新車販売増加で4期ぶりの増収 9期連続の黒字決算 ヤナセ
ヤナセ(東京都港区)は11月25日、2010年9月期の連結決算を発表した。これによると、新車販売実績が前期を11.0%上回ったことにより単体の売上高が2234億8000万円(前期比4.1%増)、連結売上高2838億5100万円(同4.2%増)とそれぞれ前期より増加し、4期ぶりの増収となったのをはじめ、前期に引き続いて「新車」「中古車」「アフターセールス」3事業の「バリューチェーン経営」の推進と多面的なコスト削減に取り組んだ結果、単体の営業利益が36億4500万円(同15.0%増)、経常利益15億9100万円(同63.6%増)、当期純利益7億7300万円(同103.0%増)、連結では営業利益54億3500万円(同35.5%増)、経常利益20億2300万円(同708.8%増)とそれぞれ増益を記録。単体・連結とも2002年9月期以降、9期連続の黒字決算となった。
【新車】
2010年9月期は、「エコカー減税や新車購入補助金などの政府支援策による国産車を中心とした国内乗用車市場の活性化で、輸入車についても減税・購入補助金対象車の追加投入や環境技術を採用したニューモデルの登場により需要が盛り返した」とこれまでの市況を振り返った。同社は百貨店やショッピングモールと提携し出張展示会・試乗会を積極展開するなど、地域性に応じた需要喚起に取り組んだほか、既納顧客に加えて、新規需要層にも輸入車の優れた安全性や走行性、快適性を全面にアピールし、精力的な訪問活動を積み重ねた結果、グループの新車販売実績は、2万6223台(対前期11.0%増)と、4期ぶりに増加に転じた。
ブランド・モデル別では、主力のメルセデス・ベンツが新たな環境技術「BlueEFFICIENCY」搭載のニューモデル「Eクラス」「Cクラス」の売れ行きが好調だったことに加え、世界で最もクリーンなディーゼルエンジン「BlueTEC」が、新型「Eクラス ステーションワゴン」とセダンに搭載され話題を呼んだ。スマートについては、4月から同社のメルセデス・ベンツ全拠点に取り扱いを拡大したことで実績が大きく伸長。ニューモデルのアウディ「A5 スポーツバック」などでモデルラインアップを拡張したアウディ、エコカー減税・新車購入補助金対象車を数多くラインアップしたフォルクスワーゲンも新型「ポロ」を中心に販売が好調で、同社の新車販売実績を押し上げた。
BMWはニューモデル「X1」と新型「5シリーズ セダン」が、ボルボはニューモデル「XC60」が好評を博し、シボレーも新型「カマロ」の発売により、それぞれ販売実績を伸ばした。
【中古車】
中古車市場は、エコカー減税や新車購入補助金などの政府施策により、「購買需要が新車に傾斜したため、市場は全般的に低調に推移した」と分析。この状況下、同社では下取率の向上に努め、良質な商品を確保し車両の高品質化を進めた。
また、在庫管理の一元化を推し進め、販売効率の向上に注力。外部検査機関による品質評価の導入で商品の信頼性を高めるとともに、中古車検索サイト「BRAND‐SQUARE・com」の大幅リニューアルで個々の商品車両に対する訴求効果を高めるなど、各種施策を積極的に展開し拡販に努めた結果、中古車販売実績は、2万2013台と前期から8.2%減少したものの、高価格車の小売販売台数増加とオークション市場での品薄感による卸売販売の成約単価上昇により、部門利益は前期より増加。
【アフターセールス】
整備・修理事業は、保有台数減少と車両品質の大幅向上などにより全体の整備台数は微減となったが、早期予約割引キャンペーンの展開や携帯電話サイトによる予約サービスの導入で入庫促進に努め、顧客の利便性を高めた結果、主力のメルセデス・ベンツ車の車検入庫台数は前年同水準を維持し、収益確保に大きく貢献。また、技術研修や社内検定を強化し、整備技術向上や工程管理に対する意識高揚にも努め、顧客アンケート結果に基づく課題改善に注力することで、顧客満足度と生産効率の向上にも取り組んだ。板金塗装事業は、「ヤナセBPシステム」の全国展開を加速し、損害保険会社との提携を強化。また、メーカー認定工場資格取得の推進で受注拡大に努めた。部品・用品販売事業は、グループ会社のヤナセオートパーツが首都圏エリアセンターを設置し京浜地区の部品外販事業を強化するとともに、インターネットショッピングモールにセレクトショップ「ヤナセアウトグリュック」を出店するなど、BtoB、BtoC取引とも拡大を図ったことが寄与した。
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