IDOM、初の複合商業施設開発へ - グーネット自動車流通

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IDOM、初の複合商業施設開発へ

企業・団体 2026年08月06日
南アルプス市と立地協定「2028年度中の開業目指す」 リユース文化を暮らし全般へ 「新しい顧客価値をつくる事業」
会社名:IDOM
複合商業施設イメージ図

複合商業施設イメージ図

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 中古車の「ガリバー」を運営するIDOM(東京都千代田区、羽鳥由宇介社長)は5月19日、山梨県南アルプス市が推進する「南アルプスIC周辺整備事業」の中央エリア活用に関する公募で参入事業者に選定され、同市と立地協定を締結した。同社がデベロッパーとなり、衣・食・住などあらゆる領域の企業とともに創り上げる初の本格的な複合商業施設で、「リユースで暮らしを自由にアップデート」をコンセプトに2028年度中の開業を目指す。対象地は中部横断自動車道・南アルプスIC至近の約3・3ヘクタール。本紙は開発担当責任者を務める同社新規事業開発・開発課長の池ノ谷一成氏に、事業の狙いと進捗を聞いた。

 本施設は循環型社会の実現を事業の核に据えた「サステナブル型商業施設」。リユース品を扱うブランドや環境配慮型ブランドを誘致するショッピングエリアのほか、県内最大級の全天候型キッズエリア(インクルーシブ遊具、県内初のデジタルアート施設、職業体験型の学習施設)、絵本・児童書の蔵書数が国内有数となるブックミュージアムを併設するフードエリア、音楽フェスやフリーマーケットなどを開催できる中央広場「セントラルコモンズ」を計画する。

 中古車事業で培ったノウハウの活用について池ノ谷氏は、「直営店を中心に店舗開発を重ねてきた経験に加え、当社自身が商業施設の中にテナントとして出店してきた経験もある。店舗開発とテナント双方の立場を知る多角的な経験を、施設づくりに反映できる」と説明する。その上で「これまでの顧客基盤にとどまらない、新しい顧客価値をつくれる事業だ。特に学びや体験を通じて子育て層や若い世代との接点を増やし、その接点をリユース文化の醸成につなげていきたい」と狙いを語った。

 デベロッパー初参入となる外部パートナーとの役割分担は「まさに今、設計しているところ」。同市の公募は選定されるかどうかが分からない段階では各社とも具体的に動けなかった経緯があり、「プレスリリースの時点では、どの企業との交渉も手探りの状態が続いていた。各社とどのような役割分担をするかの話は進んでいるが、施設内でどの役割を担っていただくかは、各社の意向も踏まえて決めていく」とした。

 立地選定の決め手には、交通の利便性や「子育て日本一」を掲げる市のビジョンへの共感に加え、モビリティとの親和性を挙げた。「南アルプス市には鉄道の駅がなく、完全な車社会。クルマ流通を担う当社だからこそ、モビリティの面で強みを発揮できる。市の計画の中にも交通ハブ拠点となる場所と位置付けられていた」。市が実施した公募型プロポーザルに自ら応募し、選定に至ったという。

 テナント誘致では、リユース品を扱う企業に限らず、リメイクやリサイクルなど環境に優しい取り組みに力を入れる企業に事業コンセプトを伝え、「前向きな反応をいただけた企業と協議を進めている。それが当社の考える『共感』の定義」と同氏は話す。業種はアパレルや家電量販、日用品などが中心で、廃棄予定の家具同士を組み合わせて一つの商品に再生する企業や、破れたデニムをリメイクして再販するアパレルなど、ユニークな取り組みも候補に挙がる。「リユース、リメイク、リボーン、リデュース——各社の『RE』のアプローチはさまざま。単に『サステナブルはいいですね』というだけの出店希望では難しく、コンセプトへの共感の深さを重視している」という。

 子どもたちがリユースに親しむ仕掛けとしては、職業体験ゾーンを構想する。「未就学児から中学生まで幅広い世代に、どのゾーンでどんな体験をしてもらえるか。五感を刺激するような体験を検討している」と述べ、具体化はこれからとしながらも大きな柱に据える考えを示した。

 ブックミュージアムやセントラルコモンズなど物販以外のエリアを充実させた狙いについては、市の公募で掲げられた「まちの玄関口」がキーワードだったと同氏は明かす。「市ににぎわいを創出し、顧客を創造していくことを考える中で、ブックミュージアムという発想に行き着いた」。環境配慮はハード面でも徹底し、「建設ではリユース・リサイクル資材の活用を意識している」ほか、運営面ではシニア層の採用なども視野に入れる。

 発表から約2カ月のテナント誘致・設計面の進捗は「ひと言で言えば交渉中」。もともと関係のあった企業と参画の仕方の協議を始めた段階で、「表に出せる企業名や基本契約の合意はまだない。ご挨拶と条件のすり合わせを経て、先方の役員決議などを踏まえて出店の意向が固まり、初めて公表できるようになる」と説明した。誘致では山梨県初出店にもこだわる。「市も『山梨県初』を打ち出せることを期待しており、これまで当社と関係のなかった企業にも積極的に声をかけている」という。

 協定締結後の反響については「市を通じたものも含め、地元企業や団体からの問い合わせが非常に多い。」と同氏。問い合わせはテナント出店にとどまらず、従業員のユニフォームや花・植木といった分野まで多岐にわたるといい、「私たちにとっても大変ありがたい話」と歓迎した。

 本施設で得た知見の他地域展開については「現時点で具体的な計画はない。デベロップメントやモール運営という初めての事業にまず注力し、その上で市場の反応を見ながら適切に進めたい」と慎重な姿勢を示した。一方で施設は「次世代事業を創出する拠点」と位置付ける。「出店各社にとっても通常出店とは異なるアプローチとなり、需要創造やシェア拡大につなげてもらえる場にしたい」と展望を語った。

 完成時に真っ先に見たい場所を尋ねると、池ノ谷氏は「キッズエリアと、リユースのショッピングゾーンの2カ所」と即答。「当社の事業のスタートはリユース。親子連れをはじめ、お客様がにこにこと笑顔で満足されている光景を見たい」と思いを込めた。開業時期は市との協議次第としつつ「2028年度中の開業を目指す」と考えを示した。施設名称などの詳細は、協議を進めながら順次発表していく。



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