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川崎大輔のアセアン人材コラム⑬

  • 業務中のポーハン氏 業務中のポーハン氏

国際感覚を身につけ、各国の現状を直視せよ

 ネッツトヨタ富山(富山県、笹山社長)は、ミャンマー人のポーハン氏を自動車整備エンジニアとして採用した。将来の海外進出を見据えたことがきっかけとなった。人事の責任者を兼任する村井取締役は「海外進出に向かうにあたって、外国人整備エンジニアの採用は1つのポイントでした。海外でしっかりと仕事ができる人材がいれば良いと思ったためです。また、外国人の採用は、日本人社員のグローバル化に向けた教育の一環もありました」と語る。

 ミャンマーの整備市場に残されている課題として、日本では当たり前のことがされていないことだ。整備士の教育、純正部品の迅速な調達、修理履歴の記録、アフターフォローの接客サービスなどがなされていない。単に日本企業が現地に整備工場を作れば良いといのではない。高い専門知識、技術などの教育を伝えることが大切だ。日本で当たり前のサービス提供がまだ整っておらず、整備ビジネスから波及する周辺ビジネスにまだまだ大きな可能性がある。更にクーデターの長期化は、ミャンマーにおける経済発展の停滞、そしてモータリゼーションの遅れを招く。遠い国だからという「対岸の火事」ではなく、日本にできることは何か。身近に考える国際感覚を身につけるきっかけになるのも、外国人活用の大きな魅力だといえるだろう。

 日本で学んだ人材は、ミャンマーにおける日本車市場の拡大に向けた大きなポテンシャルを持っている。外国人の整備人材育成は、海外の日本車市場の拡大を実現させる。「日本にいる外国の方々には覚悟を感じます。国を超えて学びにきているので、そういう行動力やバイタリティとかを日本人従業員も見習ってほしいです。将来的にリーダーとして現場を引っ張ってもらい、日本人と同じように幹部としてやっていってほしいです。」(村井氏)。外国人であってもリーダーを目指せる体制、更に日本で学んだ経験を母国に帰国してからも活かせるような体制を構築すること。短期的ではなく、長期的な戦力として外国人との共存共栄を考えていくことがこれからの日本の自動車業界に求められている。

<川崎大輔 プロフィール>
大学卒業後、香港の会社に就職しアセアン(香港、タイ、マレーシア、シンガポール)に駐在。その後、大手中古車販売会社の海外事業部でインド、タイの自動車事業立ち上げを担当。2015年半ばより自らを「日本とアジアの架け橋代行人」と称し合同会社アセアンプラスコンサルティング にてアセアン諸国に進出をしたい日系自動車企業様の海外進出サポートを行う。2017年に株式会社アセアンカービジネスキャリアを立ち上げアセアン各国からの外国人整備エンジニアを日本企業へご紹介。アジア各国の市場に精通している。経済学修士、MBA、京都大学大学院経済研究科東アジア経済研究センター外部研究員。


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