【中古車市場の活性化と業界の健全化を目指して 対談企画⑤】JU中販連 塚田長志会長 × プロトコーポレーション 白木享社長
激動の時代を生き抜く、中古車業界の「安心と信頼」への道 ~「人の教育」と「情報の開示」で中古車業界の健全化に挑む~
会社名:日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)
中古車市場の活性化と業界の健全化を目指して 対談企画⑤
拡大
仕入れ価格の高騰や業界の信頼回復に向けた取り組みなど、今まさに大きな転換期を迎えている中古車市場。激動の時代において、ユーザーから真に選ばれる「安心と信頼」の市場をいかに築くべきか。全国約11,000社の会員を擁する日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)と、「グーネット」を展開しデジタルの力で市場を支えるプロトコーポレーションのキーパーソンが集結。業界健全化へのアプローチ、そして持続可能な未来を切り拓くための戦略について熱く語り合った。
①新車供給回復と価格高騰の裏にある、中古車業界の「現在地」
── 新車供給が回復傾向にある一方、インフレによる仕入れ価格の高騰、金利上昇、人手不足、さらには一部における不適切な販売行為による信頼失墜への懸念など、業界は今、多くの課題に直面しています。この激動の時代を生き抜くために、何が必要だとお考えですか。
塚田会長:JU中販連は設立から55年、一貫して「中古自動車販売事業者憲章」を掲げ、安全と安心を提供することで業界の発展に取り組んできました。今、改めてこの原点に立ち返る必要があります。
一番危惧しているのは、業界全体がばらばらに動いてしまい、結果としてユーザーを置き去りにしてしまうことです。今こそしっかりとした「交通整理」を行い、業界の健全性を示す旗印を掲げなければなりません。
持続可能な業界をつくるためには、消費者から選ばれ、真に信頼される販売店をいかに増やしていくか。これに尽きます。適切な価格提示や信頼できる情報開示を進めるためには、グーネットなどのメディアを運営されるプロトさんのご協力も不可欠です。
白木社長: おっしゃる通りですね。私どものデータを見ても、ここ1年で中古車の平均小売価格は確実に上がっています。高額な買い物になる上、ローン金利も上昇傾向にあるため、消費者の心理的ハードルは高くなっています。だからこそ、「価格算出の透明性」と「取引の健全性」が、今まで以上に重要になっています。
外部環境の変化や一部のネガティブなニュースがあるからこそ、業界全体で「真の価値」を証明していく必要があります。私たちはメディア・プラットフォームの立場から、健全に努力されている販売店様が正当に評価され、ユーザーが安心して車を選べる環境をいかに支えるかを常に考えています。
②「一物一価」だからこそ、ユーザーの期待を裏切らない
── 中古車は「一物一価」であり、新車とは異なる難しさがあります。その中で、ユーザーに対してどのような姿勢で向き合うべきでしょうか。
塚田会長: 新車とは異なり、中古車は車両の状態も違えば価格も違います。その中でユーザーは何をもって、何を判断して買うべきなのか。それを整えるのが我々の役目です。
車を買うというイベントは、多くのユーザーにとって人生で数回あるかないかの大きな買い物。価格にかかわらず、「車を所有する喜び」「納車の喜び」、そして「車のある生活」を想像してワクワクされているわけですから、我々はその期待を絶対に裏切るわけにはいきません。
白木社長:塚田会長のお言葉には完全に同意いたします。私どもが展開する「グー」や「グーネット」も、単にユーザーが欲しい車を見つけるだけのツールではありません。その根底にあるのは「ユーザーにクルマのある生活を楽しんでもらうこと」です。
ネットで探す人が増えたとはいえ、既存の管理顧客(リピーター)を大切にしている販売店はやはり強いです。市場価格が輸出需要などで乱高下する今だからこそ、「あの店で買えば間違いない」という信頼関係(人)が生き残る道だと思います。
③「人」の教育 ── 適正販売店制度のグレードアップへ
── ユーザーの期待に応え、確かな安心と信頼を得るために、現在JU中販連では「適正販売店」と「販売士」の制度を強力に推進されていますね。
塚田会長:私はJU中販連の会長就任にあたり、「JU中販連の一丁目一番地は安心と信頼」だと掲げました。おかげさまで適正販売店の数は1,700社を超え、組合員が一丸となって取り組んでいます。
しかし、一般ユーザーへの認知度はまだ十分とは言えません。「適正販売店」の意味や意義を会員はもちろん、ユーザーにも周知し、消費者保護と、安心・安全なJUショップの存在をアピールしていきたい。
