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日本自動車査定協会(「JAAI」東京都港区・廣澤孝夫理事長)は4月1日、修復歴判断基準を変更した。変更箇所は大きく二つあり「クロスメンバーの取扱い」と「各骨格部位の損傷における大きさの基準」を見直した。クロスメンバーについては、フロントクロスメンバーの定義を変更するとともに、クロスメンバーサポートの扱いを廃止した。これまでのフロントクロスメンバー定義は左右サイドメンバーに溶接されているものとしていたが、新定義では、左右サイドメンバーに直接溶接接合されているものとし、間接接合は除かれた。
クロスメンバーとして扱うものは、左右サイドメンバーに直接溶接されており、かつ部品が途中で分割されていないものとした。左右サイドメンバーに直接溶接されていないものや複数の部品で間接接合されているものは、クロスメンバーとして扱わない。これにより、「クロスメンバーサポート」の扱いが変更された。サポート部分の損傷は、新定義に該当しなくなるため修復歴の対象とならなくなった。サイドメンバーと直接溶接されているものは、従来通りクロスメンバーとなり、修復歴の対象となる。
各骨格部位の損傷の「大きさ基準」も4月1日より変更となった。これまでは軽微なもの(500円玉未満)は修復歴として扱われなかったが、今後は小さなもの(カードサイズ未満)までの損傷は修復歴として取り扱われない。同協会では、今回の基準の見直しについて、衝撃を吸収しやすいように車体の構造が変化してきており、これまでの判断基準を見直した。平成28年にもラジエータコアサポートの取扱いを修復歴の基準から外した経緯がある。今後も車体構造の変化に合わせて基準を見直していくとしている。
中古車販売時には、自動車公正競争規約に基づき、広告や店頭展示車に「修復歴の有無」を表示する必要がある。「修復歴の有無」は、日本自動車査定協会(日査協)の定める「中古自動車査定基準」ならびに「修復歴判断基準」に基づき表示することがルール。4月1日より、修復歴判断基準が一部変更されたため、販売店は、新基準で修復歴の有無を判断し、適正な表示を行なう必要がある。公取協(自動車公正競争規約)と日査協(修復歴判断基準)、日本オートオークション協議会(修復歴判定基準)の3団体で同一の基準。
販売店では「基準が変わったということは、今までは修復歴有となる車が、修復歴無しとなる車も出てくるので、しっかりと出品票を確認し、たとえ修復歴無しの車であっても修理跡等は記載されるので、より出品票と現車の確認が必要になると思う」(鹿児島県の販売店)といった声や「新基準で修復歴無しであっても、修理跡があれば、ユーザーの了解を得た方が後々のトラブルにはならないのでは。まだ新基準はスタートしたばかりなので『この車、事故車ですよ』と他社から言われかねないので、これまで以上にお客様への説明が必要になる」(鹿児島県の販売店)と販売時の説明の重要性を指摘する声が多く聞かれた。
今回の基準変更で、各骨格部位の修復歴を判断する「大きさ基準」についても変更された。小さな損傷の大きさは、これまでは500円玉程度とされていたが、今後はカードサイズ(8.5cm×5.4cm)未満とし、カードサイズ未満の損傷が近接している場合や損傷が複数ある場合は、図①のように扱われる。
フロントクロスメンバーの取り扱いも含め、中古車販売店では「車の造りが変わっているので、今回の改正点は、そんな時代の流れに沿った検査基準だと思う。より明確に、かつ分かりやすくなったのではないか」(鹿児島県の販売店)と評価する声が最も多く聞かれた。一方で「現車をよく確認する必要がある。なるべく下見をするべきだろう。仕入れの基準は特に変更しない。フロントクロスメンバーの部位を触っている段階で、車両の前部に何かしらかの衝撃が加わったこととなるので修復歴車にならないとしても、仕入れの対象からは外れる」(愛知県のディーラー仕入担当者)と慎重な声も。
また、「修復歴の判断基準が変更になったことを把握していなかった。周りの同業者からも話題にもならなかった。修復歴の有無は売買金額や販売に大きく影響するので、各機関などがもっと告知をする必要があったと思う」(愛知県の販売店)、「修復歴の基準が緩和されたということであれば、これまで以上に車両の状態確認を徹底しなければならない」(愛知県の販売店)、「今まで修復歴車であった車両についてはユーザーから敬遠されがちであったが、修復歴無しになれば販売チャンスが多くなる」(岡山県の販売店)とするなど、中古車流通活性化につながるという前向きな意見も多く聞かれた。
※記事詳細は自動車流通新聞729号(4月号)で特集しています。
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