共栄車輌サービス・田村正夫常務 穏やかな人柄で取材に応えてくれた
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中古車流通を支える陸送業にスポットを当てる。リーマンショック以降、そして本年の大震災と厳しい環境を通る中、また時代的にもネット取引の増加などでスピード感も大きく変わる中をどのように考え、どのような取組みをしているのか。取材をして、読者のビジネスのヒントになるポイントが多いと思われた。
共栄車輌サービス(神奈川県海老名市)は創業から半世紀近く、神奈川県を基盤に地域密着で事業展開、顧客基盤を持つ。
特に県内の輸送を得意とし、会員店とAA会場との輸送の依頼も多い。
ある顧客は「レスポンスが良く、仕事が確実。その表れがキャリアカーをいつもがきれいにしているところ。それほど気を配った仕事をしてくれるから共栄さんに頼みたくなる。頑張って欲しい会社。」と評価する。
同社の田村正夫常務に話を聞いた。
近況について、「震災から暫くは東北行きの依頼が増えましたが6月以降は落ち着きました。しかし、やはり車不足は痛いですね。」とのこと。
それはリーマンショック以降続いている状況とのことで、その中を陸送業も競争が進み、価格、納期といった条件は難しくなっている。
その中で同社が最大に留意していることは「お客様の商売を支援する仕事なので、まず早く、そして確実に品物が届けることを実現するか」。
特に「確実に」のポイントには気を使っており、「実車チェックを確実に行うように指導しています。お客様の仕事の上からも、知るのが受け取ってからよりも前のほうが良いですから」。
そのため、積み降ろしの際のチェックのスペースを選ぶなどの工夫をしているという。
また「ドライバーに会社の代表という意識を持ってもらうようにしています。お客様の商売を支援する仕事としては、運送業というよりサービス業ですから」。
それがスタッフの仕事につながっており、前述の評価につながっている。田村常務は「お客様との信頼関係が一番大事ですね」という。
このように「顧客の商売の支援」を軸とした考え方を徹底して実践しているが、そのうえでの価格・納期を実現する運営が必要となる。近年の自動車販売業の環境下から店舗を小規模化する顧客もあり、「6台積みで入れないので3台積みを増車」などの要素も出ている。そういった中で空車率を抑え全体の効率を高めるかが求められる。
その運営のうえでは、「昨日良かったことは今日は変わっている。良いと思うことはまずやってみる」ことを心がけているという。その積み重ねが時代や環境の変化への対応を可能にしている。
「今後はさらにお客様の商売の支援になるプラスアルファが必要だと考えています。たとえば、何が売れているかという情報を提供してご商売にお役立て頂くなど。そうして、お客様のご商売をもっとお手伝いしていきたいと思います。」