【特集】中古車輸出市場 年間160万台超は確実か⁈ - グーネット自動車流通

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【特集】中古車輸出市場 年間160万台超は確実か⁈

コラム 2025年09月30日
仕向け国はさらに拡大、市場はさらに多角化へ

 中古車輸出台数の推移が過去最高の年間160万台超のペースで推移している。日本中古車輸出業協同組合(佐藤博理事長)がまとめた「中古車輸出統計」によると、2025年1~7月時点の中古車輸出台数は前年同期比8.4%増の97万3213台に上り、このペースが続く場合、160万台超はもちろん、170万台近い数字に及ぶ可能性もある。仕向け国別で見ても上位10カ国のうち、7カ国が前年同期実績を上回る。スリランカは今年2月、中古車輸入が解禁され、コンスタントに台数を伸ばしていたが、7月は初めて月間の輸出台数が1万台を上回った。今回の特集では、中古車輸出市場の状況と、中古車輸出事業への新規参入のヒントなどを探っていきたい。(室田一茂)

【前年比8.4%と高水準で推移する中古車輸出】
 25年の中古車輸出台数は1月単月こそ、前年同月比で下回ったものの、2月以降は堅調な推移を見せ、5月と6月、7月は3カ月連続で2ケタ増の推移を加速させている。7月単月は前年同月比20.0%増に届く状況。仕向け国別で首位を独走するアラブ首長国連邦(UAE)の大幅な台数増(前年同期比18.6%増)はもちろん、着実に台数を伸ばしているタンザニア(同45.2%増)や7月単月で3位に順位を上げたスリランカ(同764倍)が全体に大きなインパクトを与えている状況だ。

【中古車輸出活況の中、かつての上位国が急減速】
 各仕向け国が前年同期実績を大きく上回る推移を見せる中で、かつての上位常連国が急減している。ロシアは依然として2位を維持しながらも前年同期比14.0%減、ニュージーランドは同16.9%減で6位、モンゴルは同35.6%減で4位を維持しながらも3月以降、急速に減少傾向が強まっている。各種規制や政情不安、ロシア向け需要の減少が周辺国に影響を及ぼす状況などが複雑に絡んでいるが、現在の輸出市場において、減少傾向は限定的で、総体的にはアジアやアフリカ、南アメリカなどで、着実に仕向け国が増え、日本からの中古車輸出の間口が拡大していることが大幅な伸びを見せる要因と見られる。11位以下のランキング外の仕向け国についても、軒並み2ケタ増の推移を見せ、場合によっては倍増以上の輸出台数で沸いている国もある。ビィ・フォアードなど輸出大手による仕向け国の開拓や現地エージェントの強化などで、とりわけアフリカ大陸の内陸部などに日本からの中古車が幅広く届き始め、こうした需要はまだまだ拡大することが予想される。


【多様化する中古車輸出、仕向け国も変化し新興市場も急成長】
 活況を呈する中古車輸出市場だが、業界関係者はどう見ているのだろうか。業界関係者へのヒアリングを中心に、現在の市場環境について、現場からの声をまとめていきたい。

 中古車輸出大手幹部によると「4、5、6月は例年に比べ、少し落ち着いた市況だったが、7月は非常に活況で、年間を通じても好調を維持している。急激な円相場の変動がない限り堅調で、販売台数増加分の船枠確保が喫緊の課題。今後も引き続き活況が持続する見込みで、ネガティブな要素が無い状況」と、今年の市場には大きな期待感と手応えを感じている。

 また一方で「トヨタ『アルファード』『ヴェルファイア』は一時期ほどの高値は付かないが、それでも安定したニーズはあり、取引は続いている。また、オーストラリア向けの毎月一定数が輸出され、全面開放にはまだまだ時間がかかる見通しだが、着実に輸出の受け入れは広がっている」(中古車輸出事業者)と、中古車輸出市場の堅調な増加と、新たな仕向け国の増加が中古車輸出ビジネスのさらなる拡大を示唆している。

