インタビューに応じる日産ユーズドカーセンター奥山建社長
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東京・名古屋・大阪の全国で3会場の運営を行う日産ユーズドカーセンター(神奈川県座間市)。先日開催した東京会場座間移転15周年記念では直近5年間で最高の集荷数を記録した。会員から高い支持を受ける同社の特長と考え、取組みと課題について奥山建社長に聞いた。
―御社の特徴は―
弊社は日産自動車グループの一員として、マーケットに日産自動車の良質なタマを安定的に供給するという使命を持っております。出品車両の80-85%は日産自動車販売会社からの出品で、総出品台数の約70%が日産車となります。また、そのほとんどの車両が一次出品車であるため、結果として、バイヤーにとっては小売に直結する活きのいいタマが仕入れられる魅力的な会場になっているといえます。NAAブランドの中古車だったら間違いないと「買っていただいた方に良い商いをしてもらう」ということを最優先に考えております。その同じベクトル上にあるのが、検査品質へのこだわりです。検査員は全て専任社員から構成されており、資格制度を導入、最高位を「Sランク」としました。受検資格は一定のクレーム率をクリアしたごくわずかな精鋭。こうした取組みの上に成り立っている検査精度の高さも弊社の特徴と言えるでしょう。
―現在の市況に対しての取り組みは―
国内の新車販売が低迷すると、当然それに伴い下取車が減少し、通常ですと出品減につながります。当会場は専門店としての強みを活かし、いかに日産販売会社の良質なタマをマーケットに供給するということにこだわりました。こうしたバイヤーの期待に応えるために、販売会社からの「映像出品コーナー」を開設しました。これは日産販売会社31社78拠点の展示場にある小売タマを展示したままNAAに直接出品できるコーナーで、東京会場では一昨年から、大阪会場では今年の5月からスタートさせました。また、ニーズが高い低年式車の特設コーナーも新設しました。東京・大阪では、D@3(ダットサン)コーナーやD@1(ディーワン)コーナー、名古屋では売切りコーナーで、低価格帯ではありますが、これも日産販売会社からの1次出品車を中心とした出品ですので、成約率はほぼ100%となっています。こうした取り組みの結果、全体としての出品数は、前年比増という好結果を収めております。
―課題と今後について―
「扱うタマ」、「品質」、「接客」、「利便性」について、今後も追及していきます。これらを追求していく結果としてNAAのブランド価値が高まると考えています。これは、専門店としてのブランドづくりですので、日産販売会社と中古車業者との円滑な橋渡しを出来るようにしたいと常に考えています。このためには、当会場がどういうメリットを出していけるのか。これを徹底的に考えていきます。バイイングパワーを強化するには会員数を増やさねばなりませんし、外部接続会社との連携や提携も強めなければなりません。「日産車だったら売るのも買うのもNAA」と皆様に言っていただける会場にしていきたい。そのためには我々は何をするべきか。どうしたら皆様に喜んでいただけるのか。こうした想いを持ち続けて日々の仕事をしております。
(聞き手・近藤厚志)
【プロフィール】
奥山 建氏(おくやま・たつる)1956年生まれ。北海道出身。1980年日産自動車入社。趣味は読書。好きな言葉は「虚心坦懐」。