武藤専務:会長のお言葉を補足すると、「適正販売店」と「販売士」のエッセンスは「あの人買い(人柄や信頼で選ばれること)」で店舗が選ばれるようになることです。事業の要素として「人・物・金」がありますが、JUが今最も力を入れているのが「人」に対する教育事業(講習会など)です。目先の金儲けだけでなく、お客様と情報を共有し、長く続く商売を目指していける取り組みを続けています。
④「物」と「金」の信頼担保 ── 情報開示、OBD診断、保証の役割
── 「安心と信頼」を具現化する上で、「物」と「金」の信頼をどう担保していくかが鍵になります。
武藤専務:中古車は価格がオークション市場で決まる自由経済です。だからこそ「品質の開示」こそがトラブルを防ぐ鍵になります。消費者相談で最も多いのも、品質(故障)に関する不満です。
これからの鍵は「OBD(車載式故障診断装置)情報の共有」と「保証」です。例えば、買い取り時にOBD検査をせず、後から「不具合が出たから減額する」という“後出しジャンケン”はおかしい。最初から情報を開示し、小売時もクリアな状態でお渡しするのが理想です。
白木社長:トラブル防止の「情報共有」の仕組みとしては非常に共感します。プロトコーポレーションも創業以来、「情報の開示」にこだわり、走行距離や車台番号の一部表記など、「どうすればユーザーが不安なく車を買えるか」を愚直に追求してきました。
私どもはこれからの取り組みとして、OBDデータを活用した「グー故障診断」の普及に力を入れています。ハイブリッド車やEV(電気自動車)が急速に普及する中で、バッテリーの状態やソフトウェアの不具合など、外見では絶対に分からない「見えない価値やリスク」が生まれています。これらを共通の尺度で可視化することは、売り手と買い手の「情報の非対称性」を解消する最大の鍵になります。ちなみに、JUさんとしての保証制度の推進状況はいかがでしょうか。
JU中販連小売振興部長 東 由剛:JUとしては「まずは自社で責任を持って保証をやる」ことを大前提としています。その上で、各会員店の扱う車種や売り方に合わせ、グー保証などの優れた民間保証やJUの推奨保証をチョイスできるようサポートしています。
また、ユーザー側に「中古車はいつか壊れるリスクがある」という認識を正しく持ってもらうことも重要です。中古車のメリットと隣り合わせにあるリスクを責任を持って伝えるため、現在啓発用の動画制作なども進めています。
松沢取締役:保証という優れたツールがあっても、販売店側がそれを都合のいいように使ってしまっては意味がありません。やはり武藤専務が仰ったように、扱う側のモラルが根底に必要ですね。
⑤業界の未来を守るための「これからの取り組み」
── それでは最後に、今後の具体的な取り組みと、中古車業界の健全な発展に向けた決意をお聞かせください。
塚田会長:まず「適正販売店」と「販売士」の推進をさらに加速させ、今後は「適正販売店・販売士=安心と信頼 =JU」という図式を、消費者の頭の中にしっかりと確立させたい。
また、消費者に安心して車を選んでもらうため、OBD診断結果の内容を業界統一化しておかないといけないと考えています。そのために、国土交通省、自動車公正取引協議会(自動車公取協)、日本自動車査定協会、買取業界とJUとで、どのような情報が必要かを議論する場を近々設けることとなっております。
価格の不透明感をなくすための「支払総額表示」の徹底もさらに推進します。グレーな応酬話法によるトラブルを排除し、徹底的に「ユーザーから信頼され、選ばれるお店作り」に特化しなければ、JUという組織そのものの存在意義が問われます。グーネットをはじめとした有力な媒体とも深く連携し、ユーザーに向けた情報発信を強化していきます。
白木社長:強力にバックアップさせていただきます。我々プラットフォーム側としても、適正販売店の取り組みや修復歴、支払総額表示(諸経費の透明化)をいかにユーザーへ分かりやすく伝えるかは大きな課題です。例えば「適正販売店は必ず保証を付帯して販売する」といった、ユーザーに一目で伝わるパッケージ化なども、ぜひ一緒に模索させていただきたいですね。
情報が溢れる時代だからこそ「情報の価値」、つまり「誰が、何を言っているか(信憑性)」が重要になります。私どもは掲載される情報の質と量、そしてその精度に徹底的にこだわり、信頼の担保に努めていきます。これは大げさではなく「中古車業界の未来を守るための闘い」だと思っています。JU中販連様、そして全国の販売店様と共に、誇れる業界の未来を切り拓いてまいります。
塚田会長:JUには55年の歴史と「中古自動車販売事業者憲章」という原点があります。社会的責任を網羅したこの憲章を今一度一人ひとりが深く理解し、時代が変わってもブレない軸として、組織と会員へのさらなる徹底に努めていきます。共に健全な市場を築いていきましょう。
【日本中古自動車販売協会連合会(JU中販連)URL】
https://www.jucda.or.jp/
オークション一覧へ
企業・団体一覧へ
整備一覧へ
板金一覧へ
店舗情報一覧へ
ひと一覧へ
相場統計一覧へ
新製品一覧へ
新車ランキング一覧へ
中古車ランキング一覧へ