【活況を呈する中古車輸出、一部で規制強化の影響も】
 今年は高水準を持続する一方で、仕向け国ごとの事情による中古車輸出台数の急減も見られる。モンゴルもその一つで、経年車に対する新規登録制限が首都ウランバートルで施行されたことが要因。「製造から10年以上経過した車両には、ナンバープレートを発行したい」という内容で、国内の交通渋滞緩和と環境改善を目的とした措置。こうした流れから、モンゴル向けに関しては、年初から低調な推移となり、直近は前年同月比で6割減以上の落ち幅。前年実績が非常に高かったこともあるが、ここに来て失速している。一方で「ストックではなく、現地からのオーダーは増加している」(東海地区のAA会場関係者)という。10年以上経過していない中古車へのシフトを強め、例えばトヨタ「プリウス」であれば、30系から50系への移行が顕著に見られる。

 2月の市場開放とともに、急増するスリランカ情勢については「今後は『アンダーバリュー』問題への対応で、9月の中古車輸入は大きく減少する可能性が高い」(中輸協・佐藤博理事長)という情報もある。状況は常に変化、気付いた頃には輸出のブームが過ぎ、大誤算といったケースは過去にも相当見られ、多くの関係者が痛い目に遭ったと振り返ることも。

 一方、こうした動きに対して国内の小売店はどう見ているのか。「AAで仕入れる輸出業者は相場以上の価格で競ってくる。そのため、小売り向けの仕入れ価格も上昇し、競り負けて買えないケースが増えている。輸出が好調なのは悪いことではないが、日本からクルマが無くなっていくことを考えると心配」(国内中古車小売り店)と、中古車輸出と国内小売りのすみ分けが以前のように明確ではない現在の中古車輸出市場は、国内小売り店の在庫車確保を困難なものにする。「会員は増えているが、内訳は外国人会員が多い。国内小売りの外国人ももちろん存在するが、輸出バイヤーが多い」(企業系AA関係者)や「外国籍会員の来場が増加している」(東海地区AA会場関係者)と、中古車流通のプレーヤーとして外国人や中古車輸出事業者の存在感が年々強まっている。

【新たなプレーヤーとして、国内小売り店にも可能性拡大】
 こうした中で、国内の小売りや流通事業者は指をくわえて見ているだけしか手立てがないのだろうか。今現在、店舗で小売りしている中古車を全世界のバイヤーに、見せる手段も拡大している。プロトコーポレーションが運営するクルマポータルサイト「グーネット」と連携し、中古車データを海外向けに掲載できる検索サイト「GOONET Exchange」(グーネットエクスチェンジ)もその一つだ。グーネット掲載店はグーネットの情報を引用しながら、輸出向けの値付けなどを行い、同サイトにアップする仕組み。成約後はグーネットエクスチェンジ社が販売代行を行うので、煩わしい手続き等もなく、ストレスなく、自社の在庫車を海外に向けても販売することが出来る。

 また、中古車輸出のノウハウを蓄積、幅広い関連業務を請け負うサービスを提供する会社も存在する。AUTOHUB(大阪府和泉大津市、中村昌達社長)もその一つだ。「輸出入通関代行」や「海上保険」「国内輸送」「海外書類発送」「海外輸送」「ウェブサイト作成」「自動車の整備・修理」「自動車の写真撮影・検査」などを事業内容とするが、要は中古車輸出に関する各種業務を代行してくれるということ。主要な仕向け国には現地オフィスもあり、現地でのデリバリーや集金なども安心して任せられる。こうしたサービスを利用する国内小売り店も増加傾向にあるという。「例えば、スポーツカーを専門的に販売するお店は海外からも注目が集まっている。

 一方で、最近では日本の軽トラックが人気を博しており、こうした車両の海外への輸出も増加傾向」(AUTOHUB=中村社長)という。「中小の販売店でも出来るビジネス。国内と海外の双方で販路を拡大できれば、在庫車の回転も早まり、好循環を生み出す」と、国内小売り店にも大きなビジネスチャンスが存在することを示唆している。
 
 ただ、一方では「海外向けの相場感はしっかりと養わなければならない。また、国によっては、集金リスクなどもあるので、しっかりと輸出代行業者などと相談することが必要」(中村社長)だという。同社のウェブサイトでは、こうした中古車輸出のノウハウについて、ブログなどで分かりやすく解説しているので、自社での中古車輸出興味のある販売店には、ぜひ一度チェックしてもらいたい。

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【対象評価点】

4、4.5点

【抽出価格条件】

直近価格が500千円以上

【抽出台数条件】

毎月50台以上の流通が過去6ヶ月連続していること