高級スポーツカー並みの加速性能を持つSIM‐LEI(シムレイ)
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シムドライブは5月18日、東京ビッグサイト(東京都江東区)において、先行開発車事業第1号で開発をしてきた車輌「SIM‐LEI」(シムレイ)の完成発表会を行った。
同車両は既に市販されている電気自動車とほぼ同じ24.9kWhの電池容量で、JC08モード(日本における標準的な市街地走行モード)において、航続距離333㎞の性能を実現した。交流電力消費率としては、77Wh/㎞(ワットアワー/㎞)となり、1ℓ当りのガソリン消費換算で70㎞/ℓのエネルギー消費率に相当する。
この性能の実現には、インホイールモータ及びコンポーネントビルトイン式フレームに代表される、同社のオリジナル技術が基盤になっていると共に、オール鋼鉄製モノコックボディーによる車体の軽量化、高パワー密度電池の利用による回生エネルギーの高効率回収、超低転がり摩擦抗タイヤによる転がり摩擦の低減、超低空気抵抗ボディーによる空気抵抗低減の効果が大きな役割を果たした。
同車両は全長4700㎜、全幅1600㎜、全高1550㎜で、内部は足元を広く、かつトランクルームの空間を広く取る構造となっている。また、加速性能は、0→100㎞/hの条件で、高級スポーツカー並の4.8秒を実現した。
同社の先行開発車事業は、2013年頃に量産化が出来ればと願う電気自動車の先行開発車の試作を行うことを目的としており、現時点で電気自動車ビジネスに参入を意図している34機関が参加している。
同社は「SIM‐LEIの完成により長距離走行が可能であることに加え、エネルギー消費率が極めて良好であることが示された」としている。また、「この成果は、夜間に充電を行うことを前提とすれば、たとえ日本のすべての車が電気自動車に変ったとしても、発電所の増設は不要で、かつ、内燃機関自動車に使われてきた石油の一部を発電にまわすことで、すべての電気自動車の充電を行うことが可能であるということを意味している」(同社)。また、夜間に貯えた電力の一部を昼間の時間帯に家庭用等の電力として使用することも可能とのことである。