2019-03-08 |
井上屋
社長 井上三禎
「定価の無い商品。売れても売れなくても自分のせい」と中古車販売の醍醐味を語るのは、岡山市南区で中古車販売店「井上屋」を経営する井上三禎社長。大手中古車販売店で営業経験を積んだ後、独立開業して中古車販売店を創業した。井上社長が独立したのは2004年。同じ岡山市内で10年間営業した後、現在の所在地に移転した。井上社長は従業員を雇わず身一つで会社を経営、さまざまなアイデアと高いモチベーションで「幸せな15年間」とする創業からの年月を振り返る。 (室田一茂)
■売れる工夫は「スピード」と「的確な情報提供」
同社の展示車両の大半はオートオークション(AA)仕入れによるもの。長年の経験で培った「目利き」で、ユーザーニーズを的確に捉えた限られた展示車を揃える。AA落札と同時に商売は始まる。店舗に落札車両が到着する前に、写真撮影や車両情報の中古車ポータルサイトなどへの登録を済ませるという。商品車が到着する頃には、買い手がすでに決まっているケースもあるという。「中古車販売において、店の規模や場所、創業時期は全く関係ない。インターネット中心の販売において、『売れる工夫』を常に考えている」という。
■ネットへの即時UPや動画を通じた情報提供
ポータルサイトへの中古車情報の登録を即時的に行う一方で、ユーザーに車両情報を的確に伝えるための動画を通じた情報発信にも注力する。ユーザーが気になる車両の状態を「映像」と「音」で説明できる動画は非常に効果的。「地元はもちろん、全国からの問い合わせがあり、中古車を売ることで、いろんな出会いもあった」と振り返る。東日本大震災の被災地としても有名な宮城県南三陸町のユーザーに中古車を販売した際は、震災当時のエピソードなども聞いたという。
■一風変わった「構造変更」などでもノウハウ
通常の中古車販売を手がける一方で、提携する整備工場などとノウハウを共有して、5ナンバーワゴンの「4ナンバーバン化」やトヨタ「シエンタ」(7人乗り)の「5人乗り化」などの構造変更も得意とする。ユーザーにとっては、使い勝手の向上や維持費の節約などにつながるアイデア。取材当日もトヨタ「ノア」の4ナンバーバンが展示・販売されていた。
■社長ひとりで切り盛りする販売店
井上屋には従業員は居ない。井上社長が朝7時に出社し、整備や鈑金・塗装は信頼する提携工場に外部委託、JUの登録受託・封印事業などをうまく活用しながら、車販に関わる各種業務をこなす。「JU適正販売店」にも登録し、ユーザーに「安心」と「信頼」を提供する。
■「月10台売ればいい」「残業はしない」
敷地には15~20台の展示車を並べ「月10台売ればいい」と、手頃な価格の軽自動車とコンパクトカーを得意とする。朝7時には出社し一日の業務を開始、「残業はしない」と公言するように、夕方には業務を終えて家族との時間を最も大切にする。「幸せな15年間」と振り返るように、創業からの人生は、仕事と家族との時間を両立しながら、まさに「身一つ」で走り続け、厳しい市場環境が指摘される昨今も、独自のスタンスで「井上屋」の看板を守っている。
<店舗情報>
社名:井上屋
代表者:井上三禎社長
所在地:岡山市南区藤田1788-7
TEL:086-239-3244
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