう。大転換期を迎える自動車業界だからこそ、労使共に納得する「働き方改革」が欠かせない。

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