Web限定【自動車業界特化型税理士新連載企画】「個人事業」で車屋を始めた酒井くんと、「法人」を設…

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Web限定【自動車業界特化型税理士新連載企画】「個人事業」で車屋を始めた酒井くんと、「法人」を設立した相川さん

コラム 2023年05月08日
『第5話:事業用口座を作ろう!』
会社名:自動車業界特化型税理士 酒井将人

個人経営と法人経営のメリット・デメリットなどについては様々な書籍が発行されていますが、この連載企画では「実際のところどうなの?」という素朴な疑問に立ち返り、物語形式でその実態に迫ります。

【今回のテーマ】
 「個人事業主」として開業することにした酒井くんと、「法人」を設立して開業することにした相川さんは、税務署等へ所定の届け出が完了したので、金融機関で事業用口座を開設することができるようになりました。
 一言で「金融機関」と言っても、都市銀行やネット銀行など種類は様々で、それぞれに違った特徴があります。また、個人事業と法人では用意すべき必要書類も異なってきます。そこで今回は、開業後に事業用口座を開設する際のポイントを整理したいと思います。

【金融機関の種類と特徴】
 事業用口座を開設するにあたって、どのような金融機関を選ぶべきか、それぞれの特徴を正しく理解したうえで検討することが重要です。

(1)都市銀行の特徴
 都市銀行(都銀・とぎん)とは、東京や大阪などの大都市に本店を構えて広域展開している銀行を指す総称ですが、法令で定められた明確な基準がある訳ではありません。現在では「三菱UFJ銀行」「みずほ銀行」「三井住友銀行」「りそな銀行」「埼玉りそな銀行」の
5行体制となっています。
 いずれの銀行も、支店やATMの数が多いため、入出金や振込などの手続きが全国各地どこからでも行いやすい点がメリットと言えます。
 また、世間一般的な認知度や信用度が高く、同行間の振込手数料が無料または安価に設定されているため、お客様から売上代金を振り込んで頂く際にもメリットが生じます。
 ただし、融資を受けたいと考えている場合には、地元の地方銀行や信用金庫・信用組合よりもそのハードルが高くなってしまう傾向にあります。

(2)地方銀行や信用金庫・信用組合の特徴
 地方銀行や信用金庫・信用組合は、地域密着型で地元の企業を支援するなど地域社会への貢献を目的としているため、地域に根ざして事業を行う個人事業主や中小企業にとっては、ぜひお付き合いをしておきたい金融機関と言えます。特に、融資などの相談には親身に対応してもらえるため、早い段階から口座を開設してお付き合いを続け、信頼関係を構築しておくと良いでしょう。

(3)ネット銀行(ネットバンク)の特徴
 ネット銀行とは、正式には「インターネット専業銀行」と呼ばれる銀行で、インターネット上でのみサービスの提供を行っています。店舗や窓口、通帳が無いのが特徴で、パソコンやスマートフォンからインターネットを使って口座取引が行うことが当たり前になりつつある昨今では、ネット銀行を事業用口座として利用する事業者も増えています。
 ネット銀行の多くは、店舗などの固定費を抑えている分だけ、「高い預金金利」や「安い振込手数料」などで口座利用者に還元してくれるというメリットがあります。

【口座名義の話】
 個人口座の口座名義は、当然自分自身の名前になる訳ですが、事業用口座の場合はどのような口座名義になるのでしょうか。

(1)個人事業主の口座名義
 個人事業主の場合、通常の個人名義の口座を事業用として利用されている方もいますが、やはり「屋号」が入った事業用口座を開設しておきたいところです。なお、個人事業主が
事業用口座を開設する場合、ほとんどの金融機関では「屋号+個人名」が口座名義となり、相手先に振込をお願いした際の信頼(安心)に繋がります。
 個人事業主の酒井くんは、個人的な収支と事業の収支を明確に分けることと、お客様に安心して振込をして頂くことを目的として、屋号が入った「酒井モータース 酒井 将人」という名義の事業用口座を開設しました。

(2)法人の口座名義
 法人の場合は、法人である会社と代表者である個人は、法的に別人格となるため、必ず法人名義の口座を開設する必要があります。なお、法人が口座を開設する場合、ほとんどの金融機関では「商号+代表者の役職+代表者名」が口座名義となります。
 法人を設立した相川さんは、「アイカワオート株式会社 代表取締役 相川 奈緒」という名義の法人口座を開設しました。

【必要書類の話】
 事業用口座の開設手続きは、金融機関の窓口で行う方法が一般的ですが、店舗を持たないネット銀行などでは、オンラインや郵送で手続きを行うケースもあります。各種申込書などは金融機関で用意されていますが、『第2話:印鑑を作ろう!』で用意をした銀行印以外に、どのような書類を準備すべきなのでしょうか。

(1)個人事業主の必要書類
 個人事業主が事業用口座を開設する際に準備しておくべき書類は、次の2つです。

 ・本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
 ・個人事業の開業届出書(第4話で税務署に提出した書類)

 なお、個人事業の開業届出書は、税務署の収受印(電子申告で提出した場合には受信通知) が必要となります。

(2)法人の必要書類
 法人が事業用口座を開設する際に準備しておくべき書類は、次のとおりです。

 ・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
 ・法人印鑑証明書
 ・窓口に行く人の本人確認書類

 また、必要に応じて「定款」や「税務関連の届出書類」、そして「事業内容が確認できる資料」や「主たる事業に係る許認可証」などの提出を求められることもあります。

【今回のまとめ】
 昨今、世間では事業用口座(特に、法人名義口座)を悪用した、いわゆる投資勧誘詐欺等の犯罪が数多く発生し、社会的にも大きな問題となっています。そのため各金融機関では、このような金融犯罪を未然に防止するため、新規口座の開設には所定の審査を行っており、口座開設まで2週間以上要することもあります。
 しかし、事業目的が明確であり、きちんと店舗を構えて事業を行っている場合には、問題なく事業用口座の開設は可能ですので、今後の融資などの「お付き合い」、ATMの利用やインターネットバンキングなどの「使いやすさ」、振込やインターネットバンキングの利用にかかる手数料などの「費用面」、そしてお客様から売上代金を振り込んで頂く際の「お客様目線」の観点から検討し、2~3つの口座を使い分けると良いでしょう。


【著者紹介・取材協力】
税理士 酒井将人。
自動車業界特化型税理士事務所OFFICE M.N GARAGE代表。
税務の枠を超えて自動車販売店の業務改善などを行う「中小企業者の経営サポート」と「相続&事業承継対策」のスペシャリスト。著書に『いまさら人に聞けない「中古車販売業」の経営・会計・税務Q&A(セルバ出版)』『おうちのくるま(乗り物絵本シリーズ)』など。


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